VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信35

2021-11-12 21:22:41 | 永遠の桃花

墨淵が帰還して 16人の弟子たちが揃う。

原作では 令羽は亡くなっていなくて

ずっと 崑崙虚を守っていたという設定になっている。

ズーランも ただ 同期の入門という形で どちらかと

いうと 白浅は いつもズーランにやり込められている

感じだ。

 

崑崙虚での接客に忙しく やっと人間界へ

夜華に会いに行けたのは 10日以上経ってから。

兄に頼んで ようやく夜華のもとへ・・・

 

ある学塾で 人間、柳照歌として転生した夜華を見つけ、

白浅は たとえ夜華がどのような姿で転生しても

自分は 夜華を見つける事ができる と嬉しく思う。

 

塾での才気あふれる照歌の姿に夜華の姿が重なり

白浅は感動に震えた。

 

一方で、崑崙虚時代の自分は 出来が悪く、

秀才だった十六師兄ズーランを忌み嫌い、

十五師兄と運命共同体を組んで 一生 聡明な人と

仲良くしない と 天に誓いを立て、 

誓文に手形まで押して 

なつめの木の根元に埋めた事を思い出す。

 

しかし、今 目の前の聡明な夜華の姿を

好ましいと思う白浅だった。

 

塾が終わって 照歌が出て来た。照歌に向かって

学童たちが はやし立てる。

「米も高い、油も高い、柳家の子供は障害持ち。

前世の悪行の返しは今世に。天命輪廻は容赦ない。

読み書きに長ける神童でも、障害者に何が出来よう」

衝撃を受けて 照歌を見る。右腕が・・・無い。

天君のばか!自分の孫なのになんて無慈悲なの!

転生しても 腕のない身体を持つなんて・・・

 

白浅は胸が締め付けられるように痛んだ。

悪ガキたちの行動は 身に覚えのある者として

理解はできたが、あのような唄まで作って

はやし立てるような行為をするなどもってのほか。

向上心のない悪ガキめ!将来苦しい思いをしたときに

今の自分の姿を悔いるでしょう(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

(白浅 激おこ)

照歌が眠るころ ようやく姿を現した白浅。

照歌を起こして 貴方に一目ぼれした

青丘の仙人ですと言い、信じない照歌に

あの手この手を使って求愛する( *´艸`)

転生した夜華が 驚くほどに恥ずかしがり屋で

白浅は なぜか嬉しい。

かつて自分が見た劇の中での精霊のセリフを借りて

告白すると

茫然とした照歌は 顔を真っ赤にして

「だ、だけど 僕は まだ11歳になったばかり」

・・・転生した夜華は 普段の彼より面白かった。

柳家の子育てが 彼に良い影響を与えたのだろう。

白浅は少し安心したが 秀才はなかなか白浅の言葉を

信じてくれなかったので、天に誓ったり泣きまねしたり

様々な手法で ようやく信じさせる事ができた。

 

別れる際には 白浅が人間界に行った時夜華から

もらった数珠をお守り替わりに渡し、照歌からは

玉をもらった。白浅は さらに念を押す。

「決して他の女性を娶ってはいけない。時間ができたら

必ず貴方に会いに来る。貴方が大人になったら、

必ず私をお嫁にしてね」

照歌は 顔を赤くして 泰然とうなずき応じた。

 

・・・子供相手に・・・( ;∀;)

 

しかし、崑崙虚に帰ってから、時間をなかなかとれない。

九月二日の午前にようやく折顔の丹薬が出来上がり

洞に静養に入る墨淵に渡すことができた。

洞に入る時 墨淵は大変疲れた表情で、兄弟子たちとは

話さず、白浅には一言「夜華は 良くしてくれるのか?」

と言った。白浅が自分の正直な気持ちを答えると

墨淵はうなずき、洞に入って行った。

墨淵が静養に入ると 弟子たちも皆それぞれの居場所へ

帰っていき、白浅も山を下りると真っ先に 人間界へ

飛んで行った。照歌はすでに十八、九歳になる。

11歳だった夜華が 人間界で才気あふれる歳になって

どんな姿になっているだろうか。

白浅は 高鳴る心を抱え、柳家の前に立った。