登記もろもろ覚え書

司法書士の覚え書き

合筆の条件

2012-09-19 | Weblog

土地家屋調査士の職域になるのだが、
合筆したい、という相談が時々ある。



たとえば
区分けして売るつもりもないのに
なぜか自分の敷地が3筆に分かれていたりすると、
登記記録を調査するにしても
登記事項証明書をとるにしても
3物件分の印紙を支払わなければならない。

抹消登記をするにしても
1筆なら1000円ですむところ
3筆あると3000円になってしまう。
司法書士手数料も高くなってしまったりする。

それなら一筆にまとめてもらったほうが
いいんじゃないか、ということである。



自分の土地なんだから
くっつけるのも切り離すのも自由だろう
とお思いの方もあろうが

実は、合筆できる場面は意外に限られているのである。


【不動産登記法41条】

1 相互に接続していない土地は合筆できない

2 地目、地番区域が相互に異なる土地は合筆できない

3 表題部所有者、所有権登記名義人が同一でなければ合筆できない

4 表題部所有者、所有権登記名義人の持分が異なっていたら合筆できない

5 所有権登記のある土地とない土地とは合筆できない

6 所有権の登記以外の権利の登記がある場合は合筆できない

例外

たとえば、抵当権、質権、先取特権につき
登記内容や受付番号が全く同一であれば合筆できる。



結論を単純に考えると、
登記簿の記載のうち「地番」と「地積」以外の内容が異なっていたら
合筆は難しい、ということになる。



しかし、逆に言えば

・地目が異なっていたら、地目変更すれば合筆できる

・所有者の住所が異なる場合は、名変をすれば合筆できる

・所有者が異なっていたら所有権移転登記をすれば合筆できる
→所有権の取得原因が異なっていても(売買、贈与など)合筆できる

・所有者の持分が異なっていたら持分移転(更正)すれば合筆できる
→所有権取得の経緯が異なっていても合筆できる

・追加担保の場合は合筆できない
・借換をすれば合筆できる


ということになると思われ、
実は合筆の問題は司法書士の職域にも密に関連してくるのである。






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