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エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ジャコウアゲハへの思い

2019-07-25 | 日々の生活

 

小さい時からジャコウアゲハは魅力的なチョウだった。

きれいなオレンジの卵、黒い裏側に並ぶ後翅の紅色、何となく怪しい、魅力的な姿だった。

怪しいとは、いろいろな表現を見聞きしてきたが、ウマノスズクサには毒性(アリストロキア酸)があり、

その葉を食べるジャコウアゲハも体内に毒が蓄積し、捕食者は中毒をおこすと言う。


昨日、曇り空に小さな黒いチョウが舞っていた。

近づくと、ウマノスズクサのツルの先端に、小さめの真っ黒いジャコウアゲハが止まっていた。

かつては毎年この庭で巣立っていたが、しばらくぶりの懐かしい友だった。

表は黒く雄。ジャコウアゲハは、思いのほか俊敏にその場を離れて行ってしまった。

しばらくすると舞い戻り、同じツルに止まった。

カメラを手に近づくと、今度は空高く舞って行ってしまった。

また来いよと見送ったが、しばらくしてその場に戻ると、彼はまた、また、同じ空間に戻っていた。

待てよ、彼はもしかして、ここで生まれたのでは。そして故郷を懐かしむように離れがたかったのではないだろうか。

不思議なひとときだった。

  

我が家ではあちこちにウマノスズクサガ増えているが、ウマノスズクサ自体が絶滅危惧種とのこと。ジャコウの減る理由だろう。

この夏は、是非、庭に産卵に訪れて欲しいと願っている。

 

オオシオカラトンボがアジサイの花に止まった。彼女もこの空間が好きなようだ。

毎年訪れる彼女らが愛おしくてならない。