今日から2学期、孫たちは元気に登校していった。
長かった夏休み、よく遊び、いろいろな体験ができ、二人ともとても成長したと思う。
季節は秋となっても、毎日厳しい暑さが続いている。しばらく自重していたが、久しぶりに、虫たちに会いに行った。
強い日差しの中、いつも同じ自然観察の繰り返しだったが、こころ落ち着くひとときだった。
暑い中にも、里山には秋の風情が漂っていた。その一端を撮りながら歩いた。
畑には蕎麦の花が満開、ススキの穂も出始めた。キンミズヒキやツりフネソウ、ハギがひときわ鮮やかに咲いていた。
ススキの葯
キンミズヒキ
ツリフネソウ
いつもジャコウアゲハを撮っている山際の畑には、ケイトウが真っ赤に燃えていた。
暑いのだろう、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、コジャノメ、べニシジミなどチョウたちも柿の林の木陰に避難しているようだった。
どうしたのだろうか、ヤマキマダラヒカゲ(*)の翅が変に破損していた。
(*)「小学校のころかってもらった図鑑にはキマダラヒカゲはヤマ、サトの区別はなかった。
何時から別種と認定されたのだろうか。確かに、斑紋や習性も少し違うようだ。
サトには日本固有種とあった。
手元にある検索図鑑では、裏面の基部の3つの丸い紋の位置が外側にずれているのがる→ヤマとある。
写真はヤマと思われる。」
ジャコウアゲハ 夏型♂
ジャノメチョウ♀
ヒカゲチョウ
ヤマキマダラセセリ
ケイトウの真っ赤なトサカにはキタテハ(まだ夏型)やイチモンジセセリが蜜を吸いに来ていた。
ジャコウアゲハは例年より少なかった。ちょうどモンシロチョウのペアが目の前に止まっていた。
キタテハ夏型
イチモンジセセリ
モンシロチョウ
道に飛び出す赤トンボは、マユタテアカネかマイコアカネだった。
マユタテアカネ
マイコアカネ
次のトンボのポイントでは、期待して行ったが、あの麗しのアマゴイルリトンボの姿はすでになかった。
こんな誰も知らない空間に、ひっそりと息づく貴重なトンボが愛おしく思われた。また、来年ぜひ会いたいと思っている。
アマゴイルリトンボ 連結 2010.7.19
トンボ池のポイントではしばらくぶりにオオルリボシヤンマに会い、チョウトンボやギンヤンマも見かけたが、いずれもこの時期少なかった。
キイトトンボ、クロイトトンボ、産卵するオオイトトンボなどもわずかだった。
キイトトンボ♀
産卵するオオイトトンボ
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なお、10日前に初めて撮影したトンボは、ネットの「日本自然科学写真協会」の画像掲示板で訊ねた結果、エゾトンボであることが判明した。
エゾトンボ 2010.8.15
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アブラムシ類に汚れたクマザサの付近には相変わらずゴイシシジミが舞っていたが、
この前までたくさん見られたセグロベニトゲアシガは全く見られなかった。
それぞれに、一瞬間に生を受け一生を終えていく。
人間も含めて、生き物の常である。
来年もそれぞれの種のいのちのバトンタッチが永遠に続いてほしいと願わざるを得ない。
●「ケイトウ」にちてネットの記述に興味を持った。
いつか、ノアザミの奇形花を観察したことがあった。
『植物の茎の先端には成長点があり、ここで細胞分裂を行って上方に成長する。この成長点が帯状になり、「成長線」になると茎の先端は幅が広くなる。ケイトウの場合は、花序を作る成長点が帯化し、本来は円錐状の花序になるべきところが帯状の花序になってしまっているわけである。ケイトウの花を詳細に見ると、成長点の分裂細胞が1つであったものが2つになり、さらに4→8→16と二次関数的に増加した結果、花序の頂端は収まりきれなくなって複雑なフリルになっている。
このような成長点が成長線になる現象を「帯化」あるいは経化、石化といい、時折様々な植物で観察することができる。』
ノアザミの花の奇形
(参考)拙ブログ「草原でアザミの歌を口ずさむ」2006-06-30