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ユーさんのつぶやき

徒然なるままに日暮らしパソコンに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き綴るブログ

ご注意!「グレシャムの法則」が蔓延中!(2005.2.1)

2005-02-01 | 社長のサプリ
 「悪貨は良貨を駆逐する」という有名な「グレシャムの法則」がある。中学校か高等学校の社会科で習うので、多分、知らない人は居ないだろう。しかし、わが身に照らして理解している人がどのくらい居るであろうか?
 会社の仕事にも「グレシャムの法則」が存在する。ひっきりなしに、客先からも社内からも、問合せや催促のメールや電話が入る。緊急のものが多い。しかし、その中に本当に重要なものがどれだけあるだろうか? 緊急というだけで、優先してやらざるを得ないし、直ぐ済むことが多い。しかし、さして重要でないことでも、緊急というだけの理由で優先してやっている間に、本当に重要なことをやる時間がどんどんと侵食されていく。特に、重要で、困難で、且つ時間のかかる仕事にはなかなか手が付きにくいだけに、半分嬉々としてこれらを犠牲にしていく。これがビジネスにおける「グレシャムの法則」である。恐ろしいのは、犠牲にした大事を忘れているのに、忙しいというだけでしっかりと仕事をやった気にさせられていることである。
 個人生活においても然りだ。1日の生活の中で、あれこれと直ぐにできる些細なことを多くやっている間に、重要なことが手付かずに時間が消えていく。本当に自分を高める困難への挑戦。実現すれば大いにヤリガイを感ずる大切な夢。それらが雑事の餌食になっていく。あっという間に1年が過ぎ、気が付けば10年となっている。髪が薄くなり、白髪が混じる年になって、「少年老い易く学なり難し」「光陰矢のごとし」を嘆く羽目になる。人生における「グレシャムの法則」に敗れた無残な結果だ。
 緊急といえども、小事や雑事は勇気を持って捨て去ることが大切だ。そして自分にとって重要なことは何かを決め、常にそれを意識し続けることが必要なのだ。

      

「農場の法則」をご存知ですか?(2005.1.1)

2005-01-01 | 社長のサプリ
 皆さん。お正月はどのように過ごされましたか? 「1年の計は元旦にあり」と新しく迎える年への抱負や期待を膨らませた方も多かったことと存じます。今年こそ、実り多い1年としたいものですね。
 去年1年、確かによく頑張ったのに成果がもう一つという人も多くはありませんか? その原因をしっかりと追求していますか? 本質的な根本原因の追求を怠れば、また、去年と同じことになりますよ。
 私にも耳の痛い内容ですが、「農場の法則」なるものをご存知ですか? それは、こう言うことです。
「春に種まきを忘れ、夏は遊び呆けて、秋になってから収穫を得るために必死になって頑張る」 
 成果の上がらなかった方は、毎年、この繰り返しになっていませんか? 今年こそは、春にはしっかりと種を蒔き、夏にはせっせと肥料をやり、秋にはゆっくりと落ち着いて、他人の数倍の収穫を楽しんでください。

      

リーダーのリーダーたる所以(2004.12.1)

2004-12-01 | 社長のサプリ
 組織のリーダーである社長さん。リーダーたる人物の具備すべき行動特性や性格上の特質を、当然、ご存知のことと思う。「ビジョン」「情熱」「高潔」「信頼」「好奇心」「大胆」「決断力」などが上げられるかもしれない。多分、これらは、あればあるほど望ましい特性や特質に違いない。しかし、これらが100%揃っていなくても、リーダーになれるだろうか?あるいはリーダーを維持できるであろうか? 世にはこれらが100%揃っていなくてもリーダーである人は5マンと居るし、揃っていてもリーダーをやっていけない人も5マンと居る。一体何がリーダーをしてリーダーたらしめているのか? リーダーの共通点は一体何であろうか?
 それは、「リーダーには進んで従おうとする部下や弟子が居る」ということだけだ。何かの拍子にリーダーになってしまった社長さん。昔ながらの命令や権限や賞罰を強化しても、時には丸投げをやって部下のご機嫌を取ってみても、業績が悪化の一途を辿る社長さん。それは、社長さん自身が組織のリーダーとして機能していない証拠だ。
 「部下が進んで従う」。「社長が言わなくても、それ以上のことをやってしまう」。どのようにすればそのような部下に恵まれるのか? 如何にすれば部下をそのように仕立て上げることができるのか? 平素の自らの言動が大きく作用していないだろうか? リーダーたる者、時には胸に手を当ててじっくりと考えてみることが必要だ。

      

書くことをサボるな!自社のナレッジを大切に(2004.11.1)

2004-11-01 | 社長のサプリ
 世の中には文書にしたり記録を残したりすることを億劫に思う人が多い。しかし、文書や記録の効用は思いのほか大きい。例えば、上司が部下にいくら口頭で指導しても、部下が聞いておらねば、それは空中を通過していくだけである。また、会議で長時間、口角泡を飛ばして議論しても、貴重な知識やノウハウすべて一過性の音波のエネルギーとして消散していく運命にある。
 文書化の効用の一番は、自らの考えを書いてみることにより論理の整理ができることにある。頭の中で堂々巡りしていたアイディアも、書くことによって自然と整理が出来る。また、口でいくら相手に伝えても伝わらなかったことが、文書で渡せば相手にも理解が出来て、さらに良いアイディアを追加してくれる。口で言えば、その場で終わってしまうことでも、都合の良い時間に、場合によれば真夜中にでも、考える自由を読む人に与える。
 文書にすれば、それ自体が記録になる。記録はただの紙クズだとバカにしてはいけない。記録は貴重なデーターなのだ。最近流行のナレッジマネジメントのナレッジというものはすべて文書や記録の集まりなのだ。文書や記録をデーターとして整理し、いつでも検索できるようにしたものがナレッジマネジメントのデーターベースだ。決して、難しいものではない。これらは文書や記録を作った人と無関係に、ニーズのある人が求めて使う。文書を作った人には思いもかけない大きな広がりで使用されるのだ。
 実力のある会社。そこでは成功や失敗の経験が組織の財産として、1年経てば1年分、5年経てば5年分きちんと蓄積している。そして、それを常に活用しているのだ。これは、日々の小さな努力なくしては出来ないことだが、そのベースはすべて書くことにあると言える。


ビジョンが大切!社員のアイディアも取り込んで!(2004.10.1)

2004-10-01 | 社長のサプリ
 「うちの会社にはビジョンがないから上手く行かない」とか、「うちの社長はビジョンを示さないから、みんなやる気が起こらない」とか言う社員の話によく出会う。確かに社長のビジョンがあれば、社員たるもの、それに則して戦略を考え、目標を作り、実行計画に落とし込むことが出来て、大変気楽である。一見、社長の出すビジョンがすべての出発点のように見える。
 しかし、現実はそうは問屋が卸さない。もしも、本当に神様のような社長が居て、先のことがすべて読めて、さっとビジョンが提示されたとしたら、多くの社員は理解が出来ない。そのようなビジョンがとんでもない間違いであることもあるし、逆に「うちの社長は独断専行で、社員や得意先のことは何も考えていない」などと逆切れする社員が出てきたりする。
 実はビジョン作りなんて言うものは、そう生易しいものではない。社員一同、先のことを100も1000もアイディアを出して、考えて、あれでもない、これでもない、と時間をかけて、挙句の果てにやっと出てくるものなのだ。やっとこさ、出てきたときには社員の遺伝子にしっかりと刷り込まれていて、簡単なスローガンのようなもので、十分にその意味が理解されるようになっていることが理想だ。
 大事なことは、可能性のあるアイディアをなるべく多く出すこと。小田原評定でも何でも良い。衆知を集めて、多数のアイディアを追求して、その後で、絞り込んでいくことだ。ひょっとすると社長の仕事とは、アイディアを絞り込んで一つにすることだけかもしれない。社員諸君。何もかもトップに押し付けて、トップのせいにしてサボっていてはいけないぞ。尊敬する社長は決して万能ではないのだ。



良い結果を目指すなら、その原因で勝負せよ(2004.9.1)

2004-09-01 | 社長のサプリ
 ゴルフをやっている人はよくお分かりと思うが、打ってしまった後では絶対にボールのコントロールは出来ない。どこへ飛ぶかはボールに聞いてくれだ。ドライバーショット然り。パット然り。皆さんは、ショットしてから大きな声で、「止まれ」とか「入れ」とか、叫んでいないだろうか?
 これと同じことを経営の場でやっていてもあまり気が付かない。1年の売上結果が出てから「ダメだった」とか、「シマッタ」とか叫んでも遅いのだ。1年間の売上数値は、1年前の頑張った結果に過ぎない。頑張らなければならないのは、その前の1年の、毎日、毎日であったのだ。
 このように、世の中の現象には原因と結果がある。大切なのは原因への関与である。しかも、その時々のリアルタイムの関与である。結果が出てしまった後は、次のサイクルでしか反省の結果を反映できない。何かコントロールしようとすると、原因系に働きかけて、原因系の指標を確認して、その瞬間、瞬間をマネジすることが大切だ。
ゴルフでは、バックスイングであり、インパクトであり、フォロースルーなのだ。同様に、一番大事な会社の売上の場合、結果系の指標だけを見ていてはダメだ。それでは遅いのだ。原因系の指標を監視し、所期の売上目標が達成できるよう、結果を生み出す原因の動作をコントロールしなければならないのだ。


従業員こそ付加価値を生み出す組織の財産(2004.8.1)

2004-08-01 | 社長のサプリ
 すべての従業員が社長の見識で仕事してくれたら、社長はどんなに楽なことであろうか? 従業員がみんな、リーダーシップに富み、チャレンジ精神を備え、忙しい社長が逆立ちしても追いつかないような高度の専門知識やスキルを駆使してやってくれれば、社長は左団扇で、椅子に座って、ただじっと見て居れば良いだけだ。ところが、世の中は決して、そのようにはなっていないし、そうは問屋が卸さない。社長が怒っても、怒鳴っても、社長は社長であり、従業員は従業員だ。従業員の内実のレベルアップが伴わない限り、従業員は何も変わらないし、前進もしない。
 ところで、現実に少しでも従業員のレベルを高めて、自分が楽をしようと考えている社長はどのくらい居るであろうか? 社長はあまりにもオレがオレがと思い込み、従業員の能力を軽んじていないだろうか? 社長はどれだけ本気になって従業員の能力向上や育成に時間や資金を投下しようとしているか? 「従業員満足や従業員教育なんてコスト以外の何者でもない」と考えていないだろうか?
 ところが、一方で口を酸っぱくして力説している顧客満足は、従業員満足と極めて大きい関係があるのだ。いやいやながらやっている従業員に顧客を満足させることなんて出来るはずがないし、組織のための価値ある提案をしてくれるはずもない。従業員こそが会社を思い、顧客に働きかけて、組織の利益や価値を創造してくれる唯一の存在である。従業員の意欲を引き出すためにも、その能力向上や育成に、もっともっと投資をしても良いのではないか?


経営不振の理由(2004.7.24)

2004-07-24 | 社長のサプリ
売れる商品がない
売れる顧客がつかめない
経営者(自分のこと)に切実感がない
経営者が本気になっていない
経営者の夢が本物の夢ではない
営業が安定し先行しないと前進できないと思い込んでいる
経営者に勇気がない
経営者が無能である
新しいビジネスモデルが描けない
飛躍的な考えが出てこない
独創的なアイディアがない
きっかけがつかめない
真剣に考えていない
人生の目的がない
計画がない
戦略がない
考えている時間がない
現実の忙しさに逃避している


リストラの時代は済んだ。反転攻勢に転じよ!(2004.7.1)

2004-07-01 | 社長のサプリ
 コストダウン。これは不況時に生き残る戦術であった。他社より少しでも安く顧客に製品やサービスを提供できれば市場に生き残ることが出来た。ある意味ではコストダウンでサバイバルゲームをやっていたのだ。しかし、あれもダメ、これもダメの経費削減ばかりで本当の競争に勝てるだろうか? 一時的に帳簿上の利益は出ても、新しい商品、新しいサービス、新しい技術、新しい事業、新しい市場への挑戦までやめてしまっては、社内のやる気までなくしてしまう。気が付いたときにはジリ貧どころか、売るための商品すらなくなっていることだろう。断じて、会社は節約するためにのみ存在しているのではない。
 当たり前のことだが、利益は投資の見返りである。蒔かぬ種は生えないのだ。種まきを怠れば、やがて干からびた苗床だけが残り、いずれ先細りの運命だ。新商品、新サービス、新技術、新事業、新市場での売上拡大を図ること。そのためには社員を大切に扱い、社員の能力を最大限発揮させることである。イノベーションの源泉はあくまでも人間たる社員の頭脳と努力の産物なのだ。
 リストラはあくまでも一時避難である。リストラの時代は済んだ。今は反転攻勢の時機だ。コストダウンだけではおいていかれるぞ。



神様に騙されてはいけない(2004.6.1)

2004-06-01 | 社長のサプリ
 お客様は神様である。顧客満足を目的として、日々、営業するものにとって、これは犯すべからざる真理である。しかし、これが常に正しいとは言えないので、世の中をより複雑なものにしている。神様でも、自分の本当のことが分っていなかったり、ウソをついたりすることがあるからだ。
 ISO9001(品質マネジメントシステム)の要求事項の一つに、顧客満足度の監視・測定と言う項目がある。また、新製品開発のための市場調査として、神様であるお客様の声を直接質すアンケートが計画される。この時の調査で結論として出された、客観的なはずの神様の声を真に受けた正直な担当者がころっと騙されることがある。
 「お客の本質の三原則」をご存知だろうか? ①お客は何を欲しているか自分でも分っていないものだ。②お客はなかなか本当のことを言わないものだ。③お客は合理的な行動をするとは限らない。以上の三点である。
 経験が豊かで、強い問題意識をもったベテランならカンで分るのだが、統計的の処理した、一見客観的な数値データーが一番危ないこともあるのだ。各々方、神様に騙されないように。ご用心。ご用心。

         

着想には発散、計画には収束が肝要(2004.5.1)

2004-05-01 | 社長のサプリ
 発散と言うのは、まとまらず何処までも広がっていくこと。収束と言うのは、それが一つのポイントにまとまっていくこと。世の中は、この発散と収束とがペアになっていることが多い。我々の生息する宇宙も然り。今は膨張しているが、やがては収束に転ずるらしい。
 世の中のこと。多数の人間の集団で生きているので、発散ばかりして、これを上手くまとめて行かないとコトが運ばない。従って、まとめ上手が切り盛りをして、その人の貢献度が高いとばかり評価されて出世していく。それが世間の見慣れた景色である。しかし、本当に貢献度が高いと言えるのだろうか? その人は収束させただけで、新しい価値の創造にあまり貢献がないのではないか?
 世の中をしっかり見ると、収束の前に大体発散の過程がある。むしろ発散させるだけ発散させて、その中から一番優れたものを採用するのが成功の秘訣である。発散を欠くと良いネタが集まらない。発散を恐れず、一時期はなるがままに任せ、頃合を見計らって収束に掛かるのが良い。気の小さい人はいきなりまとめに掛かるから結果は常識的な出来に終わる。
 創造やイノベーションには着想が不可欠であるが、その着想をゲットするには発散の過程を意識的に活かすことが大事だ。また、そこで貢献した人、本当に価値あるアイディアを出した人も同時に誉めてやりたいものだ。

         

そのリストラ、一寸待った!(2004.4.1)

2004-04-01 | 社長のサプリ
 「リストラをした会社の80%は再びリストラをしている」と言う話を聞いたことがある。順調に縮小均衡の流れに乗っている気の毒な会社群だ。アナタの会社は大丈夫ですか? ところで、何故このようなことになってしまうのだろうか? 不景気? 売れるものがない? 不景気なのは自分の会社だけではないという安心感?
 経営者はそのために何をしなくてはいけないのか? 景気が良くなれば自社の景気が良くなる。景気が悪ければ他社と同じように景気が悪くなる。これでは何処に経営者の役割があるのか? 他社とは関係なく当社の経営を安定させる方策。これを不景気なる前から、自社の構造にビルトインしておかなければならぬ。顧客に喜ばれる他社とは一味違う新しい製品やサービスの提供を創造し続けているか?
 リストラは何のためか? 本義は再構築である。身軽になることによって、製品やサービスを見直し、組織の非効率を改め、社員を奮い立たせ、新しい価値を創造するためだ。リストラが必要なときもある。しかし、その目的が当座の資金繰りのためであっては、あまりにも悲しい。ただの人減らしでは80%の確率で再びリストラをしなければならないのだ。



経営習慣病にご注意を(2004.3.1)

2004-03-01 | 社長のサプリ
 政治の世界の永田町に抵抗族が居るように、社内には変化に抵抗する人々が五万と居る。何故だろうか?曰く「そもそも変化の必要性を感じていない」「トップは誤解している」「管理者にリーダーシップがない」「多忙過ぎる」「管理者に関心がない」「派閥が悪い」「過去に失敗した」等々、自分以外に原因をなすり付ける言い草に満ち溢れている。要するに、現在の習慣を変えたくないだけのことだ。これを「経営習慣病」とでも呼んでおこう。
 よく似た現象に、人間個人の生活習慣病がある。「毎晩飲む酒」「暴飲暴食」「夜更かし」「偏食」「運動不足」「睡眠不足」等々が原因とされている。ひとえに本人が現状の習慣からの変化を拒むことから生じている。「生活習慣病」の行き着く先は、言うまでもなく、「高血圧」「糖尿病」「脳溢血」「心筋梗塞」、そして最後に「病死」だ。
 「経営習慣病」の行き着く先は言わずとも、もうお分かりですね。「売上不振」「資金繰り悪化」「債務超過」、そして最後に「倒産」です。まさか、「経営不振」の原因を自分以外の世の不景気のせいにして、新しいことやものへ変化することを拒んで居るのは、他ならぬ経営者ご自身の抵抗の為せるワザではないでしょうね。


社員の能力アップは資産の増加です(2004.2.1)

2004-02-01 | 社長のサプリ
 世の中には分らないことが多い。その一つが貸借対照表である。貸借対照表は企業のある時点での資金の源泉とその使途を示すものとしてバランスシートと呼ばれる。その中で分らないポイントを一つ上げる。
 社員の能力アップを例にとる。社員をホテルに缶詰にし、講師を招き、真夜中までケンケンガクガクの議論をさせたとする。ホテル代、食事代、交通費、講師料。色々な支出があり、仮にすべて現金で支払われたとしよう。借方、流動資産の現金が減る。代わりに社員の能力がアップし、明日からバリバリとやる気になっている。本来ならば、これは大きな会社の財産の増加だ。しかし、これらプラスの価値は貸借対照表には全く計上されないのだ。現金のマイナスだけが計上される。また、費用をかけたリエンジニアリングで生産性が極めて上がる組織に改造しても、費用が掛かれば貸借対照表上では、その分、資金が流出するだけだ。本来ならば、社員の能力アップや効率組織への転換はソフトな資産の増加として、無形固定資産にでも計上されるべきなのだ。
 ここのところを理解しないと、いたずらにリストラや経費節減に走ることになる。汲々として大事なものを失い、機会を失い、儲けるチャンスを自らカットしている。儲けるために大事なことは、先ず投資をすることなのだ。本当は社員の能力アップが売上拡大に直結する最高に効果的な投資なのだがね...。


リスクマネジメントのことを考えてますか?(2004.1.1)

2004-01-01 | 社長のサプリ
 リスクマネジメントなる言葉が流行り始めた。世の中、騒がしくなったり、物騒になったりで、何処にどのような危険が潜んでいるか分らない。下手すると、今まで営々と築いてきた会社の財産や信用を一挙に無くすかもしれない。そのような潜在的な危険をリスクと言うが、このリスクが現実になる前に管理しようということから、リスクマネジメントと言われている。
 このように書けば、何だか、最近流行りのアメリカ直輸入の難しいマネジメント手法の薦めかと思う向きも多かろう。しかし、心配するに及ばない。ご先祖様は、とっくにご経験済みで、それを後世の子孫に伝えてくださっている。何と言うことはない。ずばり、「備えあれば憂いなし」と仰言っているのだ。ご先祖様は、これだけでは心配と見えて、「転ばぬ先の杖」と言う言葉まで残してくださっている。正しくリスクに備えての予防処置の大切さを力説しているのだ。我々はリスクマネジメントと横文字になっただけで、急に有り難く思ったりしているが、さらに追加すれば、「泥棒を見て縄をなう」と言う言葉まである。普段、泥縄の仕事しかしていない人には、すっかりお馴染みの言葉だが、リスクが発生してからでは遅過ぎることを戒めたものである。
 今年は、今日始まったばかりだが、この1年は日本古来の先人の知恵をしっかりと思い起こして、それぞれの経営のお役に立てて頂きたいと思う。外国から教えてもらうばかりが能ではない。