僕の住む郡山市は、いま世界の注目を集める東電福島第一原発から直線で55キロの位置にあり、30キロ危険区域を除くと、福島市と並んで県内では最も放射線量の多い街として有名。 既に学校の校庭や公園の土壌汚染は規制値を超えて利用制限されており、汚染度の高い小学校では60名が転校した。 また先日も友人が自宅の庭の放射線量を測ったところ3・5マイクロシーベルト、屋内で1・2マイクロシーベルトあり、孫を庭に出さないようにしている。 市内に在る食品関係の工場などは、風評被害を考慮して県外への移転を準備していると聞く。 しかし僕の栽培している野菜についは、年齢を考えると今さら心配するに及ばぬと判断し、椎茸や冬を越した根ミツ葉、葉もの野菜、などすべてを食したが、東京の息子宅に送ることはない。
そんな中で我が家でも避難先は何処がいいか?話題に上ることが多くなってきた。 女房は身内が居て比較的近い距離にある仙台市を希望しているが、原発から90キロは近すぎるし、年をとってからは暖かくてのんびりした、沖縄の離れ島などで暮らしたいと僕は思っている。 具体的には八重山諸島の西端、台湾の北東に位置する「与那国島」を第一候補に考えているが、この島の面積は28・9k㎡。 人口1745人、年平均気温23・6℃、石垣島から124km、台湾まで僅か111kmしかなく、まさに国境の島。 晴れて澄んだ日には水平線上に台湾の山々を望むことができ、自転車でも3~4時間あれば島を1周できる。
僕が小型機で初めてこの島を訪れたのは十数年前。 石垣島方向から飛来して着陸する場合、島の北側を通過して一度西側に出てUターンしファイナルに入るのだが、既にこの時点で台湾の「航空識別圏」に進入しているため、事前に台湾空軍にフライトプランを提出し、管制とコンタクトしてから当時1500mの滑走路にランディングしたのを思い出す。 「日本最西端の地」と書かれた碑の立つ岬から、台湾の島影を探したが、残念ながら霞がかかって見えなかった。 しかし接する島の人たちはフレンドリーで、泡盛の一種でアルコール60度の蒸留酒 「花酒」(はなさき)を、オンザロックで飲みながら食べる島の肴は、どれも新鮮で美味しかった。
僕にとって与那国のもう一つの魅力は、近くて遠い島 台湾に近いこと。 4月から10月までの毎週金曜日、目と鼻の先、台湾北部の港町「基隆市」(キールンし )へ2泊3日のクルーズ船が就航しており、基隆から台湾の首都「台北」までは電車で30分。 避難中にはせいぜい大好きな中国料理を食べに行ったり、日台の歴史や文化に触れてみたいと思っている。 そうした渡航者が多いせいか、小さなこの島に「出入国管理事務所」が存在してるのも有難い。
もちろん良いことばかりではない、8月~10月は多くの台風に見舞われるし、国境の島であるため「台湾有事」や「尖閣諸島問題」などに巻き込まれるリスクは否定できない。 しかし昨年12月の閣議決定された中期防衛力整備計画(2011)では、200人規模の沿岸監視隊が常駐して島の警備に当たることになったし、本土では経験できない猛烈な台風を題材に、小説の一つも書いてみたいとも思っている。 とは言え避難せずに済むことに越したことはないが、僕らの年になったら物事すべて悲観的に考えず、こうした予期せぬ災難さえ逆手にとって、残り人生の過ごし方を楽しく思い描いてみるのも悪くない。 などと開き直っているこの頃である。
そんな中で我が家でも避難先は何処がいいか?話題に上ることが多くなってきた。 女房は身内が居て比較的近い距離にある仙台市を希望しているが、原発から90キロは近すぎるし、年をとってからは暖かくてのんびりした、沖縄の離れ島などで暮らしたいと僕は思っている。 具体的には八重山諸島の西端、台湾の北東に位置する「与那国島」を第一候補に考えているが、この島の面積は28・9k㎡。 人口1745人、年平均気温23・6℃、石垣島から124km、台湾まで僅か111kmしかなく、まさに国境の島。 晴れて澄んだ日には水平線上に台湾の山々を望むことができ、自転車でも3~4時間あれば島を1周できる。
僕が小型機で初めてこの島を訪れたのは十数年前。 石垣島方向から飛来して着陸する場合、島の北側を通過して一度西側に出てUターンしファイナルに入るのだが、既にこの時点で台湾の「航空識別圏」に進入しているため、事前に台湾空軍にフライトプランを提出し、管制とコンタクトしてから当時1500mの滑走路にランディングしたのを思い出す。 「日本最西端の地」と書かれた碑の立つ岬から、台湾の島影を探したが、残念ながら霞がかかって見えなかった。 しかし接する島の人たちはフレンドリーで、泡盛の一種でアルコール60度の蒸留酒 「花酒」(はなさき)を、オンザロックで飲みながら食べる島の肴は、どれも新鮮で美味しかった。
僕にとって与那国のもう一つの魅力は、近くて遠い島 台湾に近いこと。 4月から10月までの毎週金曜日、目と鼻の先、台湾北部の港町「基隆市」(キールンし )へ2泊3日のクルーズ船が就航しており、基隆から台湾の首都「台北」までは電車で30分。 避難中にはせいぜい大好きな中国料理を食べに行ったり、日台の歴史や文化に触れてみたいと思っている。 そうした渡航者が多いせいか、小さなこの島に「出入国管理事務所」が存在してるのも有難い。
もちろん良いことばかりではない、8月~10月は多くの台風に見舞われるし、国境の島であるため「台湾有事」や「尖閣諸島問題」などに巻き込まれるリスクは否定できない。 しかし昨年12月の閣議決定された中期防衛力整備計画(2011)では、200人規模の沿岸監視隊が常駐して島の警備に当たることになったし、本土では経験できない猛烈な台風を題材に、小説の一つも書いてみたいとも思っている。 とは言え避難せずに済むことに越したことはないが、僕らの年になったら物事すべて悲観的に考えず、こうした予期せぬ災難さえ逆手にとって、残り人生の過ごし方を楽しく思い描いてみるのも悪くない。 などと開き直っているこの頃である。