弁護士辻孝司オフィシャルブログ

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ガリレオの国で、科学者が有罪!

2012-10-25 18:41:41 | インポート

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地震予知に関わった科学者らの予知がはずれて地震が起こって、大勢が死傷したとして、

過失致死傷罪で禁固6年の実刑判決!  

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イタリアというところが良いですね。

さすがは ガリレオ裁判の国!! です。

科学的見解が誤って罪に問われる!!

    

 とはいうものの、専門家が安易に楽観的な意見を述べて、その結果、意見を信じた人が被害に遭ったとしたら、医療事故と同じで、責任を問われても仕方がないような気がします。

 でも、医療行為は、正解の医療行為というのが比較的はっきりしているから過失を問えますが、地震予知に正解なんてあるのかな?

 楽観的な意見は慎重に言うべきなのでしょうが、慎重になりすぎて悪い可能性ばかり言っているのなら、専門家でなくても言えますしね。

    

 弁護士も同じで、楽観的な見通しを伝えて依頼を受けると悪い結果が出たときに依頼者とトラブルになるし、逆に、悲観的なことばかり言っていたら誰も依頼してくれません。

微妙なバランスが求められます。   

    

【ラクイラ=共同】
多数の犠牲者が出た2009年のイタリア中部地震で、大地震の兆候がないと判断し被害拡大につながったとして、過失致死傷罪に問われた同国防災庁付属委員会メンバーの学者ら7人の判決公判が22日、最大被災地ラクイラの地裁で開かれ、同地裁は全員に求刑の禁錮4年を上回る禁錮6年の実刑判決を言い渡した。
 地震予知の失敗で刑事責任が争われる世界的にも異例の事件。同地震では309人が死亡、6万人以上が被災した。
 
 イタリアの刑事裁判では判決理由は後日開示されるため、裁判所の判断の詳細は不明。被告側は控訴する方針を明らかにした。
 
防災庁幹部だったベルナルド・デベルナルディニス被告(64)は閉廷後、記者団に「私は自分の務めを果たしただけで間違いは犯していない」とあらためて無実を主張した。
 
大学教授や地震学の専門家らで構成される同委員会は、数カ月にわたり群発地震が続いていた中部の状況について、2009年3月31日にラクイラで開いた会議で大地震に結び付く可能性は低いと報告。これが報道され、安心して避難しなかった多くの住民が六日後の四月六日に起きた中部地震で死傷したとして、7人が2011年5月に起訴された。
 公判で、検察側は「委員会の報告がなければ犠牲者は用心深く行動したはずだ」と主張。弁護側は「地震被害は誰の責任でもない。まるで中世の裁判のようだ」と争っていた。