平成25年7月7日(日)
鷲ヶ峰1,797.9m、男女倉山(ゼブラ山)1,776m
土曜に梅雨が明けた。今年の梅雨は曇って今にも降りそうなお天気は多かったが、ほとんど雨らしい雨が降っていない。台風でも来ないと、このままでは水不足になる。夏山の予定を立て始めているが、こんなに早く梅雨が明けてしまっては、予定も狂ってしまう。『梅雨明け10日』とは良く言うが、今年の場合これは当てはまるのだろうか?ずっと暑い夏が続くという予報もある…。さて、来週は3連休だが、夏山のプレ予定として、霧ケ峰をふらふらしようと思っていた。ニッコウキスゲも咲き出したと思うが、まだ夏の花のシーズンにはやや早い。
土曜の夜に家を出て長野に向かう。軽井沢から佐久に出て、大門峠経由でビーナスラインに入る。かつては高い有料道路だったが、無料になってからしばらくたつ。ビーナスラインは濃い霧で、その上突然シカが車の前に立ちふさがるので気が抜けない。車山の下を抜け、八島湿原の駐車場に入り車を停めた。11時になっていた。ぽつんぽつんと他に駐車している車があった。直ぐにシュラフに潜って眠った。
6時にアラームを設定しておいたが、鳴りだす前に目が覚めた。早朝の駐車場には次々に車がやってくる。空は明るいが、濃い霧に覆われ視界は50mも無い。ゆっくり支度をはじめ、6時44分に駐車場を後にする。ビーナスラインの道路の下を潜り抜けて駐車場反対側の湿原に出る。八島ヶ原湿原の大きな看板の前から、指導標に従って鷲ヶ峰へは北に向かう。霧が濃く、周囲の景色はほとんど見えない。登りになって直ぐにあるシカ避けのゲートを開けて先に進む。ご他聞に漏れず、この辺りもシカの食害が酷い様だ。大量に増えているシカたちが、食べ易い高層湿原の植物をお食事処としているというのも笑えない現実だ。ぼくが子供の頃、キャンプで訪れた霧ケ峰や美ヶ原にはそんな無粋なものは一切無かったから、こんな柵やゲートは存在しなかった。とはいえ、当時は訪れる人が捨てていくゴミの問題があって、あちこちに心無い人々が捨てていったゴミを見たようにも思う。
緩く、あるいは少し急になって標石とケルンがある小ピークに出る。このピークの前後では、レンゲツツジに混じって、まだヤマツツジが咲き残っていた。御嶽神の小さな石碑がある。一旦少し下り、また上り下りを少し、足元にあるウスユキソウの花を見てから、最後はちょっときつい登りを幾らもしないで鷲ヶ峰の山頂に7時31分に着いた。鷲ヶ峰山頂の立派な標柱と展望方位盤やベンチまである。残念ながら濃い霧に包まれ全く眺めは無い。ここにも新しいタイプの三等三角点標石があった。長野県の山では、三角点が故意に欠かれているものを多く見るから、あるいは、欠かれてしまったために設置し直したのかもしれない。人が多く来る山としては珍しく、三角点標石が半分土に埋まっていた。霧ばかりでなく、帽子が吹き飛ばされてしまうくらい風も強くなり、眺めも無い山頂には長居は無用だった。昨年登った虫倉山から大きく立派に見えた鷲ヶ峰に登ったが、この山頂は展望が素晴らしいことで知られているのに、今日のこのお天気は非常に残念だ。
八島湿原まで引き返す途中で、登ってきた人とすれ違い、8時10分に八島湿原分岐に出た。八島湿原手前の鷲ヶ峰分岐付近でも若者の4人程のグループとすれ違った。八島湿原は霧の帳に隠れてほんの手前しか見えない。白いコバイケイソウが目立つが、他にはハクサンフウロがぽつぽつあるくらい。湿原反対側の木道の外には、咲き始めたニッコウキスゲがほんの少し見られるくらいで、総じて花は少ない。木道を鎌池方面に歩いていくと、鎌池手前付近で不意に湿原の上の霧だけが晴れて広い湿原がぽっかり姿を現した。向こうには霧のベールに隠れた車山方面の山の斜面が少し見えるが、本当に湿原だけ霧が晴れている。湿原は緑の広い草原のようで、辺縁部に点々と見えるコバイケイソウ以外は花も見えなかった。空が明るくなってきたので、この時はてっきりこれで晴れていくものだと期待したのだが…。
鎌池の先で湿原と別れ、またシカ避けのゲートを開けてしばらく笹の道を行くと、木造の小屋が見えた。後ろから二人連れのハイカーが後を追ってくる。近くに来ると小屋はロープが張られて入れない。標識には休憩所と書いてあるが、木の下にあるベンチのことを休憩所と言っている様だ。この付近まできたらぽつぽつ雨が落ちてきた。この小屋の前がゼブラ山(男女倉山)と車山・御射山遺跡方面との分岐になっている。ゼブラ山へは笹の道を左に辿る。しばらく笹の道を歩いていたが、雨足が強くなってきたので、木の下に入って雨具を出し、カッパを着てザックカバーもかける。空は薄暗く、風も結構あって雨は本降りになった。
雨の中、傾斜が少しきつくなり笹から潅木の斜面を登って9時15分に男女倉山(ゼブラ山)に着いた。ゼブラ山と書かれた標柱が建っている。風も雨も強まり、山頂に着いたといってもただそれだけ。今日は霧ケ峰を一周して散策し、花を楽しもうと思ってきたのだが、こんな調子ではこの先に行く気にもならなかった。ゼブラ山から往路を引き返す。軽装でゼッケンを付けた若者が次々にやってくる。中には走っている者もいるから、競争をしているのかとも思ったが、それにしてはだらだら歩いている者も多く、競っている雰囲気ではない。帰りにビーナスラインを車で走っていたら御射山付近をこの一団がゆっくり歩いていた?
ザーザー降りの雨の中、八島湿原まで戻ってきた。そこは観光客プラスアルファのハイカーでもう賑わっている。色とりどりの買いたての最新ウェアに身を包んだ人々が、10時に戻った駐車場やビジターセンター周辺にも沢山居た。手前の駐車場は既にほぼ満車の状態で、駐車場の整理員まで居る。奥にはバスも何台か見えた。駐車場に着いたら、雨も止んで、晴れないまでも霧も幾らか薄くなってきた。カッパを着るのが遅くなったので、ズボンが大分濡れて、結局毛管現象で靴の中まで濡れてしまっていた。車の外で着替えていると、ますます人も多くなってきた。不完全消化の物足りなさを残して八島湿原駐車場を後にした。雨は上がったが、相変わらず霧が去来し、山の上は見えない。ビーナスラインで白樺湖まで戻る。車山の登り口や白樺湖周辺も人が沢山いた。
帰りは旧望月町(現佐久市)の春日温泉に寄る。この辺りまで下ってきたら晴れて夏の日差しが強かった。ここには、国民宿舎と奥に別館の建物がある。手前が国民宿舎もちづき荘、奥が信州春日温泉『かくれ宿ゆざわ荘』とあるが、両方とも公営の施設で、同じ指定管理者の経営だ。車が沢山停まっていた手前の国民宿舎を避け、奥に抜けて駐車場に車が1台しか無かったゆざわ荘で入浴する。ゆざわ荘の方が建物も旅館らしい雰囲気がある。浴場は余り広くなかったが、誰も居なくて完全に貸切状態。小さな露天風呂からは、直ぐ前にある馬事公苑で乗馬する人たちが見える。ゆっくりのんびり完全貸切の温泉を満喫した。ここは源泉掛け流し、アルカリ性の単純泉なので、特に臭いもしないが湯の鮮度は良い。山で不完全燃焼の分、温泉は大変満足だった。入浴料400円というのも安い。前回に引き続き半日で引き上げる山になった。軽井沢で遅い昼食を食べて帰路に着いた。
鷲ヶ峰1,797.9m、男女倉山(ゼブラ山)1,776m
土曜に梅雨が明けた。今年の梅雨は曇って今にも降りそうなお天気は多かったが、ほとんど雨らしい雨が降っていない。台風でも来ないと、このままでは水不足になる。夏山の予定を立て始めているが、こんなに早く梅雨が明けてしまっては、予定も狂ってしまう。『梅雨明け10日』とは良く言うが、今年の場合これは当てはまるのだろうか?ずっと暑い夏が続くという予報もある…。さて、来週は3連休だが、夏山のプレ予定として、霧ケ峰をふらふらしようと思っていた。ニッコウキスゲも咲き出したと思うが、まだ夏の花のシーズンにはやや早い。
土曜の夜に家を出て長野に向かう。軽井沢から佐久に出て、大門峠経由でビーナスラインに入る。かつては高い有料道路だったが、無料になってからしばらくたつ。ビーナスラインは濃い霧で、その上突然シカが車の前に立ちふさがるので気が抜けない。車山の下を抜け、八島湿原の駐車場に入り車を停めた。11時になっていた。ぽつんぽつんと他に駐車している車があった。直ぐにシュラフに潜って眠った。
6時にアラームを設定しておいたが、鳴りだす前に目が覚めた。早朝の駐車場には次々に車がやってくる。空は明るいが、濃い霧に覆われ視界は50mも無い。ゆっくり支度をはじめ、6時44分に駐車場を後にする。ビーナスラインの道路の下を潜り抜けて駐車場反対側の湿原に出る。八島ヶ原湿原の大きな看板の前から、指導標に従って鷲ヶ峰へは北に向かう。霧が濃く、周囲の景色はほとんど見えない。登りになって直ぐにあるシカ避けのゲートを開けて先に進む。ご他聞に漏れず、この辺りもシカの食害が酷い様だ。大量に増えているシカたちが、食べ易い高層湿原の植物をお食事処としているというのも笑えない現実だ。ぼくが子供の頃、キャンプで訪れた霧ケ峰や美ヶ原にはそんな無粋なものは一切無かったから、こんな柵やゲートは存在しなかった。とはいえ、当時は訪れる人が捨てていくゴミの問題があって、あちこちに心無い人々が捨てていったゴミを見たようにも思う。
緩く、あるいは少し急になって標石とケルンがある小ピークに出る。このピークの前後では、レンゲツツジに混じって、まだヤマツツジが咲き残っていた。御嶽神の小さな石碑がある。一旦少し下り、また上り下りを少し、足元にあるウスユキソウの花を見てから、最後はちょっときつい登りを幾らもしないで鷲ヶ峰の山頂に7時31分に着いた。鷲ヶ峰山頂の立派な標柱と展望方位盤やベンチまである。残念ながら濃い霧に包まれ全く眺めは無い。ここにも新しいタイプの三等三角点標石があった。長野県の山では、三角点が故意に欠かれているものを多く見るから、あるいは、欠かれてしまったために設置し直したのかもしれない。人が多く来る山としては珍しく、三角点標石が半分土に埋まっていた。霧ばかりでなく、帽子が吹き飛ばされてしまうくらい風も強くなり、眺めも無い山頂には長居は無用だった。昨年登った虫倉山から大きく立派に見えた鷲ヶ峰に登ったが、この山頂は展望が素晴らしいことで知られているのに、今日のこのお天気は非常に残念だ。
八島湿原まで引き返す途中で、登ってきた人とすれ違い、8時10分に八島湿原分岐に出た。八島湿原手前の鷲ヶ峰分岐付近でも若者の4人程のグループとすれ違った。八島湿原は霧の帳に隠れてほんの手前しか見えない。白いコバイケイソウが目立つが、他にはハクサンフウロがぽつぽつあるくらい。湿原反対側の木道の外には、咲き始めたニッコウキスゲがほんの少し見られるくらいで、総じて花は少ない。木道を鎌池方面に歩いていくと、鎌池手前付近で不意に湿原の上の霧だけが晴れて広い湿原がぽっかり姿を現した。向こうには霧のベールに隠れた車山方面の山の斜面が少し見えるが、本当に湿原だけ霧が晴れている。湿原は緑の広い草原のようで、辺縁部に点々と見えるコバイケイソウ以外は花も見えなかった。空が明るくなってきたので、この時はてっきりこれで晴れていくものだと期待したのだが…。
鎌池の先で湿原と別れ、またシカ避けのゲートを開けてしばらく笹の道を行くと、木造の小屋が見えた。後ろから二人連れのハイカーが後を追ってくる。近くに来ると小屋はロープが張られて入れない。標識には休憩所と書いてあるが、木の下にあるベンチのことを休憩所と言っている様だ。この付近まできたらぽつぽつ雨が落ちてきた。この小屋の前がゼブラ山(男女倉山)と車山・御射山遺跡方面との分岐になっている。ゼブラ山へは笹の道を左に辿る。しばらく笹の道を歩いていたが、雨足が強くなってきたので、木の下に入って雨具を出し、カッパを着てザックカバーもかける。空は薄暗く、風も結構あって雨は本降りになった。
雨の中、傾斜が少しきつくなり笹から潅木の斜面を登って9時15分に男女倉山(ゼブラ山)に着いた。ゼブラ山と書かれた標柱が建っている。風も雨も強まり、山頂に着いたといってもただそれだけ。今日は霧ケ峰を一周して散策し、花を楽しもうと思ってきたのだが、こんな調子ではこの先に行く気にもならなかった。ゼブラ山から往路を引き返す。軽装でゼッケンを付けた若者が次々にやってくる。中には走っている者もいるから、競争をしているのかとも思ったが、それにしてはだらだら歩いている者も多く、競っている雰囲気ではない。帰りにビーナスラインを車で走っていたら御射山付近をこの一団がゆっくり歩いていた?
ザーザー降りの雨の中、八島湿原まで戻ってきた。そこは観光客プラスアルファのハイカーでもう賑わっている。色とりどりの買いたての最新ウェアに身を包んだ人々が、10時に戻った駐車場やビジターセンター周辺にも沢山居た。手前の駐車場は既にほぼ満車の状態で、駐車場の整理員まで居る。奥にはバスも何台か見えた。駐車場に着いたら、雨も止んで、晴れないまでも霧も幾らか薄くなってきた。カッパを着るのが遅くなったので、ズボンが大分濡れて、結局毛管現象で靴の中まで濡れてしまっていた。車の外で着替えていると、ますます人も多くなってきた。不完全消化の物足りなさを残して八島湿原駐車場を後にした。雨は上がったが、相変わらず霧が去来し、山の上は見えない。ビーナスラインで白樺湖まで戻る。車山の登り口や白樺湖周辺も人が沢山いた。
帰りは旧望月町(現佐久市)の春日温泉に寄る。この辺りまで下ってきたら晴れて夏の日差しが強かった。ここには、国民宿舎と奥に別館の建物がある。手前が国民宿舎もちづき荘、奥が信州春日温泉『かくれ宿ゆざわ荘』とあるが、両方とも公営の施設で、同じ指定管理者の経営だ。車が沢山停まっていた手前の国民宿舎を避け、奥に抜けて駐車場に車が1台しか無かったゆざわ荘で入浴する。ゆざわ荘の方が建物も旅館らしい雰囲気がある。浴場は余り広くなかったが、誰も居なくて完全に貸切状態。小さな露天風呂からは、直ぐ前にある馬事公苑で乗馬する人たちが見える。ゆっくりのんびり完全貸切の温泉を満喫した。ここは源泉掛け流し、アルカリ性の単純泉なので、特に臭いもしないが湯の鮮度は良い。山で不完全燃焼の分、温泉は大変満足だった。入浴料400円というのも安い。前回に引き続き半日で引き上げる山になった。軽井沢で遅い昼食を食べて帰路に着いた。
今年の夏は予定が立ちません。来週末から南アルプス南部に行こうと思っていたのですが…お天気が怪しいです。
さて、霧ヶ峰には幾つものピークがあります。晴れていれば景気も良いし、花も楽しめるところです。名前のとおり、特に夏場は霧が巻いていることが多いのが難点ですね。秋はイイみたいです。また秋にでも出直します。男女倉山はゼブラ山の方が通りが良いようです。八島が原湿原の東にあります。