goo blog サービス終了のお知らせ 

VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

歩生蓮を読み込もう その10

2025-05-09 22:04:31 | 永遠の桃花

光神の帰還を受け、天君は早速 光神の居場所を特定した。

太白星を筆頭に 七星君を呼び出して北極天きょ(木偏に巨)山へと向かわせたが

何故か見つける事ができなかった。

七星君たちは 受刑中の三殿下にまで訊ねに行くが 連宋の頭には、成玉に会えるまで

あと何時間かという事しか無いうえ、瀕死の状態。それでも東華帝君に訊ねれば良いの

ではないか とヒントくらいは与えたのだった。

そんなわけで 何も得る事なく九重天へ帰り 結局 天君は東華を訊ねるはめになった。

天族に光神を取り込む事しか頭にない天君には 東華の語る光神の存在意義について

明確に伝わったかは 甚だ疑問であった。天君は煙に巻かれたように感じ、退散した。

光神が現れる時 それは四海八荒を揺るがす大災難が近い事を現す。

光神は 自己の存在を犠牲にしてその災難を鎮めるという役割を担うのだ。

つまり光神は四海八荒の大災難を予見した時に現れる。

そして我が身を捨てて この世界を救う  そういう宿命の神であった。

租ていの予知をもって感じたのは 三万年後 その災いはやって来るという事。

租ていは 自身の力を蘇らせる為に 小世界を作りその中にこもったのだった。

そして、連宋との蜜月 彼への慕情 それらを自身の記憶から取り去るという

苦行に入る。

まさに 肉を削ぎ、骨を削る壮絶な苦行であった。

そうして 人間 成玉であった時の記憶を全て 人形に移し換え 連宋のそばに

おくつもりだった。

勿論 連宋が気付かない事はあり得ないだろうけれど····

 

((十里桃花や枕上書に登場する成玉は 人間として生きた成玉のコピーだったの

ですね。そして 連宋はその事を分かっていたのですね。切ない😭)


歩生蓮を読み込もう その9

2025-04-27 15:58:16 | 永遠の桃花

限りなく死に近づく時、人は 過去の転生を見る事が出来るのかも知れない。

身体の中の最期の血が流れ出た時 成玉はそれ迄の 今の自分ではない

数々の人生を思い出す。

それぞれの人生で学ぶべき「感情」があった。

一世二世は 知恵も感情もほぼ無い 木偶人形のようだったが、その自分に

向けられた無償の愛を命に刻んだ。

三世目に ようやく普通の人間らしく生まれた。そこでは 友人が

彼女を助けて 命を落とした。友の最期の言葉は 自分の分まで

人生を有意義に 価値ある人生を生きて生き抜いてほしいという事だった。

その人生では 背負うという事の意義、人として価値のある人生を生きる

とは  という意義を学んだ。

そうして、最後の17体目の今の人生で 全てを学び終えた。

目的は達成された。成玉は猛然と目を開いた、と同時に 

長い刀に引っかかっていた身体から、煌めく黄金の光があふれ

辺りをくまなく照らすとみるまに、雪蓮が氷原全体を覆い尽した。

厚い雲は去り雷も止んだ。

そして 天と地の間 中澤大地に鐘の音が鳴り響いた。

金色の光りと鐘の音は八荒じゅうに広がった。

光の中からは「姑瑤(ようの左は王ではなく女偏)租てい、光神の名において

天地に法呪を立てる−−万物は光を尊び生きる。光があれば世間万物は不滅

なり。姑瑤租てい人神の名において 八荒に法呪を立てる−−十億凡世、

姑瑤が守る人族に対し悪意を持つ八荒の生霊がいるならば、その者は

若木之門を通過出来ない」

その音声を聴いたもの全ては 震撼としてひざまずいた。

21万年も消えていた光神が 復活した!

 


歩生蓮を読み込もう その8

2025-04-07 13:35:11 | 永遠の桃花

懲罰を受けている連宋の元に行こうとしている成玉。

その前に現れた陵魚族の阿郁・・・

阿郁は  成玉が ただの人間でしかないくせに

連宋の妻である事実を知り 強烈に湧き上がる

嫉妬心を抑える事が出来なかった。

ただ純粋に  連宋の元へ向かおうとする成玉。

阿郁に手助けを求めるが  阿郁は見返りに

連宋が成玉に送ったアクセサリーを要求した。

勿論  相手が応じない事は計算済み。

アクセサリーを奪おうと手を出すが 弾き返され

それならば、と  手をかえる。

成玉がよじ登る岩を、積もる雪ごと崩していき

谷に無数の刃を出現させて  成玉をそこへ

落としてゆくのだった。

死にゆく成玉の心に 連宋との一連の思い出が

走馬燈のように展開していく。

平安城の小さな港、  白衣の青年は

玄色の扇を手に  雨に打たれて やって来た。

親友の為に美少年を探す一計を案じ  亭の中

傘を用意してボーっとしていた成玉の前に

立ち止まって、 傘を売って欲しいと言った。

男の子の格好を 一目で見破り 成玉に言う。

「貴方は  女の子です」と。

 

手芸店で再び会った時  連宋は 成玉の兄になる事

を提案する。成玉が欲しかったからくり人形を

「理由なく人から物を貰えない」と固辞する成玉に

プレゼントする為に。

それから  それから・・・

連宋からの告白 。

成玉は人間、しかし 彼は天神。

彼女は最初から二人の間には 越えられない壁が

ある事を知っていた。

連宋は二人の将来が末永くあるよう謀ると言った

が、彼女は信じていなかった。

彼女が求めていたのは  この一世だけだったのに

こんなに短く終わるなんて・・・

彼女は 自分を死に至らしめた少女を  天を 運命を

恨んだ。

強烈な恨みが 成玉に 断末魔の悲鳴をあげさせた。

しかし、阿郁が施した静音の術のせいで 八荒の

神獣の耳に届くことはなかった。

しかし  その悲鳴に宿る激しい怨念は 天地の霊息を

揺さぶり 快晴の空は掻き曇り狂風が巻き起こった。

厚い雲が空の果てから怒涛のごとく集まり、七つの

峰を覆った。そして 山が崩れるかのごとき雷が

轟きわたった。

「これは・・・」昭儀は天上の異変に驚き 耳を

立てた  が、朱とうは表情を暗くしたまま無言だった。

 

 


歩生蓮を読み込もう その7

2025-03-24 06:37:09 | 永遠の桃花

連宋が 天界に戻って  懲罰を受ける会議に

かけられる際  北海からやって来た兄  桑籍は

今回 連宋が起こした騒動は てっきり 長依が

関係しているものと思い込んでいた。

しかし  思惑は大きく外れ  長依は全く蚊帳の外

長依に対して 何も思いの無い連宋の気持ちを

知って 愕然とする桑籍だった。

 

長依の転生である姻蘭公主は  成玉に嫉妬し、

連宋に執着して いくつもの醜態を晒してしまう。

そのせいで  永遠に人間界で輪廻する事に・・・

連宋との蜜月を過ごした後  十花楼に戻った

成玉は  宮中でマウントを取ってくる姻蘭に

もう貴女は天界に戻る事は無いと言い放つ。

長依とは  元は少かん神と祖てい神が命をかけて

人間を凡界に送る為に若木之門を開けた時

消えゆく二人の気のエネルギーの一部を

紅蓮にいれて残したもの。

しかし  長依は祖てい神でも少かん神でも無い

長依という新しい個性なのだと語られている。

これは  桃花シリーズの主題でもある「転生」

「輪廻」というものが持つ  一つの側面とでも

言おうか、別の肉体に入った時点で  また別の

個性を持つことを暗にほのめかしている。

 

そして  祖てい神も  今 最後の業を成就する

成玉の人生を順調に終えようとしているが、

はたして・・・・?

といったところです。

 

101話で  祖てい神の神使い  殷臨(人間界では 朱とう)

と帝昭儀(人間界では李明楓)の間で語られた事。

殷臨は祖てい神の復活を絶対に失敗させるわけには

いかないという強固な信念の元  自分の全てをかけて

いた。

今回 祖てい神の  最後の転生である成玉は この人生

において まだやり残している業を全て達成せねば

ならない。失敗させるわけにはいかないのだ。

成玉は幼いうちに父と母を立て続けに失った。

これは 彼女が学ばなければならなかった第一の

痛み。成人してからようやく得られた友人は

彼女の為に死んだ。これは第二の痛み。

また、彼女は敏達王子に嫁ぎ 彼が早逝する事で

学ぶ第三の痛みがあった。そして産んだ子供を

亡くす予定で、 子を失う痛みがあった。

この過程で 彼女は 過去の十六世において

本当の意味で習得出来たとは言えなかった

消極的な感情を学ぶ事ができる。

彼女は 焦燥、緊張、憤怒、憂鬱、悲傷、苦痛、

恐怖、絶望という感情がどのようなものか

はっきりとわかるようになる。そして、

最も重要なのは  怨恨というものがどういう

思いかを知る事だった。しかし、この完璧な

情の業、生死の業が 水神(連宋)によって

壊されてしまった。

だから私(殷臨こと朱とう)は、彼女の為に

新たな業を作り出すしかなかった。

 

そう、成玉が連宋を待つ7年間 眠っていられる

薬がなくなったのも、仙界へ成玉を送る為の

朱とうの策略だった。

若木之門を開けた時 朱とうは 成玉を突き飛ばし

一人雪山に放り出したのだった。

昭儀は二人を尾行して 一緒に仙界に入る時

成玉を突き飛ばす朱とうを目撃した。

 

 

 


歩生蓮を読み込みもう その6

2025-03-19 12:19:33 | 永遠の桃花

もう、今週の土曜を 待ちきれない!

月  4~5回の更新で  あとどの位  話数があるの

だろう?

今  100話 だから・・・あと30話もあったら

7か月かあ💦

いつもは  7か月  あっという間だけど、今年は

そうはならないだろうなあ・・・  なんて💦

 

歩生蓮 は  成玉を どうしても諦めきれなかった

連宋が  成玉の婚礼を無い物にする為  大地を割り

海を生じ  四聖獣まで変える  という暴挙に出ます。

そうして、成玉が頑なにこだわる 長依に対する誤解

をも解いて  自らの逆鱗を抜き 装身具に変えて

それを成玉に送るのでした。

龍神が  逆鱗を送り、相手がそれを受け取ることは

「結婚」した事になります。

成玉は  略式ではあるけれど、正式に  連宋の妻に。

逆鱗は一つ一つが名称をもち、「歩生蓮」は足首に

つけられた アンクレットの名称でした。

連宋は  装身具を一つ一つ成玉の身体に着けていく。

ピアス  指輪  ネックレス  ブレスレット  アンクレット。

「名月」「紅玉影」「蓮心」「袖底香」これは

連宋が成玉に送った詩の言葉でもあった。

そして最後に  足首にアンクレットをつけて、

「これは・・・歩生蓮・・」と。

 

連宋は すでに自分が受けねばならない懲罰に

ついても  全て計算済みで  成玉の事も考え

成玉は  国に送り返し、自分の懲罰は 帝君に

力添えを貰って7日間にする、この凡世では

7年にあたるが、成玉には  7年間 眠りにつく

薬を飲んでもらう。

と  まあ 計画には  相当自信をもっていたのです。

 

ところが、 連宋と別れ  十花楼に戻った成玉が

いざ  服薬しようと  箱を開けると、「薬が無い!」

動揺する成玉。

一方  連宋の方は  思惑通り7日間の懲罰に決まった。

 

朱とうは  成玉の望みに従って  成玉を  連宋が

懲罰を受ける場所に送ることにした。

凡界なら7年だけど、天界なら 7日間で済む。

朱とうは 成玉と 若木の門に行き、門をくぐって

天界に入ったが  乱気流のような凄まじい風に

巻き込まれて  二人は離れ離れになってしまった。

雪に覆われた冬山に  一人ぼっちになった成玉。

そこには  連宋を慕ってやって来ていた陵魚族の

姫  阿郁が  連宋の為に薬を探してやって来ていた。

そして  二人は出会う・・・

 

阿郁は連宋が四海を束ねる水神として 北海の陵魚族

を訪れた際に一目惚れして、ひそかに慕っていたが

桑籍が降格して  北海水君になってからは 連宋に

会うことがなくなってしまったのだった。

今回  連宋が懲罰を受けるため  北方の山へ来る事を

知り、連宋に一目会って役に立ち、あわよくば

気に入ってもらえるかも・・・という期待をも持って

危険を冒して会いに行った。

阿郁は阿玉と発音が同じなので、阿郁が 懲罰を受けて

いる連宋に  阿郁です  と声をかけた時 連宋は阿玉?

と 成玉を連想して  反応したのだった。

阿郁は 自分を覚えていてくれたと大喜びし、

連宋の受けた傷を治す薬を持って来ます  と言って

山にやって来た。そこで  成玉と出会ったのだった。