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豊足穂神社例祭へ 前編

2024-09-07 23:18:21 | 民俗学

ここまで南鴨改善センターで

 

豊足穂神社で(令和6年9月7日午後7時20分~50分)

 

 同僚の息子さんが「天狗」を担うというので、先週に引き続き奥信濃を訪れた。いわゆる祭礼で注連切りをする天狗。炎を伴う祭りは、人々の目を奪うのは確かで、練りの中心は神楽、いわゆる獅子ではあるが、人々の感心は、やはり「天狗」なのである。

 木島平役場のすぐ東に南鴨生活改善センターがある。ここが祭りの「宿」である。かつては「宿」を担うのは希望者だったというが、希望者が無いと区長宅が宿となった。その負担も大きいこと、また最近ではコロナ禍もあって、宿は集会施設に変わった。この宿で注連切りはもちろんだが、獅子舞も舞われ練りは始まったというが、今は獅子舞を舞うのは神社境内のみ。したがって午後7時に始まり、終了は午後9時ころと、約2時間の奉納神楽である。南鴨改善センターから豊足穂(とよたるほ)神社までは、距離にして70メートルほどと短く、練りは短時間。したがって改善センターと神社での注連切り、神社での獅子舞がメインとなる。戸数140戸ほどという南鴨区の家々がほぼ氏子となる。祭典団と言われる若者の集団がこの奉納神楽を担っており、若者の集団がここでは健在だ。30歳代なかばで祭典団は終了のようで、同僚の息子さんも祭典団では長老にあたる。昨年初めて天狗を務め、今年は2回目。3年は務めると言うが、さすがに人手が減ってきて、4年目もあり得るということも耳にした。

 先週の桑名川の天狗と違うのは、注連を切る際に右手に刀、左手に松明を持ってその所作に入るところ。切る際には松明を放り注連を左手で持って右手の刀で切る。野沢温泉の湯沢神社の注連切りに似ている(湯沢神社では松明を放り投げると同時に注連を切る)。

 さて、ここでも灯籠がたくさん練りに加わる。制札灯籠に御幣灯籠は桑名川と同じ。傘鉾風の灯籠は提灯の付いたものも角灯籠のタイプの物も合わせて花灯籠と言う。野沢の道祖神祭りに揚げられる灯篭も花灯籠なのだろうが、垂れ下がる花はないものの、ここではそう呼ぶようだ。小さな角灯籠は「こっぱ灯籠」と呼ぶらしく、この灯籠は子どもたちが持って練る。書かれた文字を見ると、そもそも灯籠造りには子どもたちが加わっているようだ。

続く


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