4年前、NHKは「シリーズJAPANデビュー」という特集番組を大々的に宣伝し、その第一回に「アジアの”一等国”」を放送した。
「台湾総督府が遺した20万件以上の公文書を読み解いた」と喧伝した番組だったので、どんなに優れた内容になるのかと期待したが、見た途端に裏切られた思いがした。それはひと言で言えば、自国の歴史を貶める自虐史観と中国共産党政権に対する媚びで充ち満ちた番組だった。
今回、東京高裁は、台湾の原住民であるパイワン族がロンドン博で「人間動物園」として「展示」されたという部分について、名誉毀損を認めた。この番組自体が「おどろおどろしい」がしかし「中味はウソばかり」だったのだが、法的にはその中の極端な部分を指摘して、違法性を認めたということになるだろう。裁判所という立場からは、まあ妥当な結論だったと思われる、何よりもまず、傲岸不遜の媚中NHKにこの判決が一撃を与えたことで、少しはNHKの自浄作用が進むのではないかと期待される。
パイワン族について、私はある個人的経験がある。4年前、台湾で華語(いわゆる北京語)のレッスンを受けたとき、その先生が蒋さんというパイワン族の青年だった。彼の話は、驚くべき内容だった。
「私は外省人と日本人を比べれば、日本人の方がずっと好き」
「私の祖母は夏子(なつこ)という名前で、私によく”雨雨降れ降れ、母さんが…”と日本語で童謡を歌ってくれた」
「祖父は日本軍の銃をベッドの下に入れていて、よく手入れをしていた」
「アジアの”一等国”」は、人権、平和、共生などという現在の視点・価値観で過去の歴史を断罪するという決定的な過ちを犯した。この番組のディレクター・濱崎憲一は、番組に出演した日本語世代の台湾人医師・柯徳三氏から「中共からカネをもらったんだろう」と詰問されたが、しどろもどろの対応で逃げまくるだけだったという。「歴史を読み解く」と大見得を切ったからには、NHKは番組の正当性を堂々と主張するのかと思ったが、その後この「シリーズJAPANデビュー」は竜頭蛇尾、羊頭狗肉の形で消滅してしまった。この番組を見て「今後絶対、NHKに受信料を払わない」と決めた人も多かったのではないか。それほど、酷い番組だったので、NHKが法的な責任を問われたという朗報に胸の支えが取れた人も多かったのではないか。
「差別的言葉で名誉毀損」NHKに賠償命じる 台湾先住民族ら逆転勝訴
2013.11.28 23:05 [産経]
日本の台湾統治を扱ったNHKの番組内容で名誉を傷つけられたとして、出演した台湾先住民族のパイワン族や視聴者ら計42人がNHKに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は28日、「人間動物園」という言葉が台湾先住民族の女性に対する差別的表現で、名誉を傷つけたと認定、100万円の支払いを命じた。1審東京地裁判決は原告側の全面敗訴だった。
1審で原告側は計約1億1000万円を請求していたが、原告数の減少に伴い2審では計710万円の支払いを求めていた。
判決などによると、平成21年4月5日に、NHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー」の第1回「アジアの“一等国”」で放送。1910年にロンドンで開催され、パイワン族の生活状況を紹介した日英博覧会の写真に「人間動物園」とテロップを表示し、「イギリスやフランスは植民地の人々を盛んに見せ物にし、日本はそれをまねた」と紹介した。
賠償を認められたパイワン族の高許月妹(こうきょ・げつまい)さん(83)の父はこの博覧会に参加。高許さんはNHKのインタビューに応じた。
1審は「人間動物園」の表現について、「過去の歴史的事実として紹介したにすぎず、番組が原告の父親を動物扱いしているものではない」と認定。しかし、2審で須藤典明裁判長は「深刻な人種差別的意味合いを持つ言葉で、パイワン族が野蛮で劣った人間で動物園の動物と同じように展示されたと放送した」とし、1審の判断を覆した。
NHK番組に差別的表現 名誉毀損で賠償命令 東京高裁
2013年11月28日21時21分 【朝日】
【小松隆次郎】日本の台湾統治を検証したNHKの番組が偏向した内容だったなどとして、日本の視聴者ら計42人がNHKに710万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。須藤典明裁判長は、番組で使われた「人間動物園」という言葉が、台湾の先住民の子孫の名誉を毀損(きそん)したとして、原告の台湾人女性1人に100万円を支払うようNHKに命じた。
番組内容の偏向については「報道に問題がないわけではないが、批判的な報道も、憲法が保障する表現の自由や報道の自由に照らして十分尊重されるべきだ」として、一審に続き他の原告の請求を退けた。昨年12月の一審・東京地裁判決は全請求を棄却していた。
この番組は、2009年4月放送のNHKスペシャル「アジアの“一等国”」。判決によると、番組は台湾統治を検証するなかで、1910年に台湾の先住民パイワン族の男女がロンドンの博覧会に連れていかれ、「人間動物園」に展示された、などと報じた。
「台湾総督府が遺した20万件以上の公文書を読み解いた」と喧伝した番組だったので、どんなに優れた内容になるのかと期待したが、見た途端に裏切られた思いがした。それはひと言で言えば、自国の歴史を貶める自虐史観と中国共産党政権に対する媚びで充ち満ちた番組だった。
今回、東京高裁は、台湾の原住民であるパイワン族がロンドン博で「人間動物園」として「展示」されたという部分について、名誉毀損を認めた。この番組自体が「おどろおどろしい」がしかし「中味はウソばかり」だったのだが、法的にはその中の極端な部分を指摘して、違法性を認めたということになるだろう。裁判所という立場からは、まあ妥当な結論だったと思われる、何よりもまず、傲岸不遜の媚中NHKにこの判決が一撃を与えたことで、少しはNHKの自浄作用が進むのではないかと期待される。
パイワン族について、私はある個人的経験がある。4年前、台湾で華語(いわゆる北京語)のレッスンを受けたとき、その先生が蒋さんというパイワン族の青年だった。彼の話は、驚くべき内容だった。
「私は外省人と日本人を比べれば、日本人の方がずっと好き」
「私の祖母は夏子(なつこ)という名前で、私によく”雨雨降れ降れ、母さんが…”と日本語で童謡を歌ってくれた」
「祖父は日本軍の銃をベッドの下に入れていて、よく手入れをしていた」
「アジアの”一等国”」は、人権、平和、共生などという現在の視点・価値観で過去の歴史を断罪するという決定的な過ちを犯した。この番組のディレクター・濱崎憲一は、番組に出演した日本語世代の台湾人医師・柯徳三氏から「中共からカネをもらったんだろう」と詰問されたが、しどろもどろの対応で逃げまくるだけだったという。「歴史を読み解く」と大見得を切ったからには、NHKは番組の正当性を堂々と主張するのかと思ったが、その後この「シリーズJAPANデビュー」は竜頭蛇尾、羊頭狗肉の形で消滅してしまった。この番組を見て「今後絶対、NHKに受信料を払わない」と決めた人も多かったのではないか。それほど、酷い番組だったので、NHKが法的な責任を問われたという朗報に胸の支えが取れた人も多かったのではないか。
「差別的言葉で名誉毀損」NHKに賠償命じる 台湾先住民族ら逆転勝訴
2013.11.28 23:05 [産経]
日本の台湾統治を扱ったNHKの番組内容で名誉を傷つけられたとして、出演した台湾先住民族のパイワン族や視聴者ら計42人がNHKに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は28日、「人間動物園」という言葉が台湾先住民族の女性に対する差別的表現で、名誉を傷つけたと認定、100万円の支払いを命じた。1審東京地裁判決は原告側の全面敗訴だった。
1審で原告側は計約1億1000万円を請求していたが、原告数の減少に伴い2審では計710万円の支払いを求めていた。
判決などによると、平成21年4月5日に、NHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー」の第1回「アジアの“一等国”」で放送。1910年にロンドンで開催され、パイワン族の生活状況を紹介した日英博覧会の写真に「人間動物園」とテロップを表示し、「イギリスやフランスは植民地の人々を盛んに見せ物にし、日本はそれをまねた」と紹介した。
賠償を認められたパイワン族の高許月妹(こうきょ・げつまい)さん(83)の父はこの博覧会に参加。高許さんはNHKのインタビューに応じた。
1審は「人間動物園」の表現について、「過去の歴史的事実として紹介したにすぎず、番組が原告の父親を動物扱いしているものではない」と認定。しかし、2審で須藤典明裁判長は「深刻な人種差別的意味合いを持つ言葉で、パイワン族が野蛮で劣った人間で動物園の動物と同じように展示されたと放送した」とし、1審の判断を覆した。
NHK番組に差別的表現 名誉毀損で賠償命令 東京高裁
2013年11月28日21時21分 【朝日】
【小松隆次郎】日本の台湾統治を検証したNHKの番組が偏向した内容だったなどとして、日本の視聴者ら計42人がNHKに710万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。須藤典明裁判長は、番組で使われた「人間動物園」という言葉が、台湾の先住民の子孫の名誉を毀損(きそん)したとして、原告の台湾人女性1人に100万円を支払うようNHKに命じた。
番組内容の偏向については「報道に問題がないわけではないが、批判的な報道も、憲法が保障する表現の自由や報道の自由に照らして十分尊重されるべきだ」として、一審に続き他の原告の請求を退けた。昨年12月の一審・東京地裁判決は全請求を棄却していた。
この番組は、2009年4月放送のNHKスペシャル「アジアの“一等国”」。判決によると、番組は台湾統治を検証するなかで、1910年に台湾の先住民パイワン族の男女がロンドンの博覧会に連れていかれ、「人間動物園」に展示された、などと報じた。