循環型社会って何!

国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

食い物のこと

2008年02月09日 | 廃棄物政策
俵孝太郎という男をご存知ですか。反共、反リベラルの確信犯で、ひとの神経を逆撫でするような毒舌の名手として定評のある男です。週に一度「辻斬り説法」というコラムを日刊ゲンダイに発表しており、毎回頭にきながら「愛読」しているのですが、2月8日付けの「説法」は目からウロコでした。 概要は以下のとおり。

「毒入り餃子事件で中国のインターネットに反日分子の書き込みが横行しているという。中国の安い食材と労賃を利用していたのだから日本の自己責任だ、という。彼らの言い草は概して支離滅裂だが、この点に限ってはそのとおりだ。回収品のリストを見ていると、よくもよくもこれだけの著名企業がケチな儲けを当て込んで中国の一地方工場に群がり、多種多様だが一様にチープな加工食品を家庭向けから給食・外食産業用まで見境なくつくらせていたもんだ、と呆れる。日本の食糧自給率はカロリーベースで40%しかないから中国からの輸入をやめることはできない、というが、そうだろうか。テレビのバカ食い番組に象徴される飽食も目に余る。全国民が摂取カロリーを1割落とせばごみ処理やメタボ対策予算は減り、糖尿病や痛風が減って医療費を抑制できる。それだけでも食糧輸入は減り、自給率はハネ上がるだろう(中略)。昔から安物買いのゼニ失いというが、いまは安物買いはゼニどころか命まで失いかねないのだ。チープな食い物は買わず食わない。そこからはじめるべきではないか」。

 文中、痛快だったのは「よくもよくもこれだけの著名企業がケチな儲けを当て込んで」のくだりと、「チープな食い物は買わず食わないことだ」という締めくくりです。
ところで新聞や週刊誌に載った冷凍食品のパッケージ群を眺めるにつけ、いかにも電通か博報堂の手が入った卓抜なイメージ商品の感があります。石原慎太郎や橋下徹などのネオファシストが苦もなく圧勝してしまう土壌と同じことでしょう。
 日本をここまで経済優先の下品な国にした元凶は田中角栄だとよくいわれますが、彼は新潟に富を集中させるいい訳に列島改造をゴリ押ししたにすぎず、ほんとうの犯人は60年安保直後に登場した池田隼人です。安保のキナ臭さを消すためと、民衆の卑しい心根に付け込もうと持ち出したキャッチコピーが「所得倍増」でした。
 海外(主として途上国)から安い資源を大量輸入し、これを先端技術で加工して輸出する、いわゆる加工貿易中心の経済構造への転換が池田以後の政治(自民党)戦略でした。大量生産・大量消費の基礎がつくられたのもこの時期です。
 この面で日本が急成長するためには三つの条件が必要でした。 ひとつは安い労働力を農村から大量に引き出すこと、第二にコンピュータ技術を中心としたハイテク技術の採用、そして三つ目は製造工程からの廃棄物をタレ流しすることでした。その結果もたらされたものが水俣病に象徴される公害問題であり、地方の疲弊です。農村部の人手不足を補うように猛毒に近い農薬が大量に使われたことも絡み、いまや食糧自給率39%。大枚の札束で食い物を外から買っている国なんて日本だけなのです。
 ではどうしたらいいのか。これまで小生は冷凍パックの食品やカップラーメンの類を買ったことがありません。それ以外でもパック詰めの食品には例外なく添加物が入っています。とりあえずは個人の努力でこうした食品を買わないこと、腹いっぱいメシを食わないことで対抗し、一日も早く政権交代を実現させることしかないようです。ごくごく当たり前の話ですがーーー。

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