みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

台湾という国(その2)

2018年08月07日 | 俳句日記


丁度二ヶ月前である。
棲家に転がるように帰り着いて、翌朝の
新聞の一面を見て絶句した。
更に、編集手帳を読んで涙が噴き出た。

結愛ちゃんの綴った文章を引用して「こ
んな切ない詩は見たことがない」と述べ
ていらっしゃる、同感である。
切実な思いを端的に綴った立派な詩だ。

ことは、五歳児にここまでの文章を書か
せる程切羽詰まった状況があったのだ。
同欄の筆者はこう結んでいる。
「とっても偉い子だよ、結愛ちゃん」

原稿用紙に滴る筆者の血涙の音が、聞こ
えてくる様な気がしてならなかった。
この記事を読んで、涙しなかった親はい
なかったのではないか?


子は安心しきって親の懐に眠る。
結愛ちゃんだって必死になって親に哀願
していたじゃないか。

まるで苦痛を味う為だけに生まれて来た
様な結愛ちゃん、キリスト様と同じだ。
お地蔵さんは、人々を諭す為に姿を変え
て出現なさると言う。

ならば結愛ちゃんは子安地蔵の化身だっ
たのかも知れない。


そう思いたくなる程、結愛ちゃんの最期
の三年間が不憫でならない。

〈梅雨雫 漫ろに濡れて 結愛地蔵〉放浪子

6月7日の記事を読んで発句した。
「子殺し」は、もはや社会的な病理とな
っている。
「イジメ自殺」についても、学校のみな
らず教育委員会まで隠蔽を図る。

高級官僚が改竄や不始末で職を去る。
この国はどうにかなってしまった。

大人の精神が弱くなったのである。
勇気を持てなくなったのである。
子雀や隣人さえも救えなくなった国が、
隣国を救えるはずが無い。

台湾の人々には申し訳ないが、今の日本
人はそんな体たらくです。
奴隷ばかりの国になってしまいました。
日本を取り戻す為に逆上陸して下さい。

8月7日〔火〕薄曇りの朝 のち 晴れ
立秋の朝、噫々やはりと窓を開いた。
平成最期の夏が終わった。
気象用語では、今日から残暑だそうな。

癌と連れ合いになって二年が過ぎた。

〈早や二年 未だ残余の 秋立ちぬ〉放浪子
季語・秋立つ(秋)