高校合格のお祝いに両親からプレゼントされたのは、
当時各メーカーが技術を競っていた4チャンネルステレオである。
ステレオという言い方は、やや変に思われるかもしれないが、2チャンネルを意味するするのではなく、商品の総称を指している。
当時はまだ、システム・コンポという言葉は一般に使われていなくて、アンプやプレイヤー、スピーカーを組み合わせるオーディオ・コンポーネントか、いわゆる家具調ステレオ、または、簡易ステレオ(今のシステム・コンポのはしりか?)、スピーカー内蔵のレコード・プレイヤーが市販されていた。
小学生の時、このスピーカー内蔵のレコード・プレイヤーなら手が届く価格であったが、親に止められていた。
なぜなら、シングル・レコード1枚が小学生だった私の1か月の小遣い相当の価格であったからである。
脇道にそれてしまったが、4チャンネルの方式は大きく、ビクター系とソニー系に分かれていた。そこで、両方の方式を再生できるパイオニアを選択した。
ネットで調べてみると、そのシステムの画像があったので紹介させていただくことにする。
パイオニア FD-5型 である。
フロント・スピーカーは4ウェイ、リアは2ウェイであった。アンプ部はチューナー内蔵のレシーバー・タイプ。プレーヤーはオート・スタート、オート・リターン方式ではなかったかと記憶している。
レコード枚数の乏しい高校生は、FM放送に釘付けになっていた。
フォーク、ポップス、ロック、ジャズと色々聴いていた。
この時に聴きかじったものの多くを、その後、レコードで、CDで手に入れている。
番組名は忘れてしまったが、小室等さんの番組、片岡義男と安田南の『気まぐれ飛行船』、油井正一氏の『アスペクト・イン・ジャズ』、渡辺貞夫さんの『ナベサダとジャズ』などなど。
地元制作の柴田チコさんがDJをしていた番組は、チェイスの「オープン・アプ・ワイズ」やデイープ・パープルの「レイジー」をオープニングに使ったりしていてお気に入りの番組であった。
私の人生に大きな影響を与えた時期でした。