澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

入管法改正案成立・国籍欄が「台湾」へ

2009年07月09日 07時38分03秒 | 社会

在留外国人登録が「外国人登録証」から「在留カード」に変更されるに当たって、これまで「中国」と標記されていた国籍が、「在留カード」では「台湾」と標記されることになるそうだ。

この話も実はややっこしい…。
1972年、日中国交回復が実現するまでは、国際法上「ひとつの中国」を代表するのは「中華民国」だった。その中華民国政府は、1949年以降「やむを得ず」「便宜的」に台湾島に本拠地を置いていた。その頃、中華民国を「台湾」と呼ぶのは、大陸を支配する「中華人民共和国」を支持する左翼、進歩派の連中だった。

ところが、今や台湾人の多くが大陸の中国人と同一視されることを好まず、自らを台湾人だと自認している。これは、李登輝氏が登場して以来、台湾および台湾人のアイデンティティを認識するようになったためだ。また、大陸の中国人には犯罪者が多く、ごく普通のマナーさえ知らない粗野な彼らと一緒にされたくはないという感情も強いのだろう。

新彊ウイグル暴動をみるにつけ、これはかつての「二二八事件」もこのようだったのではないかと思われる。蕭錦文氏(映画「台湾人生」の出演者)は、二二八事件を引き起こした最大の理由は、当時の台湾人と大陸から逃亡してきた中国人との文化水準の差だったと語っている。
今回のウイグル暴動は、大陸に併呑されたあとの台湾の新たな悲劇を連想させるに充分だ。

とりあえず、「在留カード」に「台湾」と標記されることになったのは、一歩前進という感じだ。

 

【正名】入管法改正案成立・国籍欄が台湾へ
                    
1.入管法改正案成立、在留カード国籍欄が台湾に正名化

2009年7月8日午前、入国管理法改正が参議院本会議で可決成立した。
 この改正で、在留外国人の登録が法務省に一元化され、従来の外国人登録証にかわり在留カードが導入される。
 在留カードにおいては、日本政府の方針が変わらない限り、台湾人の国籍欄が台湾に正名化される見通しである。
 これにより、従来の外国人登録証において台湾人が国籍を中国と表記され、外国人犯罪の筆頭をしめる中国人と同一され、謂われのない屈辱と生活面の不利益を受けていた問題が解決されることとなった。

 同法案は2009年3月6日に衆議院議案受理、2009年4月23日衆議院法務委員会に付託、与野党の修正協議を経て2009年6月19日に衆議院を通過した。同法案は、同日に参議院に送られ、6月24日に参議院法務委員会に付託され数回の審議を経て7月7日参議院法務委員を通過、7月8日午前に参議院本会議にて賛成207票反対14票をもって可決され成立した。

 同法案の施行は3年以内とされている。
                            
(「台湾の声」より転載)