一昨日観た「オーロラ」という映画の感想です。
この映画の監督 ニルス・ダヴェルニエという方が 2001年にパリ・オペラ座の舞台裏を撮った「エトワール」というドキュメンタリーがあります。
私も 観たことなかったのですが 話題になったので 題名は覚えていて、その評論は読んだ覚えがあります。(忘れたけど・・。)
その方が手がけた この「オーロラ」という映画。主役のお姫さまの名前も オーロラで 眠れる森の美女 とも お話は違っているけれど 色んな面でリンクする所もあります。
撮影は ロワール渓谷に位置する ユッセ城というところなどで 行われたそうなのですが、その お城 初期ルネッサンス様式の城で(・・って このあたりからして なんか凄そうなんだけど)シャルル・ペローの童話「眠れる森の美女」の城のモデルとなったそうなんです。
それから ディズニーランドのシンデレラ城のモデルでも あるそうです!
(知らなかった!)どうりで どこもかしこも綺麗なはずだ・・と思いました。
何しろ パリ・オペラ座バレエって 17世紀にルイ14世が 設立させた世界最古のバレエ団なんだそうです。現在でも 世界の最高峰として その名をとどろかせている・・そうです。
そのバレエ団から トップダンサーが 沢山出ている この映画。
私は 何も予備知識もないまま 映画館に入ったのですが そう言えば お客さんも女性、しかも ちょっとバレエ関係かな?みたいな感じの人も何人か いました。
おはなしは おとぎ話みたいな ちょっと悲しい話です。
踊りが 大好きなお姫さまなんだけど、なぜか その王国は 踊ることを禁止していて 可哀想に お姫さまは 大の仲良しの弟(この子が ホントにかわいい)に こっそり踊って見せるくらいで 表だって踊ることも出来ない。
そのうちに 王国が経済的に 破産寸前になったため 姫が 他所の裕福な国の王子と 政略結婚させられる事になるのですが そのお披露目の為の舞踏会を開くことになり、お見合い写真?みたいな感じに肖像画を 書いてもらうことになります。
その画家の青年を 姫が好きになってしまうんです。でも立場上 気持ちを表にも出せなくて しょうがなく裕福な国の王子と 舞踏会で 会うことになります。
その王子達が 自国のダンサーを引き連れてきて 色んな踊りを踊るのですが(なにしろ 一番の見せ場。一流のダンサーばかりなので 見ごたえあります。)
1番目は アブダラ王子が エキゾチックでセクシーなダンスを踊り子たちに 躍らせます。姫も うっとり・・はするんだけど、自分のドレスが苦しいこともあって 途中で出て行ってしまい “お見合い”は 失敗してしまいます。
2番目は ジパング王国(これは どう考えても“日本”だと思うけど)の王子。それが 連れてきたダンサー達が すごく前衛的な気味の悪い踊りをします。
白塗りで 半裸の男女が 恐ろしい踊りで 背後に尺八とか聞こえていて なんとか?怪談みたいなノリです。姫も ドン引き・・。この王子をされてるのが 竹井豊 という日本人のダンサー兼振付師として有名な方だそうです。筑波大で体育専門学科(舞踏専攻)卒業で 男子新体操経験者(インターハイ5位、国体2位)らしい・・。
あんまり 気味が悪い←(すみません。)から ちょっと調べてみました。でも 竹井さんが 踊られたのは その気味悪い方じゃなかったのですが。
これで 思い出したんだけど、日本人のアーティストって なぜだか海外に行くと すぐ前衛的なアートに走ってしまう・・と思うんです。国内だと 普通なものの方がメジャーなのに。海外の方達も 変わっているから注目はするかもしれないけど、内心「おいおい・・、日本人」って 思っているんじゃないのかな~?
このジパング王国のグロテスクぶり・・は そういう日本のアーティストを 実は皮肉っている つもりなんじゃないのかな・・と ちょっと思いました。(だって ジパング王国 完全に悪役扱いだと 思うので。)
それで 3番目は ヌシャトー王国の王子。3番目でやっと まともな踊りをする踊り子さん達。でも 姫は いいかげんうんざり・・で(疲れてしまって)聞く耳持たない感じ。せっかく まともな王子だったのに 「私は 別の人のものです。」 とか言ってしまい、王の怒りをかってしまう。
さあ、姫さま どうしましょう・・という展開なのですが、とにかくストーリーというよりも 踊りがすべて 素晴らしいです。綺麗なだけでなく 筋肉の動きからして すごいな~と思います。俳優さん、女優さんではないので 演技だけだと「ん・・?」みたいなところもありましたが そのぶん踊りで表現されてます。
バレエ、オペラ、ミュージカルが お好きな方には お勧めです。
tomokeiも 最近は さっぱり・・ですが 以前は バレエもオペラも よく観に行ってました。なので この映画 心が洗われるようで うっとり・・でした。
(でも、このすぐあと “悪夢探偵”見ちゃったので・・。順序反対にすれば よかったかな~と思いました。)