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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

90歳のお医者さん(過去の別の日記を振り返って⑳)

2022-10-04 23:30:32 | つぶやき

カメラを落とした(過去の別の日記を振り返って⑲)より

 平成19年の9月30日に次のような日記を別ブログに記している。タイトルは「90歳のお医者さん」である。

 以前「ムラのお医者さん」( http://blog.goo.ne.jp/trx_45/e/b28d162742be1870d6f4180258dfd1b0 )について触れた。わたしは30歳近くまで、かかりつけのお医者さんというと近くにあった「高仲さん」というお医者さんだった。地域ではおばあさんもおじいさんも「高仲さん」で通った。わたしが最もお世話になったころは、先生は50歳代だったと思う。まだテレビがどこの家にも無かった時代に、高仲先生はNHKの新日本紀行という番組に登場した。番組はまだ白黒時代だったから、昭和40年代、先生が40歳代のころの番組だったのかもしれない。もちろん当時わが家にはテレビというものがまだなかったから、その番組を放映当初に見た覚えはないのだが、その後再放送をしていてその番組の存在を知った。最後にその番組を目にしたのは、もう20年ほど前のことかもしれない。どんな番組かというと、先生と近くに住む仲間が「スガレ追い」に行くというものだ。まだ若かった頃の先生、そしてそこに登場する近所のおじさんたちもどこかで見たことのあるような人たちだった。

 この先生は、わが家と隣組が一緒だったから、宿番でまわしていく新年会でわが家にやってくることもあった。そして何より祖母も祖父もこの先生に看取ってもらった。この地域のみんながお世話になったわけだ。その先生は今でも医院を開業したている。すでに90歳という。ここ10年以上拝顔したことはないが、お元気でなによりだし、「すごい」先生である。

というもの。当時生家を訪れた際に、まだ開院していることを聞いて記したものだ。もちろんもう亡くなられた。建物も近年取り壊されて、今は更地になっている。日記内にある新日本紀行の番組であるが、「NHK『新日本紀行』放送データリスト」の一覧から推定すると、昭和39年9月14日に放映された『伊那谷』というものだろう。その後「再放送」として昭和54年に放映されているようで、わたしはおそらくその再放送を見てこの番組を知ったと思う。実は新日本紀行には「新日本紀行ふたたび」という番組が近年製作されている。おそらく「ふたたび」に対応しているのがこの番組だったのだろう。いまだに伊那谷の風物詩でもうる「すがれ追い」であるが、もちろん昔ほどすがれもいなくなれば、追うひとも少なくなった。「職人さん」と言えば必ずすがれ追いをしたものだ。その通り、父も大好きだった。

 

遠くからやってきたレシート(過去の別の日記を振り返って㉑)


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