先月、兵庫県立美術館で開催していた
「写真家・中山岩太」展に行きました。
(報告が遅くなりました。本展は終了しています。)
中山岩太氏といえば
東京美術学校(現・東京藝術大学)に存在した
幻の写真科(大正4年~大正15年に存在)の一期生。
卒業後、海外で活動。
帰国してからは芦屋を拠点として
“芦屋カメラクラブ”を創設した人物
などなど
時おり写真史レクチャーをおこなう私は
氏に関する情報は一応知っているつもり。
しかし
今回の展示では
新たな発見が幾つかありました。
神戸の街並みを写したコーナーでは
アメリカ軍による爆撃中の写真があり
驚きました。
写真の内容について驚いたわけではなく
爆撃現場にカメラを向けた行動に驚いたのです。
写真の芸術性を追求した氏が
戦争写真を撮影していたという事実。
時代性を考えると
あたりまえのことかもしれませんが
私にとっては新たな発見でした。
*
それから、もうひとつ。
第二次世界大戦中
ポーランドから逃れてきたユダヤ人を救うために
リトアニアにてビザを発給した外交官・杉原千畝のテレビドラマを
以前に見たことがありました。
私はこのドラマにとても感動。
このビザにより救い出された人々は
その後、敦賀港経由で神戸を訪れ、滞在。
安井仲治を中心とする丹平写真倶楽部のメンバーが
彼らを撮影したとの事。
展覧会の最後の部屋にその時の写真が
シリーズ「流氓ユダヤ」として展示されていました。
これらの写真、たいへん興味深かったです。
テレビドラマの続編を見た気分になりました。
話がそれますが
阪神・淡路大震災の時
この流氓ユダヤの人から
お礼の意味で
巨額の復興支援金が
送金されたという事実も知りました。
*
いろいろな事を考えた美術鑑賞でした。
Yoshie
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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