VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信49

2021-11-30 19:29:05 | 永遠の桃花

少しづつ 白浅が良くなってきていると

四哥たちが思うようになって 監視するような態度は

無くなっていった。

 

九重天で新しい太子を立てたという話しは

聞こえて来なかったが、素錦は永遠に仙籍をはく奪され、

輪廻の輪に入れられて、百世の劫を受ける罰を課せられた

と聞いた。東皇鐘を見張り 異常があったら知らせる

というのが任務だったにもかかわらず、その任務を

全うしなかったが為に 夜華が死んでしまった遠因を

作ったというのがその理由だった。

天君は 孫を失った心痛が激しく、その怒りも

凄まじかった。

 

白浅は それを聞いて いささか罰の度が過ぎているか

と思ったが、ただの情報として聞くだけにした。

 

立場を変えて 生活するこの道を、白浅は楽しく生きた。

その人生の中で夜華は生きていると信じていた。

 

四哥は 頻繁に白浅を人間界に連れ出し、

行く先々で説教くさい事を言うので 白浅は

そのうちに 一人で人間界へ行くようになった。

・・・・

説教その一・・山に登って

「この 大きくそびえ立つ山を見てごらん。山頂にたって

見ると、世間のすべての事が些細なことに感じられ、

気持ちが 急にスッキリしておおらかにならないか?

情愛に落ち込んでいる事が 空に浮かぶ雲のよう、

腕を一振りさえすれば散ってしまう存在に

感じられないか?」

 

説教その二・・滝を見て

「見てごらん、この滝の壮大な事。昼夜を問わず

急転直下、一気に川に流れこむ。一切振り向く事はない

 この滝を見ていると 人生も また同じで

決して振り向く事ができない。前を向いていかないと

いけないのだ、と 思わないか?」

 

説教その三・・町の市場へ行くと

「蟻のような人間のことを見てごらん。たかが数十年の

人生にもかかわらず司命(星君)によって 様々な

運命に囚われなければならない。多くの農民は貧しく

一生を終えるし、勉学に励んだ者は抱負を実現できず、

奥で大事に育てあげられた多くの女性は、

どうしようもない夫に嫁がされる。

それでもなお、彼らは嬉々として生きている。

これらの人間の姿を見ていると、彼らと比べて

自分のほうが 遥かによい境遇なのだと思わないか?」

 

・・・自分にも思い当たる節が・・・( ;∀;)

ただ 寄り添うだけでいいのかもしれないし

ひたすら見守るだけでいいのかもしれないし・・( *´艸`)

 


自分の役割のようなもの

2021-11-29 10:06:52 | とんでも話?

今 結構はまって

「神様が見える子供たち」をYouTubeで見ています。

私は 霊感アンテナが結構発達している為に 

人が出す念には とても敏感です。

この動画から出てくるエネルギーが 私のアンテナに

かなり引っかかっているようで、心に願いが生まれました。

 

自分は お寺や神社へ行くのは好きではありません。

どうしてそうなのかわからなかったけど この動画で

解りました。

一回、子供たちが行った神社で 見えた神様を絵に

描いていたら 宇宙人の長男君が 違うものを描き

それを トキちゃんが あっこれは悪い霊だ と

言いました。そして 長男君に一生懸命お祓いを

したのです・・・私はえぇ~~~!と思いました。

神社には 時として悪いものもいる・・・やっぱりね

と。

昔 鎌倉を友達と歩きまわって えらい目にあった。

三浦一族が滅亡した場所だの 

森良親王が入れられていた土牢の前だのに行ってしまった。

おかげで ものすごい頭痛と吐き気に襲われ、

ぐったりしてしまいました。

京都でも 無縁墓のある念仏寺や二条城が私には

無理でした。特に 神社よりお寺が苦手 辻にある

お地蔵さんは子供の私には恐怖以外の何物でもなかったし。

 

仏像も古いのはダメでした。

エネルギーが枯れてきた人は私のそばに来たがる傾向が

あるように思いました。

会うと ものすごく疲れました。

しかし、逆に、もしかしたら もっと自分に精神力が

あったら 神様のお手伝いとして 疲れた人の助けに

なるかもしれない・・・

そう思って 今は それを私の願いとする事にしました。

自分は今満たされて 何も個人的願いなどは無いのだから

私のように神社へ行けない人のお助けができるなら

その力を神様 分けて下さい、とお願いしました。

疲れないで 枯れた人のエネルギーチャージが

できるように・・・と

自分を信ずればそうなるのが これからの

風の時代です。

量子論とも符合します。

それが 私にとって気持ちの良い生き方だと

感じます。ご縁のある方々に 心地よいエネルギーを

補給できたら 生きてきたかいがあるというもの。

そう考えたら、自分の人生がひとつ楽しくなりました。


永遠の桃花通信48

2021-11-29 07:42:30 | 永遠の桃花

「姑姑、貴女には息子がいる事を覚えていますか?

小殿下を青丘に迎え入れますか?」

 

迷谷が言う。 しかし 自分の世話もまともにできない

白浅には 天上にいるほうが 世話をしてもらえるだろう

とそれを否定した。

 

夜華の血に染まった衣服だけが残された唯一の形見。

折顔にもらった桃の木を狐狸洞の入り口に植えて、

その木が花を咲かせた頃に 白浅は 夜華の衣服を

棺に納めて 桃の木の根元に植え、衣冠塚とした。

 

その元で 白浅は半月ほど ぼんやりと座り続けた。

混沌とする頭で 見えるのは 夜華の幻影・・・

玄色の長衣をまとい ふんわりと下した髪の毛の先を

リボンで縛ったいつもの姿。

白浅の膝によりかかって本を読んでいたり

白浅の前で絵を描いていたり・・・二人でなにげなく

過ごしていたころの日常だった・・・

雨の日には 白浅を腕に抱いて 雨から白浅を守ってくれる

事もあった。白浅は思い出の中で自分の心を守っていた。

 

その姿を 折顔、四哥、迷谷、卒方の四人は心配して

見ていた。

折顔は そんな白浅を無理やり連れだして

目を交換したが それさえも魂が抜けたようで白浅には

心ここにあらずな様子・・・四哥はその様子に

ついに堪忍袋の緒が切れ 白浅をつまむと狐狸洞の中の

水鏡に白浅を連れて行った。

「自分がどんな姿になているのか見てごらんなさい!

夜華が死んだから 貴女ももう生きていけないのか!」

 

そうよ・・もう 生きていけない・・・でも 

私が消えてしまったら、夜華の思い出も消えてしまう、

・・自分が消える事は夜華を忘れてしまって もう

なにもかもが無になってしまうかもしれない まだ幻影でも

会える今の方がいい・・・

幻影でも 白浅にいつも微笑みかけている夜華に

会える方が。

 

水鏡の中の女神仙は 顔面蒼白で 憔悴し

目に巻いた厚い包帯には

枯れた葉っぱが何枚かついていた。

「目を覚ましなさい。貴女も十分年を取っているのだから

 生死の別れなど とっくに悟っているじゃないの!」

四哥の言う事は頭ではわかる でもどうしていいのか

今の白浅にはわからない・・・

素素の記憶が戻った時には 夜華のひどい仕打ちしか

思い出せず 自分がどんなに辛い思いをしたかしか

考えられなかったのに

今思い出せるのは 貴女一人しか愛した事が無い 

と言った夜華の深い心。その心から発した行動だった

と理解した時 夜華のすべてが解ったように思う。

離鏡のことを 貴方は手に入らないものを求め続け

それが手に入ったら大事にはしないとののしったが

自分も同じではないか・・・

 

・・・白浅の夜華に対する心の瘤が溶け どうしようも

なく夜華を愛する心を止める事ができないのに

その夜華は もういない 

疲れ果て 眠るしかないと思った白浅に

優しい計らいが訪れる・・・

 

白浅は 夢で夜華といつも一緒に過ごすようになった。

 

例えば・・・

 

彼は机に寄っかかり 書類を読んでいた。

しばらくして書類をすべて脇にどかし 

眉をひそめて 一口お茶を飲んだ。

コップを下して顔をあげた時には 明るい笑顔で

言う「浅浅 こっちへ(ごう来)昨日はまた

どんな小説を読んだのか 話してみてよ」

 

幻影は 話す事がなかったが、夢の中の夜華は

二人で過ごした時のまま、話し 一緒に 囲碁をし

散歩する・・・

 

白浅は 夢の中で満ち足りていた。眠ることを優先し

自分は夢の中で本当の自分を生き、目が覚めた時を

夢と思えばよいと考えるようになった。

そうして 衣冠塚は夜華の死を現実のように感じさせる

ものとして それを見る事が恐怖になった。

狐狸洞の入り口を別にもう一つ作り 衣冠塚を見る事の

ないようにした。

 

・・・・

私は 大切な人を亡くした友人を何人か知っています。

一番目は高校時代 付き合っていた彼が突然亡くなった

友人。私らは 彼女が自殺でもしたらどうしようと

本当に心配でただ見守っていました。それしかできません

でした。彼女はその時 私たちとは少し距離を置いていた。

きっと 傷をいやすには 少しそっとしておいて欲しいの

でしょう。社会に出てから 異動で部署に来た人の顔を

見た時 その人が たくさん泣いたという情報が私の

頭の中に閃いた。私はよくこういう事があります。

親しくなってから 彼女が自分の運転する車で

同乗していたお子さんを亡くされていたと聞き

驚きました。毎晩 一升瓶を抱えて寝た・・・

酒なしではいられなかった・・・と・・・

それが 原因で離婚し、その土地を離れるために

異動してきたのでした。長年ののち

私は仕事を替わってから同じ事がもう一度あって、

同じような経験をする人がいる事に 本当に

驚きました。

最愛のご主人を亡くされた方もいます。

別れは 愛している心が深いほど 大きな傷を

おうのだ と 悲しく思ったものです・・・


永遠の桃花通信47

2021-11-28 11:55:23 | 永遠の桃花

狐狸洞に 夜華の両親がやってきました。

白浅は 立ち直れないほど打ちのめされたと思います。

 

『温和で従順な顔の彼の母親は 怒りに身を震わせていた。

びっしょり濡れたハンカチで目を押さえながら言う

「私は 今になってようやく貴女が

あの時の人間の素素だったと知りました。

私の息子は なんという悲運 前後して二回も貴女に身を

崩されるなんて・・ 貴女が素素の時でも心血を注いで

貴女に尽くし、太子の身分を捨てようとさえした・・・

貴女と昭仁公主(素錦)の応報について 天君は 貴女に

両目を返す事、出産した後には三か月

(三年間の間違いかな?)

雷に打たれる差配をしたのに 貴女は両眼を失っただけで

済んだ。私の息子は貴女の代わりに雷に打たれたのよ。

なのに 貴女は誅仙台から飛び降りた。私の夜華も

貴女を追いかけて 飛び降りてしまった。

貴女にとっては 上神に昇進するための劫でしかないのに

夜華は・・息子は・・・彼は 貴女に会った時から

一時も 幸せじゃなかったわ!

彼は 貴女の為に こんなに多くの事をしたのに

貴女は・・彼の為に 何をした?

貴女は 何もしてないのに、当たり前のように彼を

自分のものにして!

彼が死んだ今でも 彼の遺体を自分のものにして

手放さないつもり?

貴女に聞きたい・・・貴女に 一言だけ聞きたい、

貴女に その権利はあって?」

 

私は喉に苦みが広がり、ふらつく足で二歩ほど後ずさった。

迷谷が私の身体を支える。

 

横で 夜華の父親は言った。「もうよい」 振り向き

私に言う「息子は鬼君ケイソウを倒し、元神をもって

東皇鐘が万物を焼き尽くすのを止めた。

天地万物の為の大儀だ。

天君は すでにその功を認めている。楽胥の言っている

ことは 婦人としての凡庸な見解でしかない。

上神におかれては どうかあまりお気になさらないで

頂きたい。

しかし、息子の遺体については いかなる見解をもって

しても、上神にはお返し頂くしかありません。

上神は 確かに息子とは婚約しているが、しかし

成婚には至っていない。

 息子の遺体を手元におくのは いかなる見解をもって

しても適当とは言えない。

息子は生前 天族の太子でした。

天上には 守らなければならない規則がある。

息子については 第三十六天の無妄海に葬られるべき

存在ですので、どうか 上神にはご理解頂きたい」

 

夜華が九重天に連れ戻されたその日は曇りで

少し風が吹いていた・・・

 

私は 彼の 眉、目、鼻に 全部口づけをし、

唇に移すその時・・・

心には・・・荒唐無稽だがかすかな願いが浮かんだ。

彼が目を覚まして  私の額に自分の額を押し当て

「貴女をからかっただけだよ」 と

私に告げて欲しい と願った。

しかし 結局それは 

私の妄想、愚かな執念でしかなかった。

 

夜華は 両親によって 氷の棺に安置され

私の目の前で青丘から運び出されて行った。

私に残されたのは 血に染まった彼の 

玄色の長衣一枚だけしかなかった。』

 

・・・夜華が命をかけたのは 二回だけではないです

が、母妃がそれを知らなくて良かったわ

と思いました。母が知ったら 一生 白浅を許せない

確執ができてしまいますよね。

でも 母は知らないんでしょうね。自分の息子に

自分の夫がどんな仕打ちをして育てていたのかを。

 

番外編その1ー1で 幼かった夜華が 誰も

彼の勉強を見張る人がいなかったその日

こっそり抜け出して 珍獣の世話係の童子と

珍獣をかまって遊んだ事がありました。

それも ほんの少しだけの事でした。

それを父君に見つかってしまい、連れ戻されたうえ、

棒でひどくたたかれて折檻されたのでした。

父は口癖のように 彼に言っていました・・・

「貴方は どうしてこれほど向上心がないのか!

貴方は 将来 天君を継ぐ者で 他の人とは違うのだ。

(そして、生誕のさいの五彩鳥の数の多さを

桑籍と比較して どうやってその鳥たちに報いるのか

と責める。単に 自分の弟より上を行って欲しいだけ

の 我欲に他ならなかったのだが。) 

 幼い夜華には その内容は理解できず、

ただ悲しかった・・・

 

またいわく・・・

彼のような年齢は 親の愛護を一身に受けるべき

年齢だった。彼の叔父たちはみな

親の愛護の元に育った。

彼の父君でさえ これほどのつらい仕打ちを

経験したことがなかった・・・とあります。

 

私は言いたい・・・両親に

貴方たちに そんな事を言う権利はあって???と

 


永遠の桃花通信46

2021-11-27 17:13:09 | 永遠の桃花

もう  本当に 作られたお話って分かっているのに

毎回泣ける・・・(´;ω;`)ウゥゥ

 

生まれたら死に、出会ったら別れる・・・それが

この世なんだけど・・・

解っているのと実際悟って精神を平静にできる事

一致しません・・・

 

夜華を抱いたまま 時が止まってしまった白浅。

分厚い仙障を張り巡らせ 誰がどのようにしても

穴ひとつあける事ができなかった。

 

折顔が駆けつけた時 すでに夜華は息絶えて

暫く経っていたが 白浅は血だらけで髪を振り乱し

夜華を抱いて東皇鐘の下に座り込んでいた。

東皇鐘は 七日間悲鳴を上げ続け、八荒の神仙が

若水の浜に集まっていた。天君は 夜華の遺体を

引き取る為に 十四人の仙伯を使わしたが、

七日七晩 仙伯たちが放った雷電でさえ

仙障に穴をあける事はできなかったのだった。

 

折顔の言う事には 白浅は一生夜華を抱いたまま

若水の浜に座り続けるだろうと思ったが 幸にして

東皇鐘の鐘の音が 遥か遠くまで響き、八日目にして

墨淵まで引き付けて来た。と

 

『彼が言った事を 私は全部覚えていなかった。

あの時の私は ただ、夜華が死んだ、私もまた死んだ

のだと思っていた。

本当を言うと、夜華を抱いたまま 若水の浜に

一生座り続けるのも悪くないと思った。

例え、 彼がもう目を開けることができなくとも、

再び口元をゆるめて 淡々とした笑みを浮かべる事が

できなくとも 私の耳元に近づき 私の名前を呼びかける

事ができなくとも・・・

少なくとも私は彼の顔を見る事ができ、彼が私のそばに

いる事を知っている。

 

折顔は 八日目にして 墨淵が駆けつけて来たと言った。

あの時私は東皇鐘の下に座って頭が真っ白になっていた。

ぼんやりする意識の中、前後の事もわからずにいたが、

目をあけた時 仙障の外に 眉をひそめて私を見つめている

墨淵の姿を おぼろに覚えている・・・

 

乾ききった私の心が 少し感覚を取り戻し、

自分の存在を認識した。 そして ようやく

夜華が元神を祀って魂が散ってしまった事、

夜華、彼が死んでいるという事に気づいた。

私は すぐ近くに墨淵がいるのを見て、墨淵なら

きっと夜華を助ける方法をしっていると考えた。

彼もまた 東皇鐘という劫を経て 最後には

ちゃんと戻って来たのだから・・・

 夜華さえ助ける事ができるのなら・・・

もう一度彼の口で 浅浅と私に呼びかける事が

できさえすれば、 たかが七万年、いや七十万年でも

待つ事ができる と 考えた。

 

私は仙障をはずし、夜華の身体を抱いたまま

墨淵の前に跪いて彼に助けを求めようとしたが、

しかし 立ち上がろうとしたときには身体に全く力が

入らなかった。

墨淵は速足で近づき、しばらく確認してから、

溜息をついて 重い口調で言った。

「木棺を用意して、夜華には安らかに

逝ってもらいましょう」

 

墨淵は崑崙虚に戻って行った。私は 夜華を

青丘に連れ帰り、仙伯たちもついてきた。

 

私は、夜華は私のもので他の誰にも渡す事は

できないと思っていた。

 

仙伯たちは 谷口で 半月ほども待ち続けていたが、

使命を果たせず 天君に報告するため 九重天上に

戻って行った。

 

翌日 夜華の両親が 青丘にお越しになった。』