「戦場の血で白衣汚さず」

2015年07月30日 01時08分42秒 | 社会・文化・政治・経済
安保法案に医療者反対 
「平和国家どこへ」

共同通信社 2015年7月27日(月) 配信

 国会で審議中の安全保障関連法案に、医療関係者から反対の声が上がっている。集団的自衛権の行使が戦争につながるといった懸念に加え、かつて戦地に派遣され、戦死したり、軍に協力したりした歴史への反省があるからだ。医師や看護師らによる反対署名は3700人を超えた。
 7月9日、東京・永田町の衆院議員会館。「戦争中に多くの看護師が動員されました。白衣を再び戦場の血で汚したくありません」。約300人の医師や歯科医師、看護師を前に、全日本赤十字労組の五十嵐真理子(いがらし・まりこ)さんが訴えた。
 日本赤十字社によると、1937~45年に医師や看護師ら3万3156人が動員され、少なくとも1187人が殉職した。五十嵐さんは「国の役に立ちたいという思いで戦地に赴いたのに、終わってみれば、戦争を側面から支えたという悔恨に悩んだ」と一人一人の思いを代弁した。
 自衛隊法は、防衛出動する場合に、病院や診療所の管理、物資の保管・収用ができると規定。五十嵐さんは「戦争は戦傷病者の治療体制抜きにはできない。医療従事者が徴用され、薬品などの保管命令が出されれば、一般患者を病院から追い出すことにもなりかねません」と危惧する。
 NPO法人医療制度研究会副理事長の本田宏(ほんだ・ひろし)医師は「防衛費の増強で医療費や介護費がしわ寄せを受ける」と財政面への影響も指摘する。
 与党と関係が深い日本医師会にあまり動きがみられない一方で、ネット上などで「安保関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会」が7月10日から集め始めた反対署名は、25日には3700人以上になった。従軍経験のある看護師は、せっかく命を救った兵士が、戦場に戻り、敵の命を奪うことに大きな疑問を感じたという。
 9日の集会に聖路加国際病院の日野原重明(ひのはら・しげあき)・名誉院長はこんなメッセージを寄せた。「人のいのちの重要性は医師が一番よく知っている。医師こそ平和の最前線に立って、行動すべきと考えています」
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