去年 ストーカーの「禁止命令」約2400件 過去最多に 警察庁
去年、全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談や通報は1万9000件余りにのぼり、つきまといなどを禁じる「禁止命令」はおよそ2400件と、これまでで最も多くなったことが警察庁のまとめでわかりました。荷物に取り付ける「紛失防止タグ」を使って、居場所を把握されたという相談も増えているということで、警察庁は法整備も含め対策を検討することにしています。
警察庁によりますと、去年1年間に全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談や通報は1万9567件と、引き続き多くなっていて、ストーカー規制法に基づき、つきまといなどの行為を禁止する「禁止命令」は2415件と、これまでで最も多くなりました。
またスマートフォンのアプリなどによって、居場所を特定されたという相談が急増していて、中でも荷物の紛失を防止するタグを持ち物などに取り付けられて、居場所を把握されたという相談が370件にのぼっているということです。
現在の法律では「紛失防止タグ」を取り付ける行為は規制できず、警察庁はタグを悪用して取り付け位置情報を把握する行為について法整備も含め対策を検討することにしています。
一方、川崎市でストーカー被害を周囲に訴えていた女性の遺体が見つかり元交際相手が逮捕・起訴された事件では、ストーカー規制法に基づく警告や禁止命令は出されていなかったことがわかっていて、警察庁は全国の警察本部に対して通達を出し、被害者の安全確保を最優先にした対処を改めて徹底するよう、指示しています。
「禁止命令」受けた加害者への対策が課題に
ストーカー被害をめぐってはストーカー規制法に基づいてつきまといなどの行為を禁じる「禁止命令」を受けた加害者への対策が課題となっています。
警察庁によりますと、去年、「禁止命令」を受けた加害者など3271人を対象に、心療内科などのカウンセリングの受診を働きかけたところ、継続的な治療やカウンセリングにつながった人は184人と全体の5%にとどまり、90%にあたる2954人は受診を拒否したということです。
また、受診を働きかけたもののつきまといなどの行為を再び行った人は168人いたということです。
全国の警察は「禁止命令」を受けた加害者全員に電話で連絡を取って接触を図り、必要に応じてカウンセリングを受けるよう促すとともに、再発の兆しがないか、注意深く状況を確認する取り組みを続けることにしています。
あわせて読みたい
-
-
-
川崎遺体遺棄事件受け “被害者安全確保最優先 徹底を”警察庁
-
-
-
-
警察庁長官「トクリュウ」やストーカー行為など対応強化指示
-
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます