カキぴー

春が来た

懐かしの「南回り欧州線」と、「ナイル」の旅(2)

2011年05月05日 | 旅行記
カイロに到着してすぐに、3大ピラミッドとスフィンクスの在る町「ギーザ」のホテルにチェックインし、シャワーを浴びてからよく冷えたベルギーのプレミアル・ラガービール「ステラ」を飲んだ後、帰り便を変更するため急ぎヒルトンホテルにあるJALの支店に出向いた。 交渉の結果、パリ発成田行きの便を予約することができたが、カイロからパリまでの「エアフランス」はエコノミークラスで、これは各自負担となる。

さて僕たちの旅のルートは、カイロ周辺の遺跡を見た後、エジプト航空のB-373でナイル川を900kmほど遡ってエジプト南部の都市「アスワン」まで飛び、アブシンベル宮殿への往復とも飛行機を利用し、そこから空路ルクソールに下り、ここからは列車でカイロに戻った。 ナイルのイメージをつかむには上空から眺めるのがいい、果てしなく続くサハラ砂漠の中を1本の帯がどこまでも伸び、その両岸にのみへばりつくように緑が続く。 まさにナイルがこの流域の生命線であることを実感する。 アマゾン川を押さえて世界一を誇るこの大河は、実に10ヶ国を経て最後にエジプト文明を育んだデルタ地帯を潤した後、地中海に注いで6650kmの長旅を終える。

ナイルに魅せられるのは、長い乾燥地帯を流下しながらも、途切れることのない膨大な水量を生み出す水源が、いったい何処に存在するのか?という疑問だ。 源流がケニヤ、ウガンダ、タンザニアに囲まれたアフリカ最大の「ヴィクトリア湖」であることが、2人のイギリス人探検家によってほぼ確定されたのは1858年で、僅か1世紀半前のことだ。 ところがヴィクトリア湖に流れ込む川が存在することがその後の探検で解明し、現時点ではブルンジ共和国に源を発する「ルビロンザ川」、「カゲラ川」が源流となっている。 しかし21世紀に入ってからもブラジルとニュージーランドの探検家が新しい源流を発見しており、この先も当分のあいだ神秘的なロマンが楽しめそう。

この川に興味を抱いたもう一つのきっかけは、1978年のアメリカ映画 「ナイル殺人事件」。 多くの現地ロケによる映像は、ナイル観光の魅力と見所と余すとこなく見せてくれた。 原作はイギリスの女流作家「アガサ・クリスティー」が1937年に発表した推理小説「ナイルに死す」。 お馴染みの名探偵「エルキュール・ポワロ」が、ナイル川を遡る豪華クルーズ船での怪事件に挑む。 カルナック号として撮影に使われた外輪船だが、実際には1885年建造のスーダン号という船で、現在もナイル川クルーズに使われているらしい。 映画撮影のため200万ドルをかけて改造が施された。

時間に制限があるとは言え、この旅行で悔やまれるのはクルーズ船を上手に活用しなかったこと。 ドイツやフランスからの観光客は40度を越すような昼間は船の中で過ごし、日が沈み涼しくなる頃からお洒落をして遺跡回りなどに繰り出す。 だから観光施設にはどこも夜間照明tと音響設備が完備されており、見事なライトアップと音の演出で幻想的な雰囲気を醸し出す。 再び船に戻るとデッキからの夜景を楽しみながら、ゆっくりと遅い夕食をとるのがヨーロッパ流のパターン。    

      














  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿