VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信44

2021-11-25 20:06:54 | 永遠の桃花

BSで いよいよ 「夢幻の桃花」が始まるようですね。

うちはBSないので 見られませんが( ;∀;)

ドラマと原作がどのくらいちがうのかもわからないので

なんとも言えませんが YouTubeで映像を見ると

本当に美しいし、CGも 永遠の桃花の時より

各段に進歩して 鳳九の狐姿が とっても可愛いです(*´ω`)

夜華が出ないのを残念に思っているファンの方も

結構いらっしゃるようですね。

 

さて 若水でのケイソウとの一騎打ち

白浅は夜華の修為が気になるも 身動きもとれず

稲妻と閃光の中 祈る思いで援軍を待っています。

・・・やがて・・・

 

突然 ケイソウが大きな声で笑った。その後しばらく

咳き込んでから ゆっくりと言った「今日 お前に

敗れるのは納得いかない。五百年前に受けた傷が

未だ治りきれず、しかも 先ほど鐘を破る為に

気力を多く使ってさえいなければ お前のような若造に

私が敗れることなど 絶対にありえない」

 

モクモクと立ち上る濃い煙が 少しづつ薄まり

夜華は 剣を支えに 地面に片膝立ちした姿で言う、

「結局 お前は敗れたのだ」

 

緊迫していた心がようやく落ち着きを取り戻した白浅

震える声で土地神に言う「もう終わったみたい、

早く私を地面におろして・・・」

 

土地神があたふたと仙障を解いているとき

突然 東皇鐘が発動する。

 

夜華は猛然と顔を上げ 沈んだ声で言った。

「鐘に何を仕掛けた!」

 

ケイソウは地面に横たわり、弱弱しく言う。

「私が東皇鐘を触りもしないのに、

なぜ鐘が発動したのかを知りたいのか・・ははは

 私はただ七万年の時間を使って 心血を注ぎ

私の命と鐘を繋ぎ合わせただけのこと。

私が死ねば 東皇鐘は自動的に発動する。

どうやら私はもうすぐ死ぬようだ。しかし、

残念なことに 私に陪葬するのがお前なのか

それとも八荒の神仙全員なのかはわからない・・」

 

ケイソウが言い終わるか終わらないかのうちに

白浅の目の前で 夜華は紅蓮業火に飛び掛かって行った。

 

いやー!!!」 自分が悲痛な叫び声をあげたかも

白浅はわからなかった。

いや!あってはならない?それともやめて、許さない?

東皇鐘が発動したからといって何だと言うの?

八荒の神仙がみんな焼かれるからってなに?結局私たちは

一緒にいるのだから、灰になるとしても一緒の場所にいる

のにどうして?なのにどうして私一人を残していくの?

 

『夜華が東皇鐘からあふれ出す紅蓮業火に飛び込んだ瞬間

私の手足を封じていた法器が 突然あいた。

そうよ 法器の主人が すべての修為を費やしたなら

その法器は当然 もはや人を閉じ込めておく事はできない。

 

紅蓮業火は 空を半分血の色に染め、若水の浜には鬼気が

充満していた。私は自分の持つ修為すべてを使って

崑崙扇を祀りだし、東皇鐘に向かった。鐘が少し揺れる、

私は 夜華の姿を見つける事ができなかった。

 

地面の奥深くから湧き出る 餓鬼の叫びのような声が

少しづつ集まり、千万の兵士や馬が咆哮しているよう

・・グゥア~~ン~~~東皇鐘が悲鳴を上げる。

 

赤い光が 何度か揺れ、黒い影が一つ 東皇鐘から

崩れ落ちてきた・・・

 

私はおぼつかない足取りで駆け寄り彼を受け取ると

数歩後ろに下がって 地面に崩れ落ちた。

蒼白な彼の顔、口の端には一筋の血痕・・・

私の腕の中に寄りかかる彼の瞳はとてつもなく暗い。

玄色の長衣は鮮血でびっしょり濡れていた・・・なのに

その色の為に彼が全身血だらけであることが

一見わからないでいる・・・』