母は膝を悪くしてからは、殆どの時間を一人部屋の中で過ごす。 だからこんな娘でも訪ねて来るのを楽しみに待っていてくれる。 外食も楽しめなくなった母に、デパ地下でなるべく季節を感じられるお弁当を買い整えるようにしている。今日も旅のお土産を持って久しぶりに母を訪ねた。
途中、何時ものようにお弁当を選ぶ。 今日は
「松茸ごはん」にした。「京樽」は薄味でお惣菜も美味しいのでそれに決めた。
ついでに夕飯のお惣菜も買った。母のお相伴でチョッピリの贅沢。
電車の中で17~18歳の女の子が笑顔で盛んに喋っている。でも友達同士なのに何故か向かい合わせに座っている。 チョッと変わってるなァ~と思った。手振り身振りが激しい。それと無く見ていて或る事に気づいた。 盛んに喋ってはいるが、それは言葉ではないと言う事・・・・言葉としては聞き取れない。
手振り身振りは手話だった。向かい合わせに座っているのは、お互いの唇を読み手話を見る為。
もの凄い速さで語る手に暫し見入った。