みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

「ブリコラージュ」

2018年08月23日 | 俳句日記


私が手を合わせたい程に尊敬する文化人
類学者、レヴィ=ストロース博士です。
博士は1977年、長年の夢であった日本の
文化探訪に来られました。

88年迄に5回も訪れて「日本人は『野生
の思考』を、高度に発達した科学技術と
同居させた稀有な民族である」と言う言
葉を残されました。

なにも優秀な科学者や技術者が「野生の
思考」のエッセンスを取り入れて、新し
い物作りをしているというのではなく、
誰もが持っている資質だと言うのです。

そのキーワードが、博士の大著「野生の
思考」に登場する「ブリコラージュ」、
あり合わせの材料を用いて自ずから作る
、仏語の訳は「器用仕事」だそうです。

「な〜んだ!そんなことか」と言う勿れ
、ソクラテス以来思弁を重ね形作られた
西洋哲学に挑戦する、画期的な哲学体系
を象徴する言葉なのです。

それが博士の「構造主義」と言う学問体
系で、A Iにも影響を及ぼすものです。
私に説明しろと言われても入り口迄、
それとても字数の制限がありますし…。

事情をお察し下さい。ま、有り体に言えば、古代人や未開人より現代人が優れて
いる訳じゃない、現代人が忘れかけてい
る価値の再発見に資する学問なのです。

日本流に言えば「下町ロケット」の世界
が明日を開く、という事でしょうか。
明日も「野生の思考」についてもう少し
書いてみようかと思います。

8月23日〔木〕晴れのち曇り 夕方☂️
朝のうちに図書館へ、また三冊借りる。
読むほどに深みにはまって埒もない。
コオロギが気を落とすなと鳴いている。
学者先生の能力には頭が下がります。
老いない為にも頑張りましょう。

〈蟋蟀も 一期の友ぞ 雨あがり〉放浪子
季語・蟋蟀(秋)