水説
首相の深きジレンマ=古賀攻
オピニオン
毎日新聞 2022/8/24
自民党の清和会(現安倍派)に所属していたベテラン政治家は、1990年衆院選での初当選に先だって「勝共連合の支援を受けないか」と打診された。
旧統一教会を母体に68年に創設された反共の政治団体だ。熱心な運動員を派遣してくれると、新人候補は等しく勧められた。連絡してきたのは、派閥の長である安倍晋太郎元幹事長の事務所だ。
元幹事長は91年5月に病没するが、次の93年衆院選でも「勝共連合を使うかどうか」の問い合わせがあった。今度は後継者になった安倍晋三事務所からだった。