中華民国(=臺灣)の蔡英文総統が、花蓮大地震の救援を申し入れた中国政府に対して「拒否」を表明した。日本からの救援隊はすでに花蓮に入っていて、台湾総統府報道官は「日本には高度の機材がある」として、中国を含めてほかの国の応援は受け入れない意向を表明という。
蔡英文総統は、これまでの体験から、中共(=中国共産党)による”支援”には必ずウラがあることを熟知している。こんなとき決まって「隣国とは仲良くするべき」「よく話し合うべき」と言い出す日本の政治家とは全く異なる。
さきほど、蔡英文総統は、自らのツイッターに安倍首相から寄せられた「台湾加油(がんばれ!)」の書をUPするとともに、次のようにツイートした。
「安倍首相からのお見舞いは、まさかの時の友は真の友、まさにその通りです。このような困難な時の人道救助は正に台日双方の友情と価値観を体現するものだと思います。本日、日本から7名の専門家が人命探査装置を持って訪台して頂きました。これにより、更に多くの被災者の救出に繋がることを望みます。」
こんなときに感じる、日本と台湾の絆。日台関係を熟知する安倍首相ならではだ。
台湾地震、中国の支援断る 日本は受け入れ「機材高度」
台湾東部の花蓮県などを襲った地震では、中国からの旅行者が巻き込まれ、3人が犠牲となり、5人の安否確認ができていない。
中国側の関心も高く、救援活動の支援を申し出たが、台湾の総統府報道官は8日、「人員や物資は足りている」と必要ないという立場を表明。一方で日本政府が派遣した専門家チームは受け入れており、中国メディアは批判的な論調で報じている。
地震で傾いたビル「雲門翠堤」の低層階には旅館があり、地震で押しつぶされた。閉じ込められたとみられる中国からの旅行者5人と香港系カナダ人2人の捜索が続いている。中国ではネット上で義援金を集める動きがあり、台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の張志軍主任は救援隊を派遣したい考えを示していた。
一方、台湾の総統府報道官は「日本には高度の機材がある」として、中国を含めてほかの国の応援は受け入れない意向を表明。これに対し、中国メディアは「政治的な判断だ」(環球網)と批判的な記事を配信している。
日本が派遣した警察・消防などの専門家7人は8日に現地入りし、生命反応などを探知する機器などを台湾側に貸し出し、捜索を支援している。首相官邸のフェイスブックは8日、「台湾加油(頑張れ)」と記された安倍晋三首相の色紙の写真を掲載した。台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統のツイッターには日本語で、「安倍首相からのお見舞いは、まさかの時の友は真の友、まさにその通りです」とのお礼のメッセージが掲載された。(花蓮=西本秀、平賀拓哉)