VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信26

2021-11-02 18:19:21 | 永遠の桃花

白浅がぐっすりと眠って 目覚めると

すでに夜華はいなかった。

白浅は 少しがっかりする・・・

(でも なんでなのかわからないのが白浅)

 

初めて 墨淵の夢を見た。夢は 自分が 

遥光上神に拉致された時の事だった。

水牢から救われて 初めて墨淵が武神であることを

自分の中で認めた あの事件のこと・・・

夢では 遥光上神との決闘から 墨淵が帰ってこない。

兄弟子が もうすぐ帰ると言う言葉を

もうすぐ、もうすぐ と信じる自分の夢・・・

 

白浅は すぐに 炎華洞へ向かう

師父・・・七万年もの間 開けることのなかった目

 筋の通った鼻、きつく閉ざされた唇

自分は あまりにも若く、無知だっために、

この 俊美な顔を女っぽいと思ってしまった。

(中略)

七万年間 一度も彼の笑った顔を見る事もできず、

振り返ると 彼が崑崙虚の裏山 桃花林の中に立ち

 桃の花が 空を舞う情景が思い出されるだけ・・・

・・・白浅は墨淵の手をとって温め、

野の花を摘んできて 術で花瓶を出し、墨淵の横に

安置する。

もう少ししたら クチナシの季節だ、細い柳の枝に

クチナシの花を編み込んですだれを作って入口に掛ければ

墨淵も少しは気持ちよく眠る事ができるだろう。

跪いて礼をし、もう一度、丁寧に

炎華洞の隅から隅まで確認して急ぎ 山を下りた。

空には満月が顔を出し、山間の木々に影が映る・・・

 

山間の湖を思い出して、血で汚れた体は

拭き取ってもらったに違いないが 少し気持ち悪い

沐浴をしよう・・・と 湖に向かった。

・・・外套をぬいで 傷を仙障で覆いゆっくりと

水につかる。雪解けの水は冷たい。

胸あたりまで入ったところで 衣服が体に張り付くので

脱ごうか・・と考えていた時

いきなり「白浅!!」という怒鳴り声が・・・

驚きのあまり 身体の均衡を失って 

頭まで水に浸かるところだったが 夜華が仙障もかけずに

いきなり飛び込んで、抱き留められた。

きつく抱きしめられ、胸の傷に触って吐きそうになる。

ただ夜華の激しい胸の鼓動が伝わる。そうして

いきなり口を塞がれた・・・

 

白浅は 残りの衣服を脱がなくて良かった~~と考えてます

 

夜華の口づけは激しく、しかしその感覚が懐かしいような

白浅のどこか 潜在意識を刺激する。

意識の中で、優しく唇を噛み、夜華が言う

「浅浅 目を瞑って」・・・

 

その意識の衝撃にはっと我に返った白浅。

夜華を押しのける。

彼は深々と白浅の肩に顔を埋めてかすれた低い声で

「湖に 身を投げるつもりだと思った。」

 

白浅は あまりの飛躍した夜華の考えに可笑しくなって

「私は ただ沐浴をしていただけ」と答える。

夜華はさらに白浅を強く抱きしめ、ぴったりと首に

唇をつけ、重々しい声で ゆっくりと言った。

「もう二度と貴女に・・・」

 

白浅はこの雰囲気を気まずく思い、夜華の名を呼ぶも

答えない。

「貴方は書斎で書類を見ていたじゃないの。

どうしてこんな所まで?」

 

彼の息遣いは ようやく収まって、さらに暫くのち

「迷谷が ご飯を届けた時、貴女がいないのを見て

私に報告してきたので、適当に辺りを探してみた」

鬱々と言う。

白浅は夜華の背中を トントンと叩いて

「あぁ、確かに夕食の時刻ですね。それじゃ私たちも

戻りましょう」

夜華は答えず ゆるく白浅を抱いたまま

何を考えているのかもわからない

白浅は刺激してはいけないと考えて

されるがままにした。

 

・・・湖の中の 夜華のあのキスは 私を

少しぼんやりさせてしまった。身体の深く何処かで

突然何かが踊りだしたような気がした。

それは激しく踊るが、しかし姿も影もなく、

捕まえることもできず、ただ一瞬だけで過ぎ去って

それ以上深く考える事もなかった。

ただ 心の中で 深く溜息をひとつした・・・

 

夜華が 押して押して、白浅の潜在意識の掛け金を

揺さぶり、掛け金は外れました・・多分・・

でも それを絶対に認めない白浅の強情。

彼女は 本当に強情で頑固なのでした・・・

 

 

 

 


永遠の桃花通信25

2021-11-02 00:49:46 | 永遠の桃花

今までの経過で だいたいドラマ35話くらい。

 人間界から 青丘に帰った白浅を待っていたのは

墨淵と阿離が玄女に拉致されたという現実。

 

この辺はほぼドラマ通りで 迷谷が天上に 夜華を

訊ねたところは書かれてはいないので、

読者の想像する場所となっている。

 

白浅が 夜華に もう半刻早く来てくれれば 云々

というセリフもあって

白浅が 夜華に 自分が司音だとわかっても

かまわないという事がわかるのです。

 

夜華にとっては 驚愕の事実

またまた 「捨てられる」かもしれない不安が始まります。

自分の心血を7万年も与えて仙体を守ってきたことも

夜華の知るところとなります。

 

そして 目の前で 司音から捨てられてもなお

司音への思慕を募らせている離鏡の告白を聞きました。

それに対してきっぱりと切り捨てる白浅の姿を見るのです。

素素にきっぱりと捨てられた過去を持つ夜華だけに

これはかなり痛い

 

しかもしかも、目の前には 自分にそっくりな

伝説の墨淵がいる。

墨淵と白浅の絆の深さは 何万年に及ぶ・・・

自分との恋など ただの劫に過ぎない・・・

夜華の 深い苦悩が始まります・・・

 

そして 極めつけ、夜華が 狐狸洞を訪れて

白浅に 薬湯を持って行ったら

なんと 卒方鳥が 白浅に告白している!現場に

遭遇。

 

白浅の美しさでは 異性を引き付けると

わかってはいたが、まさか今現在 目前に

墨淵、離鏡、卒方鳥 と三拍子もそろうとは・・・

 

幸にして 墨淵は魂が離散している。

離鏡は 大振りに振られている。

卒方鳥は 目の前で丁寧に白浅がお断りした。

 

素素の時の、ハトを思い出したかもしれない夜華。

あのハトに危機感を覚えて苦肉の策を用い

傷だらけの人間を演出して、素素の関心を取り戻した。

白浅の関心をひかなくては・・・と頭で考えたと思います。

原作では 傷が深かったため

 白浅は 狐の姿に戻っています。

 

しかも 墨淵がきちんと安置されたかを気にして、

炎華洞へ 確認しに行きたい。

息も絶え絶えに夜華に言ってみた。

「あぁ、薬湯を持ってきてはいただけませんか?

突然眠くなってきたので 薬を飲んだら 

もう少し寝ようと思っているの。貴方も仕事が

忙しいのでしょう?」

薬湯を飲み終わった白浅に 夜華は言う。

「気づいているか?私に傍らにいて欲しくない時、

貴女はいつも眠りたいを理由にしている事を。

今 本当に眠りたいのではないでしょう」

 

白浅は 確かにそうだけど、今初めて言ったことなのに、

なぜ そんなことを夜華が言うのか・・・

またまた考え込んでしまうと・・・夜華は白浅を抱いて

言う・・・「浅浅」

「こんな風に 私に抱かれたままにさせておくのも、

青丘に来てから 私のためにお茶を用意したり

一緒に碁を打つのも すべては私たちに 婚約があるから

なのか?もし貴女の婚約者が別の者なら、貴女は・・・」

夜華は さらに強く白浅を抱きしめた。

溜息をひとつつき、それ以上は言わなかった。

 

白浅をが思ったこと・・・

(当たり前じゃないの。)( ゚Д゚)

白浅の中では 夜華は たとえ目の前で泰山が崩れても

決して瞬きひとつしない性格 の人。

なのに今日はどうしちゃったの?こんな弱い姿を見せて。

(素素の時は苦肉の策、肉体編。白浅には

苦肉の策、精神編)

・・・料理は貴女だけにしか作らない。

貴女にしたことは、婚約があるからではない。

青丘に来るのは 阿離のためではない・・切々と訴えるも、

話しが全然愛の方向に向かない白浅相手に

夜華は直球勝負に出ます。

「浅浅、愛している!」

白浅の反応・・・

・・・こっ これは!目を見開き、呆然となる・・・

空が崩れてきたとしても これほど驚くことはない・・・

 

白浅は 自分の恋愛とか結婚の縁とかは 

鉄の木でできていると思っていた。

それが 今日一遍に 二つも咲いた( ゚Д゚)

 

白浅は内心はとてもうれしかった。ひそかに

劣等感にさいなまれるほど この年まで自分を好きと

言ってくれたのは 過去 二人だけで 

どれも悲しく終わった。

婚約して顔もしらないけど 夜華の二叔父に至っては

自分の侍女と駆け落ちした。

以後誰からも見向きもされない。

 

でも 夜華は いくらなんでも 孫ほどの年齢

ただ恋愛に目がくらんでいるだけなら

後々またも自分が悲しい思いをするかもしれない・・・

 

友達夫婦になって ちゃんと側妃も娶ってあげるし

寛大な正妃となるつもりでいる。

 

切々と言い聞かせる白浅だったけど・・・

夜華「貴女は私を傷つけるために、わざとこんなことを

言っているのか」

「貴女だけを愛している。他の人を愛することなど

できない。」

白浅(はあ、本当に困った。頑固な子だこと)

これ以上刺激しないほうがいいと判断する。

もう夜華に去って欲しくて

仕事は?などと話しを振るが、寝るまでついてるという。

白浅の言い訳を、知らぬ風に

謙虚かつ温和な笑みを浮かべて夜華は言う

「どうしました?眠くなくなった?」

白浅がっかりして、「眠い、ものすごく眠いわ」

心理戦は 夜華に軍配が上がりました・・・