Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

人生の駆け引き

2005-09-17 19:19:32 | ひとから学ぶ
 車の運転というのは、なかなか駆け引きがあったりして、なにも考えずに運転している人と、いろいろ駆け引きしている人では、内容が違う。会社の昭和50年代生まれの女性は、ふだん個人的にはあまり運転していない。だから、免許をとって数年たっているが、まだ初心者と同じである。その彼女が、就職して会社の車を運転するようになって、ようやく運転というものが少しずつであるがわかってきている。先日踏切を渡ったが、一旦停止というよりは徐行で渡りきった。今のは止まれになってないよ、というと、本人は自覚していない。彼女にとっては一旦停止も徐行も同じなのである。
 きょうも前を走っていた車が、踏切を少しスピードを落としただけで、ほとんど突っ切っていった。踏み切りの場合、遮断機がおりていなければ、まず安全ではあって、普通の交差点よりは減速しなくても安全かもしれない。ただし、もし事故が起きたら大事である。
 昨日、長野市から県南へ会社を早退して帰った。捻挫している足を診てもらえるのは、週末しかないため、いつも金曜日の夕方、医者がまだ開いている時間に間に合うように帰る。定時で帰ると、間に合わないので早退する。この日も4時過ぎに長野市を出て、国道19号を南下した。長野市から東筑摩郡明科町まで、国道19号をずっと走るわけだが、この間やく1時間の間に、信号でストップすることは、信州新町と生坂村で1回あるかないかである。この日は、長野市から北安曇郡八坂村あたりまで、大変快調であった。ときおり、大型車の遅い車がいたりしたが、譲ってくれてつながることはなかった。前に乗用車が1台。後ろにトラックが1台いた。前の車がけっこうスピードを出す車で、ついていくと、遅い車に追いつく。すると、離して見えなくなっていた後ろのトラックが追いついてくる。このトラックもけしてスピードが遅いわけではなく、前が詰まると、けっこうわたしの車に接近して、アオルわけではないが、けっこうそれに近いくらい接近したりして、中に挟まれているわたしは、その辺を駆け引きしながら走っていた。車間が一定していれば、後ろの車をそう気にすることはなかったが、けっこう接近していたりしていたので、後ろの車にはどういう人が乗っているのだろう、なんていう感じにルームミラーで確認していたりした。トラックの大きさは2トン程度だろうか。ただし、3人乗っているのが確認できるから、けっこうワイドなトラックである。同じ服を着た3人であるから、同じ会社の人たちだろう。話しながら運転しているから、わたしの車に接近はするものの、意図的ではないとはすぐわかった。
 そうこうして八坂村を過ぎ、生坂村へ入ると、前の大型車がゆっくりで、譲ることもなかった。そのため、のろのろに近いかたちで、しばらく走ることになった。明科町境までは、後ろの車が一緒に走っていたことは覚えているが、明科町に入る手前でその車が急に後ろにいなくなった。どこかそこらへ用事があってきたのか、あるいは少し休むつもりで停車したのだろう。そのまま、明科町川西まで走り、わたしは国道19号から分かれて、明科町七貴へ裏道を走った。午後5時10分ころのことである。
 帰宅後、テレビのニュースで明科町南陸郷で事故があったことを報じていた。2人が意識不明の渋滞で、国道19号は通行止めになっているというような話であった。その時はとくに感じなかったが、きょう新聞をみていて、事故のあったのが、午後5時20分ころであったことがわかった。そして国道19号は約3時間半にわたって通行止めだったという。この日、足の捻挫もだいぶよくなってきたので、医者に行くために早退しようかどうか、仕事も忙しいので悩んでいた。それでも行けるときにいっておうこと、決して早退したわけであるが、定時に帰っていたら、おそらく、この通行止めにはまっていた。加えて、事故の時間である。2週間前には、やはり早退したが、明科町川西を午後5時20分ころ通過している。ほぼ事故と同時刻に通過しているのが、最近であった。そう思うと、自分がその事故にかなり接近していたことがわか。そして新聞を読んでいて気がついたのだか、事故にあった車のうち、3トントラックには3人が同乗していて、会社の同僚であったという。そのうちの1人がなくなっているが、わたしも国道19号はずいぶん走っているが、3人乗りのトラックを見ることはそうはない。そう考えてみると、確実ではないが、わたしの後ろに走っていたトラックが、この事故に巻き込まれたのではないかと感じた。おそらく、1回停車した後、再び走り出してすぐの出来事であったのではないだろうか。この事故では2トン車とこの3トン車が、対向車線にはみ出した乗用車のせいで衝突し、両トラックの1人ずつが亡くなった。運転の駆け引きはもちろんであるが、人生の駆け引きのようなものをそこからみてとれるような気もする出来事であった。
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