エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

絶滅が危惧される虫たちを守りたい。  その3

2009-09-15 | 昆虫
麗しの磐梯

 明け方、強い雨音に目が覚めた。今日は終日降る予報だ。
 昨日は、朝方は磐梯山も雲に覆われていたが、徐々に晴れ天高い青空に恵まれ、久しぶりに静かな林を歩いた。
 絶滅危惧種のマダラナニワトンボの生息していそうな場所を探したいと思っている。 毎年観察しているポイント近くの池や沼のいくつかを巡った。
 地図にはないが、小さいため池はいくつもあるようだ。地形が分からないので付近の草刈りをしたり、田を見回っている人に尋ねながら歩いた。教えられた道を行くのだがなかなか見つからなかった。
 普段よく通っている国道をはずれると、まだまだ自然豊かな里山が広がっていた。黄金に実った田のむこうには雄大な磐梯山が見えた。

 どこも赤トンボが飛び交っていた。側溝のミソソバにはイチモンジセセリが飛び交い、畦にはウラギンヒョウモンがさかんに産卵に訪れていた。近くにスミレを確認した。
 ペアになったノシメトンボが、波打つ黄金に実った稲穂に産卵する様子を目撃した。打空産卵なのか、初めて見る光景だった。
 満開のソバ畑にはアカタテハやメスグロヒョウモン、オオウラギンヒョウモンなどがのどかに密を吸っていた。


 産卵するウラギンヒョウモン


 連結し産卵するノシメトンボ

 どこも池の畔はマダラナニワトンボの生息するような環境ではなかった。その生息環境が特異なため、なかなか条件の揃う場所がないのだろう。ほんのわずかの恵まれた限られた場所でしか生息出来ない。明日の保証はない、絶滅が心配されるトンボだ。

 赤井谷地の周囲も巡ったが、周囲の農道の所々に、「天然記念物境界」と刻んだ境界石をいくつも見た。湿原そのものが天然記念物【赤井谷地沼野植物群落】で、入れそうなところには立ち入り禁止の立て札が立っていた。いつも湿原全体をながめられるところからも、最近はクマザサが背丈以上に伸びて入っていけなくなった。湿原の水環境の様子は全く分からない。

 家を出たのが10時前、昼過ぎに戻るつもりが、途中で気づいたらすでに1時を廻っていた。いつものポイントを巡り、彼女に会うことにした。ようやく見つけた国道沿いのセブンでおにぎり1個を調達、身体の心配をする妻に電話を入れた。妻はいつも心配していろいろ持たせる。保冷剤入りのバッグにリンゴとキュウリ、ジュース、甘いお菓子まで入っていた。他に温かいポットだ。

 そのポイントでマダラナニワトンボを初見したのが9/3、その後数日おきに会いに行っている。先日も相変わらず数は少ないが、ペアで産卵する姿を見ることができ、少し胸をなで下ろした。きょうも、数匹が暖かい陽を浴びて枝や水草の茎の先端に止まっていた。
 マダラナニワトンボは比較的近づかせてくれる。飽きずに何枚も写真を撮るが、どれもピントが甘い。大体は200~300mmの望遠だが手ぶれだろう。三脚を使ったことはない。
 
 家に戻ったのが3時半、疲れたが、ずいぶん丈夫になったものだ。


 ナニワマダラトンボ 2009.9.15


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