エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

詩人・坂村真民を知る

2007-05-11 | 文芸
 入院中のベットでNHK教育TV【こころの時代アーカイブ】
  『「念ずれば花ひらく」-詩人・坂村真民の世界-』を見た。
 (5/6(日) 14:00~15:00 ・1988年【こころの時代~宗教・人生】の再放送)

 氏がもの静かに語る胸を打つ言葉や、間に流れる、輝く、こころに響く詩の数々に、人生を思わざるを得なかった。
思い巡らしたこころをノートにメモしながら視聴し、これまで氏を良く知らなかったことを後悔した。
これからしばらく、氏の残した詩をじっくり読んで、もう一度 生き方を考えようと思っている。

  --- 以下は、視聴ノートのメモをもとに ---

○ 氏の信仰と実践を支えたのは一遍上人だ。
 一すじに生きる人の尊さ、一すじにに歩みたる人の尊さを知った。一遍上人に惹かれ、詩集によって念仏のこころをひろめようとした。
○ 坂村真民さんは2006.12.17 に老衰のため97歳で逝去された。
○ 再放送を見て、自己に厳しく他人に温かい仏教詩人・坂村真民を学びたいと思っている。夜中に原稿を書き、朝は3時過ぎに外出、重信川の川原で朝日に向かって祈る姿に 厳しい信仰心を感じた
○ 坂村氏の信仰は「疑うな」である。
「疑えば花開かず、信心清浄なれば、仏を見たてまつる」という言葉に出会った。
「八字十音の願い」である「念ずれば花開く」・・・建てられた、「念ずれば花開く」  の石碑は全国各地に百基を越える。
    ”念ずれば花ひらく
     八字十音の誓願を
     タンポポの種のごとく
     流布さぜんがために
     日夜心身を砕くぺし
     そのほかに
     求むぺからず
     望むべからず ”
・「悉皆有仏性」で、あらゆるもの、宇宙に優しい眼差しを向けていた。
  わが生は 一輪の花のごとく 一心であれ
わが死は 一輪の花のごとく 一切であれ
・自然と人間 一輪の花の中に宇宙がある  
・「みめいこんとん」 励ましてくれる力持ちたい
・男は何に命をかけるか 自分にできること 後からのために
・「二度とない人生だから」
    ”二度とない人生だから
     一輪の花にも
     無限の愛を
     そそいでゆこう
     一羽の鳥の声にも
     無心の耳を
     かたむけてゆこう
  
     二度とない人生だから
     一匹のこおろぎでも
     ふみころさぬように
     こころしてゆこう
     どんなにか喜ぶだろう

     二度とない人生だから
     ・・・・・・・・
     ・・・・・・・・

     二度とない人生だから
     戦争のない世の
     実現に努力し
     そういう詩を
     一篇でも多く
     作ってゆこう
     私が死んだら
     あとをついでくれる
     若い人たちのために
     この大願を
     書きつづけてゆこう
  
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念ずれば花ひらく          I

   苦しいとき
   母がいつも口にしていた
   このことばを
   わたしもいつのころからか
   となえるようになった
   そうしてそのたび
   わたしの花がふしぎと
   ひとつひとつ
   ひらいていった

みめいこんとん

   わたしがいちにちのうちで
   いちばんすきなのは
   みめいこんとんの
   ひとときである
   わたしはそのこんとんのなかに
   みをなげこみ
   てんちとひとつになって
   あくまのこえをきき
   かみのこえをきき
   あしゅらのこえをきき
   しょぶつしょぼさつのこえをきき
   じっとすわっている
   てんがさけび
   ちがうなるのも
   このときである
   めいかいとゆうかいとの
   くべつもなく
   おとことおんなとの
   ちがいもなく
   にんげんとどうぶつとの
   さべつもない
   すべてはこんとんのなかに
   とけあい
   かなしみもなく
   くるしみもなく
   いのちにみち
   いのちにあふれている
   いちにちのうちで
   いちばんいきがいをかんずるのは
   このみめいこんとんの
   ひとときである