まいど毎度のおはこびでいたみ入りやす。
能因法師は霞みと共に都をお立ちになり、
陸奥に下られましたが、霞み立つみちのくを
きょう立ちまして、東京、京都を経由しながら
ぶらり九州までの旅が、今回の私の旅でして、
約十日をかの地で過ごさせていただきます。
そこで、誠に勝手なお願いなんですがね、
この間はブログをお休みさせて頂きたいと
存じまして、お許しを乞う次第です。
どなた様も、何卒よろしくご理解の程伏して
お願い申し上げます。
そのかわりと言っちゃなんですがね、無事
帰えってまいりやした時には、土産話なんぞ
たんと用意いたしやしてね、芭蕉翁よろしく
「西国紀聞旅日記」みてぇなものにして報告
させて頂きやしたらと思っておりやす。
こういっちゃなんですがね、博多ってぇ言う
処はいいとこでございましてね、山を背にして
博多湾をかかえこみ、太宰府まで平地が深く、
それでいて適度に都会で空港も近いときてる。
なんちゅうても喰いもんが旨かとですたい。
はかたラーメンとか、もつ鍋は知っとらっしゃる
じゃろうばってん、うどんも弘法大師が唐から
持って来んしゃったとは、博多が最初バイ。
大師が讃岐のお人やけん讃岐うどんも有名
ばってん、こっちが先やけんね。誤解せんとき!
それにくさ、玄界灘がすぐそこやけん、魚が
旨かとたい。食べたらすぐ分かるっちゃ。
あ~早よ行きたか~。
みんなが待っとるけんね。
ありゃもう出る時間たい。
そしたらくさ、もう出るけん。
元気にしとかないかんよ。
はかたメンタイば買うてくるけんね。
こうして、メンデルスゾーンの「春の歌」に
見送られるかのように、まるでお足が地に
着かぬ様子で、ふわふわと風に吹かれて
春の旅に出かける私なのでした。
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三月二十日(月) 晴れ
暫し別れの朝の宴
アイらにパンを求めて与う
喰いだめ出来たかな
午後より出立
お気楽な一人旅