エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

猪苗代湖の水質保全

2009-11-29 | 環境問題
【猪苗代湖・裏磐梯湖沼フォトコンテスト入賞作品 ネットより】

 先頃、08年度の全国の湖沼水質ランキングが公表され、2年連続ランク外だった猪苗代湖が2位に入った。猪苗代湖は05年度まで4年連続で全国1位だったが、大腸菌が環境基準を超え、2年連続で最初から評価対象外となっていた。ランク1位は支笏湖(北海道)、3位は倶多楽(くったら)湖(同)、4位は有峰湖(富山県)、5位は草木湖(群馬県)だった。
 トップから「ランク外」への転落は、猪苗代湖を本県の自然環境のシンボルに据える県に大きな衝撃を与え、県は関係市町村、各団体と20年2月に猪苗代湖水環境保全関係団体等連絡会議を設立、生活排水対策、環境に優しい農業などを強化してきた。また、専門家で構成する猪苗代湖水質保全対策検討委員会も発足させた。また、民・産・学・官が一体となって実践活動に取り組むこととし、清らかな湖、美しい猪苗代湖の水環境研究協議会が発足した。
猪苗代湖は、流入河川の水質変化で中性化が進み、大腸菌類が生息しやすい環境になり、水環境保全活動の重要性が増しているという。

平成20年度猪苗代湖の水質測定結果等が詳しく報告されている。
http://www.pref.fukushima.jp/kance/invest/report/H20inawasiro.pdf

猪苗代湖はこれまで、安達太良山周辺の酸性温泉や旧硫黄鉱山からの硫酸が長瀬川を通じて流入。酸性の水で溶け出した鉄イオンなどが、環境悪化の原因となる水中のリンなどを付着させて沈殿する自然の浄化システムで水質を保ってきた。湖水の水素イオン濃度は90年代前半まではpH5程度だったが、徐々に酸性度が弱まり、昨年度は年間平均6・5と中性化が進んでいる。
 
 会津若松市でも、大切な資源を守るため「猪苗代湖水環境保全推進計画」を策定し、○自然汚濁の低減 ○人為汚濁の低減 ○水辺環境の保全・整備推進 ○市民参加による水環境保全活動の活性化 ○水環境保全思想の啓発推進 ○水環境保全に関する調査研究の充実などを具体的に実践している。 湖畔のヨシなどが枯れ、富栄養化の原因の1つと考えられ、最近では刈り取りが進められている。

 時々眺める美しい猪苗代湖にいつも癒されている。ランク付けよりも、水質改善が急務である。個人でできることは限られるが、湖の周囲で生きとし生ける野鳥や魚、植物や昆虫など、壊れやすい生態系がいつまでも保全されていくことを願っている。

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