VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信28

2021-11-05 20:06:31 | 永遠の桃花

兄 白真から 「もし、仮に今後夜華が青丘に戻らない

となると、遺憾は感じないかな?まあいい、貴女の

欠けた筋といったら、遺憾かどうかなど

八千年~万年もしない事には気づかないだろうな。

言い方を変えよう、仮に彼が去ったら、何か慣れない

事を感じやしないか?」

 白浅の心に もし彼がいない、となったら?と

自問すると 気が沈んだ。その顔を見て

白真は「墨淵のことが落ち着いたら、両親に頼んで

天君に話してもらって、早いうちに二人の結婚を

 まとめてもらいなさい。私の見立てでは

十中八九 貴女は夜華が気に入ったとみる。(中略)

貴女もたくさんは考えるな。夜華も貴女に気持ちが

あって、告白までしたというじゃないか。

もし仮に、彼がその告白の誓約を破る事があるならば

・・・」

もし、破ったら・・・?どうなるのだろう?

白浅は 聞き耳を立てた・・・

 

白浅の様子を見た白真は いきなりコップを置くと

「今の貴女の様子を見て安心した。」と言って

姿を消した・・・

自分の思いに悩む白浅・・・悶々として時がたつ

 思い浮かぶのは 夜華の蒼白な顔・・・

自分の気持ちに結論は出ないが、兄の言う事は

理解できた。

そして、自分の心の中では 彼の立ち位置は

決して普通のものではなかった。

・・・今夜は上神の風格を持って彼に会いに行き

 結魄灯を取りに行く時には、プライドを捨てて

彼とうまく和解する事にしよう・・・

 

白浅はそう決意して 夜華のいる寝殿へ向かいます。

 

夜華は 外のテーブルで酒を飲んでいます。

??と思う白浅。酒樽が5個も転がっている・・・

阿離がお酒に弱いのは 父譲りのはず・・・?

 

寝殿に入って、結魄灯を受け取り、

お礼に何が欲しいか聞くと 何もないというが

その表情に 白浅の心は 何かに掴まれたように

縮んだ。兄に指摘されなければ、この感覚が何か

なんてわからなかったが、7~8割は理解できた。

その悟りにひどく悲痛を感じるが、理性が必死に

抵抗していた。

「本当に欲しいものはないのね。それならこれで

失礼するわ。」

・・・突然彼が顔を上げて、しばらく私を見つめ、

依然と平淡な表情でゆっくりと言った。

「私の欲しいもの?私の欲しいものは最初から

一度も変わらず貴女一人しかいないのに」

 

白浅の心が激しくときめいて、思わぬ言葉が

出てしまう・・・

 

「貴方は 今夜 本上神と関係を持ちたいの?」

 

自分の出した言葉に自分で呆然としたが、まだ

夜華は震撼の中で茫然としていたので、

顔に火照りを感じ、慌てて立ち去ろうとした。

けれど 敷居を跨がぬうちに 夜華に後ろから

抱きつかれた。・・・自業自得だ・・・

 

夜華の身体から溢れる酒の匂いにクラクラする。

夜華に強く抱きしめられ、先ほどの焦燥感や

不安は跡形もなく消え失せた。脳裏に残るのは

桃花のように鮮やかな霞だけ。

魂が身体を抜け出したよう・・・抜け出したに

違いない。

・・白浅はさらに自分をひったたきたくなるような

言葉を口にする。

「玄関先ではあまりにもはしたない。

寝床にもどってからにしましょう」

そしてみずから呪をとき 女性の姿にもどしたのだった。

・・夜華に抱かれたながら、素素だった時の初夜が

白浅の脳裏に浮かび、これはなに?と戸惑う・・

(あら嫌だ、夜華を思う気持ちはすでにこれほどまで

不潔な境地になってたの?孫ほどの相手に対して?)

 

混沌とする意識の中で白浅はかすかに聞いた気がする

「この世で完全に貴女を手に入れる事ができるとすれば

きっと今夜しかないだろう。たとえ結魄灯の為であって

墨淵の為だとしても。それでも私はもう何も悔いは無い」

・・・あとはほぼドラマ通り

二叔父が羨ましい、

私が愛した女性が 青丘の白浅でなければ、

私が死んだと天上の神仙に信じ込ませて

それから三界五行以外のどこかの場所にでも

行かなければ、その恋を成就させる事はできない。

 

白浅が眠りにつく直前に夜華が、誰かが貴女の

目を取ったら?その人が私だったら?と聞く

それなら私たちの間もこれまでね、と白浅が

答えると、

・・ぴったりとくっついていた彼の胸が

一瞬硬直した。

しばらくして、更に私を抱く力を強めてから言った。

「ゆっくりお休み」