要旨 |
一九世紀、ヴィクトリア朝を代表する詩人、デザイナーであり、社会主義者でもあったウィリアム・モリス。彼の壁紙や織物のデザインは自然の成長の感覚に満ち、いまも色あせない魅力を放つ。 染色やタペストリーの「職人」としても一流だったモリスは、その本業のかたわらで韻文・散文で物語(ロマンス)を多く執筆。 晩年にはケルムスコット・プレスで「理想の書物」造りに打ち込んだ。英文学者であり、『ユートピアだより』などモリス作品の代表的な翻訳者でもある著者による、モリスとその時代に関する論考・エッセイを集める。 多彩な活動の全貌を追いながら、一見別々な仕事に通底するモリスの思想と仕事の流儀を探り、さらに柳宗悦、宮澤賢治らモリスに影響を受けた日本の芸術家・思想家たちの軌跡をたどる一五章。 |
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ウィリアム・モリス(William Morris、 1834年3月24日 - 1896年10月3日)は、19世紀イギリスの詩人、デザイナー、マルクス主義者。
多方面で精力的に活動し、それぞれの分野で大きな業績を挙げた。「モダンデザインの父」と呼ばれる。
また、架空の中世的世界を舞台にした『世界のかなたの森』など多くのロマンスを創作し、モダン・ファンタジーの父と目される。
ロード・ダンセイニやJ・R・R・トールキンにも影響を与えた。
62歳で亡くなったが、看取った医師は
死因は?と聞かれて「モリスだから」と答えたそうだ。
多才で一人で何役ももなし猛烈に働いたモリス。
クソ真面目なやりたがり屋。
それゆえに、過労で死んだのであろうか。
詩・小説執筆の傍ら、デザインから社会主義運動まで幅広く活躍したモリス。活動の全貌に通底する思想と、影響をうけた日本の芸術家・思想家の軌跡をたどる14章。
著者紹介