何とお粗末な・・・

　２０１３年４月２５日、東京電力福島第一原発の事故で最初に炉心溶融した１号機の冷却装置「非常用復水器」について、電源が失われると弁が閉じて機能しなくなる構造を原発幹部らが知らなかったことが、２０１１年１２月、政府の事故調査・検証委員会（畑村洋太郎委員長）の調べで分かった。委員会は、機能していると思い込んでいた幹部らの認識不足を問題視している。また、その結果、炉心溶融を早めた可能性があるとみているのだ。非常用復水器は、外部電源や非常用発電機などの交流電源を使う通常のポンプを動かせなくなった時に炉心を冷やす手段。原子炉圧力容器内の蒸気を冷やして水に戻し、再び炉心に入れるのに使う。装置は２系統あり、水を満たしたタンク内に通した配管に蒸気を送る。直流電源（蓄電池）を失うと、操作不能になって外へ蒸気とともに放射性物質が漏れるのを防ぐため、蒸気を送る配管の弁のうち格納容器の内側の弁が自動的に閉じ、蒸気が通らなくなる設定になっていたのだ。何とお粗末な・・・（佐々木和夫）