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責任なすり合い劇場化 小保方騒動で見えた学術界の“異常”

2014-04-20 | 報道・ニュース
 「今やSTAP細胞は、霊的現象と同じなのである」――。発売中の「新潮45」で、ノンフィクション作家の小畑峰太郎氏がこう書いていた。確かにそうだ。

「幽霊は存在します! 私は200回以上見ています。ただ、幽霊を見るためにはコツがいる。今のところ私にしか見られません」

 そう泣いて訴える霊能力者を叩いても、無意味だろう。

 STAP細胞論文の自称アドバイザー、理研の笹井芳樹・副センター長(52)は16日の会見で、「STAP現象は検証すべき『仮説』」と言っていた。これまで「本当にあるのか」と疑いの目で見られてきたが、あくまで“仮説”なんだから、STAP細胞は現時点で「ない」ということだ。

 さらに笹井氏は会見で「若山研が…」「世界の若山先生が…」と、共同執筆者である山梨大の若山照彦教授(47)の名前を38回も連呼していた。
「小保方(晴子)さんも“涙の会見”で<現存するSTAP肝細胞はすべて若山先生が樹立したもの>と、全責任が若山先生にあるかのような発言をしていた。今や責任のなすりつけ合い、不毛な論争になっています」(科学ジャーナリスト)

 もうそろそろ見切り時だ。メディアは小保方叩きも犯人捜しもやめた方がいい。そもそも仮説なんだから、意味がない。それよりも、今度の騒動でつくづく分かったのが日本のアカデミー界の異常さだ。過酷な競争、嫉妬や足の引っ張り合い、功を焦った結果が小保方論文で、責任のなすり合いが劇場化している。

「笹井先生は理研のエースの座を渡したくない。小保方さんも年収1000万円近い研究者生活を奪われたくない。上司も部下も、生き残りに必死なわけです。一方、若山先生は人のいい“実験職人”で、奥さんも理研の元研究者。笹井先生には逆らえません。口答えしようものなら、この世界で生きていけなくなる。だから口をつぐむしかないんです」(理研関係者)

 陳腐なサスペンスドラマみたいだが、これは何も、科学の世界に限った話じゃない。世の中、似たような話がゾロゾロで、何だかタガが外れてしまっている。保身のためのウソ、ゴマカシがあふれている。そんな記者会見もしょっちゅうだ。小保方さんの前は佐村河内だったし、食品偽装、反社取引など挙げていけばきりがない。

 政治評論家の森田実氏が言う。
「猪瀬(直樹)前都知事や、みんなの党の渡辺(喜美)前代表ではありませんが、平気でシレッとウソをつきます。米国発の市場原理主義がはびこり、競争が熾烈になったせいで、皆が皆、保身に必死なのです。それこそアルバイトから学者、政治家まで、国民全体が正直さを失いつつあるようです」

 かつてなら、トップがスパッと責任を取って収めたものだ。しかし、今や理研の野依理事長からして、小保方さんに責任転嫁だ。つい先日は高校生が“オレオレ詐欺”で捕まったが、この国の縮図だ。上から下まで、「正直者はバカ」とでも思っているように見える。

 どうおさまるんでしょうね。