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覚醒剤減少も若者に大麻広がる 20代の検挙者が最多 犯罪白書

2020年12月01日 09時45分46秒 | 事件・事故

毎日新聞2020年11月24日 09時21分(最終更新 11月24日 11時30分)

法務省は24日、覚醒剤や大麻使用などの薬物犯罪を特集した2020年版犯罪白書を公表した。19年の検挙者は覚醒剤取締法違反が44年ぶりに1万人を下回った一方、大麻取締法違反は統計開始以降で最多。大麻取締法違反は20代が最多で、大麻が若者に広がっている実態を報告している。

 薬物犯罪の19年の検挙者は1万3860人(前年比3・2%減)で、うち覚醒剤取締法違反は8730人(同13%減)。大麻取締法違反は4570人(同21・5%増)で、統計のある1971年以降で初めて4000人を超えた。

 年齢層は、覚醒剤取締法違反は40代が最も多かったのに対し、大麻取締法違反は20代が最多。20代と30代は覚醒剤の検挙者が減る一方、大麻は増加傾向となっている。大麻は大学生と高校生も増加。20歳未満の検挙者は前年比41%増の595人に上り、覚醒剤の92人を大幅に上回った。

 法務省の担当者は「若者が覚醒剤や危険ドラッグから大麻にシフトしている。インターネットで大麻の害悪を矮小(わいしょう)化した説明が拡散し、入手・栽培方法などの情報も出回り、安易に大麻に手を出している」と指摘する。

 成人の検挙者のうち、過去と同じ罪名で再犯をした割合は、覚醒剤取締法違反は19年は66・9%で00年から14・5ポイント上昇した。大麻取締法違反は24・4%で近年はほぼ横ばい。若者を中心に初犯が多い大麻に対し、覚醒剤は依存から抜け出せない常習者が多いとみられる。

 19年の刑法犯の認知件数は17年連続減の74万8559件で、戦後最少を更新した。検挙者数は13年から戦後最少を更新し続け、19年は19万2607人(前年比6・5%減)だった。65歳以上の高齢者は4万2463人で前年比5・1%減。ただし、検挙者に占める高齢者の割合は年々上昇して19年は22%となり、05年(10・9%)の2倍の水準に達した。高齢者の犯罪は約7割が万引きなどの窃盗だった。

覚醒剤使用、男女に意識の差 受刑者アンケ
 犯罪白書には、覚醒剤取締法違反の受刑者に実施したアンケート調査の結果が掲載され、男女間の覚醒剤使用への意識の違いが明らかになった。

 「覚醒剤を使用する引き金となった場面」(複数回答)では、男性は「性行為をするとき」「手元にお金があるとき」など、快楽を得る目的の回答が目立った。女性は「誰かとけんかした後」「自分の体形が気になるとき」などの項目が男性を大幅に上回り、否定的な感情を打ち消すために覚醒剤を使用する傾向が浮かび上がった。

 女性は4割強が過食や自傷行為などを経験し、DV被害を受けた人が7割を超える点も男性と異なる。精神疾患の割合も40・2%で、男性の8・6%と比べて高かった。白書は「女性は再乱用を防止するために治療を受けるニーズが高い人が多いが、介入は多角的で慎重に行う必要生が高い」と指摘した。

 調査は2017年7~11月に刑務所に入所した受刑者を対象に行い、22~78歳の699人(男性462人、女性237人)が回答。薬物使用を始めた年齢は平均18・7歳。5年以上の乱用者が9割を超え、半数近くは集中治療が必要な依存度だった。【村上尊一】


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