Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

流木拾い

2022-08-07 23:54:29 | 自然から学ぶ

長谷市ノ瀬三峰川(2022年7月28日撮影)

 

 以前にも触れたことがあったが、近ごろ三峰川を遡って杉島まで行った際に、あらためて三峰川堤防上の国道152号を走って思ったことは、河川がずいぶん埋まっているということであった。とりわけその印象を強く抱くのは堤防上が国道になっている市野瀬のあたりのこと。市野瀬は国道を介して左が三峰川なら、右側が水田地帯と市野瀬の集落という設定となる。振りかっえって撮影したものがこの写真である。2022年7月28日現在のもの。いっぽうグーグルマップのストリートビューで見られる光景がこれである。2012年6月とあるから、10年ほど前撮影されたもの。もちろんグーグルマップだから、いつ更新されても不思議ではなく、閲覧しているのは今日現在のものだ。対岸のヤナギの木だろうか、河床からずいぶん幹が見えているグーグルマップに比較すると、明らかにここに掲載した写真は幹が隠れている。流水部を見てみても、河床が高くなっているのは誰でも見て取れるだろう。

 実は国道右手の水田地帯は、美和ダムのバイパストンネルの土砂を搬入してほ場整備されたもの。もうずいぶん前に行われたものだが、かつては水田地帯はもう少し低い位置にあった。ところが今、国道を走っていると、川の方が水田より高いのじゃないか、と思わせるほど河床が上がっている。三峰川は市野瀬から見ても、まだまだ奥が深い。そして破砕帯が多いから崩土がたくさん流れ着く。そのせいで堆砂しているというわけである。下流に美和ダムがあるからよけいに堆砂するのだろうが、あらためて中止されてしまった戸草ダムの必要性が高まっている。

 さて、河床を見ると砂ばかりではなく流木がたくさんたどり着いている。美和ダムは流木が多いことでもよく知られている。国交省の天竜川ダム統合管理事務所のホームページでも「流木提供情報」トップに貼っているほど、三峰川といえば「流木」と言えるほど流れ着く流木は多いよう。そしてそれらを一般に無料提供しているというわけだ。「流木」といえば、かつて生家の横を流れる川へ、それを拾いによく行かされたものだ。「何のために」と言えば、もちろん当時は焚き物が必要だった。とりわけ風呂は焚いていたから、焚き物はたくさん必要だった。よく乾いていて、よく燃える、それが流木だった。自然にあるものを利用する、そんな時代の子どもの仕事でもあったわけである。


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