八戸工大、冷暖房効率80%の太陽集熱器開発
八戸工業大学大学院工学研究科の青木秀敏教授らは、年間を通じて太陽熱を冷暖房に効率的に利用できる太陽集熱器を考案した。黒色のフィン付きのパイプを集熱面に利用、パイプに水を流して熱を回収しつつ、パイプからの放熱も空気の流れで回収する。
太陽集熱器は太陽熱で水や空気を加熱する機器。熱交換に熱容量の大きい水を使うことで大量の熱を蓄熱できる半面、気象条件によっては放熱も多くなる。また、水が凍結する寒冷時には使用できない。空気を使う場合、熱の回収は容易だが、蓄熱することが難しかった。そこで研究グループは水と空気の両方を熱交換に用いる方式を採用した。
考案した太陽集熱器は、パイプの周りのフィンにより、放熱面積を増やしている。冬期には太陽熱によって暖めた温水を給湯に使い、同時にパイプからの放熱を送風した空気によって回収、暖房として利用する。集熱効率は約80%と、水と空気を組み合わせることで高い数値を得た。厳冬で水が凍る場合も空気での熱回収は可能となる。
また、夏期には昼間に太陽熱で温水を得るほか、夜間の放射冷却によって外気温より2度C程度低い冷水も得られ、冷房に使用できる。