登記もろもろ覚え書

司法書士の覚え書き

取締役会非設置会社と役員変更

2011-05-16 | Weblog
取締役の員数が3名に満たない会社は、取締役会を置くことができない(取締役会非設置会社)。

取締役会非設置会社は、取締役が3名以上になっても取締役会設置会社になるわけではない。



1 取締役は株主総会で選任する。

取締役に選任された者は就任承諾書を提出しなければならない。
株主総会に出席して、席上で就任承諾していればその議事録の記載を援用できる。

就任承諾書の押印または援用する議事録の押印は、当該取締役の個人の実印でしなければならない!
実印を押印したことがわかるよう印鑑証明書を添付(商業登記規則61条2項後段)。
ただし、再任の場合は、実印でなくとも良い(同上)。


※一般に、株主総会議事録には、取締役の署名義務がないので、押印についても不問である。取締役の就任に関する株主総会においても同様で、その場合、就任した取締役は就任承諾書を提出しなければならず、かつ新任取締役はそれを実印でしなければならないということである。ところが、代表取締役の就任に係わる株主総会の場合は、議長および取締役に押印義務が課せられる(商業登記規則第61条4項1号)。



2 代表取締役を定める場合、代表取締役は、定款の定め、株主総会又は取締役の互選によって選定される。



2-1 代表取締役を株主総会で選定する。

株主総会議事録を添付する。議長および出席取締役が署名押印(記名押印)しなければならない。監査役に署名義務はない。全員実印押印し印鑑証明書を添付。ただし、前任代表取締役(印鑑登録者)が総会に出席して取締役または代表取締役として議事録に会社実印(届出印)を押印していれば、他の取締役の実印の押印は不要(商業登記規則第61条4項1号)。

就任承諾書に実印の押印は不要。株主総会議事録に就任承諾の記載があれば援用可能。

代表取締役交代の場合、印鑑登録のため、印鑑届書に個人の実印の押印、および印鑑証明書の添付が必要。



2-2 代表取締役を取締役の互選により選定する。

定款に、代表取締役の選定方法につき取締役の互選による旨の規定がなければならない(定款添付)。

取締役の互選書を添付する。署名は出席取締役全員。全員実印押印し印鑑証明書を添付。ただし、前任代表取締役(印鑑登録者)が再任するかもしくは取締役(前代表取締役)として互選書に会社実印を押印していれば、他の取締役の実印の押印は不要(商業登記規則第61条4項2号)。

就任承諾書に実印の押印は不要。互選書に就任承諾の記載があれば援用可能。

代表取締役交代の場合、印鑑登録のため、印鑑届書に個人の実印の押印、および印鑑証明書の添付が必要。

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