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似非紳士感想続き

2011-07-16 23:07:49 | Weblog

 

舞台「似非紳士」で川久保くんが

「そのためならどんなこと~だってやる。幸せに~したいんだ。」

と歌うところがあります。

お稽古風景の動画でもありましたが。

「母親に愛されたい一心で令嬢を騙して結婚式に挑む主人公・雅輝」

とパンフレットやフライヤーに出ていたので

この歌に出てくる「どんなことしてでも幸せにしたい」相手というのは

舞台観るまで「母親」のことだと思っていました。

だとしたら(こういうこと言うのは役だとしても失礼なのだけど)「物凄いマザコンさん」なのか

それとも「プライドが強過ぎて母親からも常に高評価をされないと気がすまない人」なのか

それ以外の理由ももちろんあるだろうけど、本音として出てしまう歌(言葉)があるから

これはまた難しい内面を持った役を演じるんだなと舞台を観るまで実はちょっと心配でした。

でもお話が進んで行くと令嬢のフィアンセさんのことも

「幸せにしたい」と思ってるのが伝わってくるんです、嘘はつくけど。

彼女は彼女として とても愛していて大事にしたいと思っている。

ただ嘘をつくことにはそんなに抵抗も罪悪感も持っていない。

結果オーライでその瞬間 相手が幸せならそれで幸せだろうみたいな、

あとで訳を話せば大丈夫だろうみたいな、

もしかしたら世渡り上手と言われる一面もあるのかもしれないけど。

でもそういうのって上手くはいかない。

普通は「そんな嘘までついて後で絶対失敗するでしょ」と反感買うようなことだから

「ああやっぱり」という感じで

実際お話の中でもバレて結婚は破談になってしまいます。

ただ、このお話では時間はかかるけど 嘘をついた雅輝のことを

彼女さんも彼女の家族も後で「許す」というか「受け入れよう」とするんですね。

ここが意外だったことだけど とても傷ついているはずの彼女が許そうとする。

それは彼女に対して雅輝が(嘘をついた以外は)とても誠実だったからなのかなと。

騙すために誠実なふりをしてたんじゃなくて純粋に愛してたということが

彼女にも伝わってたからじゃないでしょうか。

 

そういうことを思わせる複雑な難しい役がこのところ川久保くんは多い。そして上手い。

見ていて上手すぎて辛い気持ちになることも多いんだけど、やっぱり上手いと思う。

ただ役の上で強烈なマザコンさんだというのは間違いなかったです。

こちらでも「嘘をついてまで」幸せにしたい。

お母様に対しての嘘は理由もあった(治療費が莫大で時間に猶予の無い病気)けど

お金だけじゃなくて「認められたい」という思いも強いからこっちはこっちで根が深くて。

そして母親も実はそれを分かっていて気づかないふりをしている。

身内の情って それが絆が深すぎると他所から見ると尋常じゃないこともあるから

雅輝の今までに何があったか分からないけど「ここもなんかめちゃめちゃ難しいなー」

という印象。妹からはまるっきり嫌われてるし。いったい何したの?みたいな。

と、どちらかと言うと悪口にも聞こえそうな感想だから今まで書けなかったのだけど

でも素直に感想言うとそういう役どころで それが上手い拓さんは凄い。