徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

「写真とは何か」を問う写真家の作品

2010-10-18 | 展覧会案内


展覧会のご案内です。


吉川直哉展
I lick up "Behind the Gare Saint-Lazare,Paris, 1932, H.C.B"
会期:2010年10月12日(火)~31日(日)
会場:
ギャラリーアーティスロング



会場に入るや否や
スケールの大きな展示に圧倒されました。

偉大な写真家の作品を複写し
その写真家の眼になりかわって
作者(吉川氏)の見方を提示するという手法です。


壁面はアンセル・アダムス、床はアンリ・カルティエ・ブレッソンの写真を複写
人物は私・Yoshie



奥:ロバート・キャパ 手前:ユージン・スミス

吉川氏にとっての複写とは

写真家のカメラの中に
または
写真家の目の中に入って
作品と接するという

独自の写真鑑賞法であると
作品解説文に記しています。

鑑賞者はこの展覧会で
新たな写真の接し方を体験できるという訳です。

なるほど。





鑑賞者に知識がなければ理解できず
いうなれば
写真関係者のための写真作品ということにもなります。

その場合は
逆に
展示作品から遡り
複写の対象となった写真作品について
理解を深める体験も意味のある事。

教育的作品ですね。



最後にもう一作、紹介。
デュシャンの窓から見える風景は
ニエプスによる世界最古の写真(アニメーション)。
二段重ねの構造です。


作品図録による紹介

このアニメーション部分の作り込みが素晴らしい。
一見の価値アリ!



<この展覧会にて気づいたこと>

絵画を学ぶ上で
“絵画の模写”をおこなうことの意義を認識していながら
写真については
“写真の複写”の意義を考えた事がなかったという事実。




会場は京都、会期は10月末まで。

ぜひ



Yoshie

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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