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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

東信の道祖神と五輪塔⑤

2024-09-12 23:29:45 | 民俗学

東信の道祖神と五輪塔④より

 

北佐久郡立科町平林


東信の道祖神と五輪塔③」で触れた北佐久郡立科町牛鹿虎御前公民館から数百メートル東に行ったところにある平林集落の中ほど、三叉路に双体道祖神が祀られている。その周囲に石がごろごろと祀られているのか、それとも置かれているのか、はっきりしない風景が目に入る。岡村知彦氏の『北佐久石造文化財集成―立科町編―』には、合掌型双体立像1基のほか、同じ所と思われるところに石祠1基と五輪塔片1基があるように記載されている。道祖神と五輪塔が並んで記載されていると「怪しい」と思いピックアップして現地を訪れているもので、ここ平林の道祖神を訪れるきっかけも岡村氏の前掲書による。

 さて、石祠は同じ箇所に見受けられないが、五輪塔片は確かに存在した。それも1基どころか数えると6基は最低でも確認できる。さらに五輪塔片かどうか不明なものが、双体道祖神の後ろにも隠れていて、小さなものを含めるともういくつか上乗せとなる。ようは前掲書の1基以上に、たくさん五輪塔片が存在するのである。双体道祖神に銘文はないが、そこそこ古い年代の物と想像される。もともと道祖神と五輪塔片が並んで祀られていたのかどうか。

続く

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