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参照。

血栓症

2008-03-27 11:17:24 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
血栓とは、血管の中にできる血の塊のことである。

 血栓ができる仕組みは、まず、血管が破れて出血が起こると、そこに血液中成分のひとつである血小板が互いに集まってくっつき合って固まる(とりあえずの止血、血小板血栓という)。
                             
 しかし、これだけでは止血は不十分として、次に、正常では血液に溶けているフィブリノーゲンというタンパク質が「フィブリン」(線維素ともよぶ)という固形に変化して、さらにしっかりと血管の破れた場所を止血する(血液凝固)。
                             
 そしてそれを土台にして、破れた血管壁の細胞が増殖し、血管は修復される。
                             
 このフィブリンがいわゆる血栓の正体である。

 さて、このままフィブリンの塊(血栓)が残っていては、血管がふさがれた状態が続くため、血液が流れることができない。
 しかし、私たちの体には用済みとなったフィブリン(血栓)を溶かすしくみが備わっている。

 これが「線溶系」というシステムである。

 この線溶系が活性化すると、フィブリンの塊が溶かされ、
                             
 血液が再びスムーズに流れる。
                          
 この線溶系の働き、すなわち血栓を溶かすしくみだが、血栓ができると血液中にあるプラスノーゲンという物質が活性化されて、プラスミンという酵素に変換される。
 このプラスミンが血栓の正体であるフィブリンを溶解する。

 このように、通常、血液は、固まろうとする凝固系の働きと、血栓を溶かそうとする線溶系の働きとがバランスを取り合っている。

 健康な人ほど、この生体の防御機能がバランスよく備わっているといえる。

 このバランスが乱れて、線溶系の働きが低下すると血栓が生じやすくなり、一方、線溶系が活発になると出血を起こしやすくなる。

 高齢になると、この線溶酵素の働きが衰えてくるので、できた血栓を溶かすことができず、血栓症が起こりやすくなると考えられている。

 また、問題なのは、血管が破れた時に血小板が働いて血液を凝固させ出血を止めてくれるしくみが、何らかの事情で血管の内皮細胞が損傷したときにも、全く同様の過程が進んでしまい、血栓症が引き起こされる。


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