猟期も残すところ1か月半になった。
狩猟免許を取得して4度目になる今猟期の捕獲目標は鹿10頭。
11月に三股の角をもった牡(オス)2頭、そして12月に牝(メス)2頭を捕獲した。
牡鹿は頭骨が付いたままの角を取ろうと思い、角だけ地表に出して頭部を土に埋めた。
滑り出しは順調。ほぼ百発百中で獲れたのだが、年末から罠を閉じたままにしてしまった。
仕掛けさえすれば獲れるのだが、年末年始、いろんなことがあって疲れてしまって…。
だがこのままでは終われない。
しかもカフェのお客さんから「鹿肉を譲って」とのリクエストもあった。
冷凍庫にも余裕ができたし、舎長からも「早く獲って」と尻を叩かれた。
実家に帰る途中、そのお客さんのところへ寄って鹿肉を渡したいという。
実家には
「鹿が獲れたら、帰ります。ラーラーラララララー♪(BGM『北の国から』より)」と伝えてあるとか、ないとか。
2月1日、罠のストッパーをはずした。
翌日、入口付近に鹿の足跡。
そして、2月3日。
なんと…
3匹。
このところ、この周辺の谷を徘徊していた親子連れの牝鹿3頭が一度にかかってしまった。
鹿は牡は単独行動するが、牝は群れで動く。
可哀相だったが、母鹿から順番に止め刺しした。
すべて槍で一突き。
舎長から「見事だった」とのお言葉をいただいた。
役場に提出する証拠写真を撮影。
「捕獲者も一緒に写真に写り込むこと」という条件が付いているので、舎長にシャッターを押してもらった。
一晩、川に浸けて、翌日昼過ぎから解体。
鹿をさばいた後に、自分への褒美のステーキ。もちろん舎長とともにいただく。
前にも書いたが、ヨーロッパでは鹿を総称して「セール」と言い、生後6か月までの子鹿を「ファン」、18か月までの中学生くらいのを「シュヴリヤール」、20~25キロになる牡をブロカール、牝をシュヴレットと呼ぶ(たぶんフランス語)。
栄養的にも優れていて、蛋白質は牛肉の1.3倍、豚肉の1.1倍、カロリーは牛の3分の1、豚の3分の2、脂質は牛の20分の1、豚の5分の1、という高タンパク低カロリー超低脂肪の健康食品。さらに、ビタミンB2、ビタミンB6、DHAなどの不飽和脂肪酸も豊富。そしてさらに、鉄分は牛肉の約7倍、豚肉の約10倍以上。鉄分は1日に1.5ミリグラムが体から失われており、10~12ミリグラムを食事から摂取する方がよいとされているにもかかわらず、日本人の平均的な食生活では、摂取必要量はすれすれで、ダイエットや偏食をするとたちまち不足してしまうが、鹿肉が持つ鉄分は「ヘム鉄」といい、人体内にある鉄分と性質が似ているために体内吸収率が高い(JAグリーン近江『シカ料理レシピ集』および和歌山県農林水産部畜産課監修『わかやまジビエレシピノート』より)。
今回獲れたのは、母鹿とシュヴリヤールとファン。
ステーキにしたのはファンの背ロースの肩に近い部分と腰に近い部分。同じく後ろ脚のもも肉。そしてシュヴィリヤールのもも肉。
炭火の上にフライパンを置き、味付けは塩、胡椒、バター、ニンニクだけ。
どれもジューシーで品よい味。
特にファンの背ロースの腰に近い部分は柔らかくて絶品だった。
鹿肉は「臭くて硬い」とよく言われるが、放血等の事後処理もせず、脂身の少なさを補うように調理に工夫を凝らさなければ、そんなものかもしれない。
以前、この地域の猟友会の幹部に、放血のやり方などを聞いたが、「知らない」と言われ、逆に「食うんけ?」と聞き返された。「食べへんの?」と聞くと、「犬にやるくらいや」とのこと。鹿に関しては獣害駆除の補助金がもらえるから獲っているだけだものねえ。
鉄砲で撃ち殺して血抜きもせずに引きずり出してきて皮を剥いで肉を取る程度のやり方なら、牛や豚や鶏だってまずくなるんじゃなかろうか。
これも以前に書いたが、ノーベル賞の授賞式後のパーティーのメインは鹿と決まっているくらい、あちらではステータスの高い肉なのです。と、鹿の名誉のために一言添えておきます。
そして
「鹿、獲れました。帰ります。」
ラーラーラララララー♪
狩猟免許を取得して4度目になる今猟期の捕獲目標は鹿10頭。
11月に三股の角をもった牡(オス)2頭、そして12月に牝(メス)2頭を捕獲した。
牡鹿は頭骨が付いたままの角を取ろうと思い、角だけ地表に出して頭部を土に埋めた。
滑り出しは順調。ほぼ百発百中で獲れたのだが、年末から罠を閉じたままにしてしまった。
仕掛けさえすれば獲れるのだが、年末年始、いろんなことがあって疲れてしまって…。
だがこのままでは終われない。
しかもカフェのお客さんから「鹿肉を譲って」とのリクエストもあった。
冷凍庫にも余裕ができたし、舎長からも「早く獲って」と尻を叩かれた。
実家に帰る途中、そのお客さんのところへ寄って鹿肉を渡したいという。
実家には
「鹿が獲れたら、帰ります。ラーラーラララララー♪(BGM『北の国から』より)」と伝えてあるとか、ないとか。
2月1日、罠のストッパーをはずした。
翌日、入口付近に鹿の足跡。
そして、2月3日。
なんと…
3匹。
このところ、この周辺の谷を徘徊していた親子連れの牝鹿3頭が一度にかかってしまった。
鹿は牡は単独行動するが、牝は群れで動く。
可哀相だったが、母鹿から順番に止め刺しした。
すべて槍で一突き。
舎長から「見事だった」とのお言葉をいただいた。
役場に提出する証拠写真を撮影。
「捕獲者も一緒に写真に写り込むこと」という条件が付いているので、舎長にシャッターを押してもらった。
一晩、川に浸けて、翌日昼過ぎから解体。
鹿をさばいた後に、自分への褒美のステーキ。もちろん舎長とともにいただく。
前にも書いたが、ヨーロッパでは鹿を総称して「セール」と言い、生後6か月までの子鹿を「ファン」、18か月までの中学生くらいのを「シュヴリヤール」、20~25キロになる牡をブロカール、牝をシュヴレットと呼ぶ(たぶんフランス語)。
栄養的にも優れていて、蛋白質は牛肉の1.3倍、豚肉の1.1倍、カロリーは牛の3分の1、豚の3分の2、脂質は牛の20分の1、豚の5分の1、という高タンパク低カロリー超低脂肪の健康食品。さらに、ビタミンB2、ビタミンB6、DHAなどの不飽和脂肪酸も豊富。そしてさらに、鉄分は牛肉の約7倍、豚肉の約10倍以上。鉄分は1日に1.5ミリグラムが体から失われており、10~12ミリグラムを食事から摂取する方がよいとされているにもかかわらず、日本人の平均的な食生活では、摂取必要量はすれすれで、ダイエットや偏食をするとたちまち不足してしまうが、鹿肉が持つ鉄分は「ヘム鉄」といい、人体内にある鉄分と性質が似ているために体内吸収率が高い(JAグリーン近江『シカ料理レシピ集』および和歌山県農林水産部畜産課監修『わかやまジビエレシピノート』より)。
今回獲れたのは、母鹿とシュヴリヤールとファン。
ステーキにしたのはファンの背ロースの肩に近い部分と腰に近い部分。同じく後ろ脚のもも肉。そしてシュヴィリヤールのもも肉。
炭火の上にフライパンを置き、味付けは塩、胡椒、バター、ニンニクだけ。
どれもジューシーで品よい味。
特にファンの背ロースの腰に近い部分は柔らかくて絶品だった。
鹿肉は「臭くて硬い」とよく言われるが、放血等の事後処理もせず、脂身の少なさを補うように調理に工夫を凝らさなければ、そんなものかもしれない。
以前、この地域の猟友会の幹部に、放血のやり方などを聞いたが、「知らない」と言われ、逆に「食うんけ?」と聞き返された。「食べへんの?」と聞くと、「犬にやるくらいや」とのこと。鹿に関しては獣害駆除の補助金がもらえるから獲っているだけだものねえ。
鉄砲で撃ち殺して血抜きもせずに引きずり出してきて皮を剥いで肉を取る程度のやり方なら、牛や豚や鶏だってまずくなるんじゃなかろうか。
これも以前に書いたが、ノーベル賞の授賞式後のパーティーのメインは鹿と決まっているくらい、あちらではステータスの高い肉なのです。と、鹿の名誉のために一言添えておきます。
そして
「鹿、獲れました。帰ります。」
ラーラーラララララー♪
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