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旧武石村余里の自然石道祖神 後編②

2024-07-08 23:39:55 | 民俗学

「旧武石村余里の自然石道祖神 後編①」より

余里自然石道祖神⑩

 ⑨までおよそ200メートルごとにあった道祖神は、少し間をおく。下ること350メートルほどのところ、道路右側路肩に小さな自然石がふたつ祀られている。これもまたこれまでと同じようなゴツゴツした石である。

 


余里自然石道祖神⑪

 ⑩からさらに400メートル下ると、右に鋭角に曲がる道路がある。この道に入って下ったところに「道祖神」が立っている。この道祖神については、グーグルマップで確認するとして、道を戻って再び下ること130メートルほど、これもまた道の右側の路肩であるが、石に囲われた空間にゴツゴツした石がひとつ祀られている。小さな石もあるのでそれも道祖神かどうかは不明である。

 


余里自然石道祖神⑫

 ⑪から下ること400メートル。余里の最も奥だった①からすれば、しだいに道祖神と道祖神の間隔が広がっていくような印象を受けるが、道の左手に台石のようなものがしつらえてあって、その上ではなく後ろに自然石が祀られている。これまでの石は黒っぽかったが、今回は白っぽい石。ゴツゴツしてはいるものの、今までのものよりは小刻みなゴツゴツである。


 ここまでが余里である。12箇所に自然石道祖神が祀られていたことになるが、小林大二氏の『依田窪の道祖神』によれば余里には14箇所の祭祀場所があるとされている。したがってわたしが最上流から下りながら探し当てたもの以外に最低2箇所の祭祀場所があることになる。余里川右岸に家が点在しているところがあり、そうした集落に道祖神が祀られていることは、比較的近くに祀られている道祖神の現状から容易に推定される。この後訪れた際に確認してみたいと思う。いずれにしても余里の自然石道祖神の姿は、ほぼ同じような祭祀状況と捉えられる。石質についてまでそれぞれ確認できないが、再度訪問した際に、「かぶっつら石」についても聞き取ってみたい。

終わり


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