みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

インビジブル・インフレンス(見えない影響力)

2017年03月07日 | 俳句日記

 新聞の新書欄に「インビジブル・インフレンス」ジョーナ・バーガー著ってぇのがありました。

はしがきに・・・私たちの決断の99.9%は他人によって方向づけられている・・・なんて紹介

されていましたが、ようは「縁起」のこってすな。「因果」ともいいます。

ありていに言えば、幽霊は枯れ尾花で、因果応報で、善行善果、逆も真なりなんですよ。

 

 お釈迦さまの教えですな。

教えの根本は「唯識」にあるのですから、「自」があって「他」がある。

「他」があって「自」がある。ゆえに「自」が「空」ならば「他」も「空」。

そこで「般若心経」の「色即是空、空即是色。色不異空、空不異色」となるわけですな。

 

 これを解説していきますと、一冊の本に為ってしまいますから、今日はよしときますけど、

近年、西洋の「自己」と「知識」から始まった哲学が、どんどんお釈迦様の教えの近づいて

来ているように思いますな。

 天上の世界から「人類よ早く気づきなさい!」と声が聞こえてきているような気がします。

 

 すでにニーチェ先生は、近代の西洋文明への批判のなかで、お釈迦様に行き着いたので

「ツアラストラはかく語りき」を書かれたんですよ。

 アドラー先生も、認識の幅を宇宙感覚にまで広められて、人の承認欲求からくる心の病を

癒そうとなされた。「アドラー心理学」の核心部分である全体論ですな。

 どちらも「華厳経」の世界観ですよ。

 

 いずれにせよ、文明の相克を融和するのは互いの文化の理解ですから、右脳ばかり使わず

左脳を鍛えて愛し合うことが肝要です。そうすればミサイルも不必要になるでしょうね。

 レヴィ・ストロース先生はそれが出来るのは日本人の「野生の思考」だと予測なされたのです。

 

 てなわけで、落語てぇのは人類の救いかもしれませんな。  =お後がよろしいようで=

 

    < つくづくと 箸の先なる 分葱かな >  放浪子

 

三月七日(火)  晴れ時々曇り 西の風

         誕生日なのに冷えることしきり

         西風にアイの羽がなびく

         日中はあれこれと多忙

         夕刻より分葱をゆがく