<time style="line-height: 1.4;">5/31(日) 10:16</time>配信
【ソウル池田郷】韓国は6月1日から、駐在員やその家族など長期滞在外国人が一時出国を経て再入国する際、原則48時間以内に取得した医師の診断書の提出を求めるなど手続きを厳格化する。海外から新型コロナウイルス感染者の入国を防ぐ水際対策の一環だが、韓国人は適用外。“狙い撃ち”にされた形の在留外国人から「差別的だ」との不満が噴出している。
【写真】無観客で開幕した韓国プロ野球 「手続きが面倒過ぎる上、提出書類や診断書の書式についての説明も不十分だった」。ソウルに住む日本人駐在員の妻(53)は今月下旬、電話で外国人総合案内センターなどに問い合わせをして頭を抱えた。
この女性が受けた説明によると、出国前の手続きとして、事前予約をしてソウルの出入国・外国人事務所を訪ね、再入国の申請書など書類3種を提出。出国後は、再入国までの原則48時間以内に現地で医師の診察を受けて発熱やせき、肺炎の症状の有無などを韓国語か英語で記入した診断書を受け取り、再入国時に提出せねばならないという。
韓国政府が手続き厳格化を発表したのは21日。女性は6月に予定していた一帰国を急きょ早めて、厳格化が適用される前の30日にソウルを飛び立った。「日本で外国語の診断書を書いてくれる医療機関を探せるか不安だし、コロナの影響で航空便のスケジュールが変更することなども心配だった」と理由を語った。
「韓国で法律を守り納税の義務を誠実に果たしているのに、韓国人には適用されない差別的な政策だ」。韓国大統領府の請願サイトには、措置に反発する外国人の書き込みが相次ぐ。短期出張の場合や医療環境が整わない地域では再入国直前の受診は難しく、韓国紙も「(出国先には)病院も探しにくい地域がある」と嘆く外国人の声を伝えた。
高まる不満を受けて韓国政府は29日、出国前に「診断免除書」を提出すれば診断書がなくても再入国を認めると発表。各国の母国語で記入した診断書を韓国語か英語に翻訳した文書での提出を認めたり、出入国・外国人事務所での手続きを予約不要にしたりと運用の改善を急ぐが、猫の目のように変わる政府方針に駐在員らは戸惑い気味だ。
九州出身のソウル在住の女性(48)は「韓国語に自信がないので事前手続きが不安だ。コロナ禍の前には2カ月に1回は一時帰国していたが、日本がますます近くて遠い国になるようで悲しい」と肩を落とす。
西日本新聞
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