ひねもす のたりのたり かな

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久々にお仕事の話

2008年03月06日 01時59分50秒 | お仕事
今、助成財団は大変な事になってきました。
法律によって、公益性を認められないと公益的な法人として名乗っちゃいけなくなったのです。(ものすごく簡単にまとめて言うとね)
これも仕方ないのです。ようするに悪い事の隠れ蓑に「財団法人」の名前使っちゃう人が多いから。
例えばAさんがとってもお金稼いでいるので、税金もいっぱい取られます。でもいっぱい取られるのしゃくだから、そのお金で助成財団を作りました。助成財団に毎年寄付してますので、良い事してるしマイナス作ってるから税金ちょっと控除して貰える。
さて、その助成財団のトップはAさんの奥さん、役員だからそれなりの給料をその財団は払います。まあ、月に一回顔出しに行きます。常任になるなら、遠いと面倒なので、マンションの隣の一室借ります。事務員は、娘です。ちゃんと毎月お給料貰います。トップのお母さんが妥当だって思う額だけ。さてさてその財団法人が助成金を出すのは、音楽活動支援に対してですと寄附行為に書いた。あら、息子が音楽活動やってるから、それに出しちゃえ。
極端な例だけど、こんな使い方も出来るわけなのよね。こうゆう節税対策のための「財団法人」ってのは、けっこうある。げーのー人の人のとかね。
そうゆうのを無くそうって事で、評価ちゃんとされないとダメって事になったのだ。

だから誰かが評価してくれないと、公益的な法人じゃなくなっちゃうのです。
この「評価」これによって、うちの会社は大きく変わってしまいました。


種に水をやる……から、実った果実を太らす甘くして刈り取る。むしろ狩り取る。


評価されないといけないので、評価できる成果のでそうなもの「中心」に金を出します。
最終段階に近い研究しか出ないの。
これからこつこつと頑張る、基礎研究には出さない。多分、殆どの院生の皆さんに、ごめんなさい。名前の売れてる指導教官のいる人だったら、まあそっちの名前借りて出せば、何とかなるかも。甘い果実の予感だけは見えるから。
だって、常に評価されないと「公益的な法人」名乗れないんだもの。

あー、あとついでに科研費の出ない分野を中心にって方針だったのも、今年からすっぱり止めらしい。科研費貰えないようなのは、評価も貰えないだろうから切捨て。

だって仕方ないじゃない。名乗れなくなるの困るもの。天下の某会社の財団だもの、評価されないと社会的にイロイロ言われちゃう。
評価されなきゃ、いっぱい評価されなきゃ。
だから、美味しそうに実りだした果実にしか、興味無いのです。
将来有望な芽?有望になりそうなぐらいに育ったら狩りにいきますので、それまで頑張ってどこかの財団にお金貰って下さい。
海外?あー、市場が大きいから当たりって少ないのよね。評価されないとてけないから、ちょっと危険は冒せないの。ごめんね。でも甘くなりそうだったら、狩りに行きます。

……世知辛い世の中になったよなぁ……
地道な助成活動が出来ない、そんな世の中になってきました。
私は若い研究者に、助成金出したいんだよねぇ。夢、あげたいじゃん。
でも、もう無理。あーーあ
……お仕事のことっていうか、愚痴でした。

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